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民法/免責的債務引受に関する担保権
pocyun167 2023-10-09 10:37:32
債権者は引受人に対する単独の意思表示によって、担保権を引受人が負担する債務に移すことができます。但し、その場合、債務者が設定者であったときは債務者の承諾が必要になります。
①三面契約の実務上は免責的債務引受契約書に、担保権の移転を明示することによって債務者の承諾を得ることになるのでしょうか?
②担保目的物が第三者に譲り渡されている場合も、第三者の承諾が求められますが、そもそも第三者は登記記録により抵当権の存在を認識していて、免責的債務引受があっても債務は消滅していないことを前提とすれば、承諾の必要性はないと思われるのですがいかがでしょうか?
③債務者や担保の目的物の第三取得者が承諾しない場合は、免責的債務引受はどうなるでしょうか?
債権者はその契約をしないという選択か、引受人の資力が十分なら無担保で対応となるでしょうか?
債務者や第三取得者が承諾しない場合、抵当権の登記の処理はどうなりますか?
債務者の変更も抹消もできないように思いますが。
pocyun167 さん、こんばんは。
①について
設定者が引受人以外の者である場合、その者の承諾を得なければならない(民法472の4Ⅰただし書)となっているのは、免責的債務引受の合意とは別に担保権移転の承諾の意思表示を要求することで、意図せず担保権が移転する事態が生ずることを防止する、という趣旨ですから、三面契約でなされた免責的債務引受契約書に、単に担保権の移転を明示しただけでは、当然に設定者である債務者の承諾を得たとは評価できません。特に登記原因証明情報では、当該設定者の承諾があった旨を記載しておく必要があります。
②について
担保権設定者(第三取得者を含む)にとっては、誰が債務者であるのかは利害に影響するため、当該債務者の変更には、第三取得者の承諾が必要となります。「抵当権の登記」にとって、債務者を変更しても、被担保債権は変わっておらず、登記手続として重要な変更登記に該当しない(所有権登記名義人である設定者の印鑑証明書を省略できる)ということとは、分けて考える必要があります。
③について
設定者や第三取得者の承諾が得られなければ抵当権は消滅し、「年月日抵当権消滅」を原因に抹消登記を申請することになります。
講師 小泉嘉孝
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koizumi1 2023-11-13 20:37:40