ニックネーム | *** 未ログイン ***

 

回答順に表示     新しい回答から表示     参考になった順に表示

hanakosさん、こんばんは。

売買代金の一部の受領は、125条(法定追認)の「全部又は一部の履行」に該当します(大判昭8.4.28)。
しかし、125条(法定追認)は、無権代理には類推適用されません(最判昭54.12.14)。

一方、113条の追認については、「黙示の追認」も含まれ、当該黙示の追認には、売買代金の一部の受領も含まれると考えます。

そこで、無権代理における本人による売買代金の一部受領が追認としての効果を生じるのは、あくまでこれが「黙示の追認」に該当するからであり、125条の類推適用によるものではありません。
つまり、「履行の請求」と同じ論点がここにもあるということです。


平成14年の第2問アに当該論点に係る微妙な問題が出題されたことがあります。

「Aは、代理権がないにもかかわらず、Bのためにすることを示して、Cとの間でB所有の甲土地を売却する旨の契約を締結した。Bは、Aから甲土地の売買代金の一部を受領した。この場合、Bは、Aの無権代理行為を追認したものとみなされる。」

問題となるのは、最後の「みなされる」という文言です。
これは厳密には、上記のとおり法定追認の類推適用がないため、その点を捉えると×となります。
他方、本人Bに対して効果が帰属するか否かだけが問われていると捉えると、黙示の追認として○となります。

問題全体としては、誤っているものの組合せを問う問題であり、他にイとウが明らかに誤っています。
ゆえに、出題者の意図は後者である可能性が高いと私は考えていますが、いずれにしても歯切れの悪い問題となっています。
現場では、柔軟に対応してください。

講師 小泉嘉孝



参考になった:55

koizumi 2017-06-07 19:29:06

ご回答ありがとうございます。
悩んでいたのが、まさに14年第2問アに関してだったので、なんとなくすっきりはしないものの、理解しました。
ありがとうございました。

投稿内容を修正

hanakos  2017-06-09 10:17:20



PAGE TOP