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民法/被保佐人の時効完成後の債務の承認について
373nao 2024-03-29 15:28:25
初めてお尋ねします
債務者である被保佐人が、消滅時効の完成を知らず、債務の承認(に該当する行為)をしてしまった場合、(被保佐人であるという)行為能力の制限を理由として、その承認を取り消すことが出来ますか?
知識としては、一般に
・被保佐人は単独で、法律行為に於いて保存行為と管理行為は出来るが、処分行為については制限がかかる(民法13条1項の10個の号)
・民法13条1項に、債務の承認は書かれていない。
・債務の承認は、そもそも処分行為ではなく、管理行為に分類
・時効完成後に債務者がその完成を知らず、一部弁済などの債務の承認に該当する行為をして場合、知らなかったのだから、時効の利益の放棄には該当しないが、だからと言って時効の利益の援用を主張することは、債権の期待に反するので、信義則上出来ない。
などを考慮して考えています。
宜しくお願い致します
373naoさん、こんばんは。
時効完成後の被保佐人による債務の承認は、「借財」(13Ⅰ②)に該当するとして、保佐人の同意が必要です(大判大8.5.12)。
時効完成後は、援用しておけば、そのまま債務を免れることができたにもかかわらず、債務の承認をすると、その後の援用ができなくなるため、これは新たに借財をしているのと同様であると考えます。
したがって、保佐人の同意を得ずになされた時効完成後の債務の承認は、取り消すことができます(13Ⅳ)。
なお、時効完成前の債務の承認は、新たな権利関係を生じさせるものではなく、現に存する相手方の権利を認める行為にすぎないため、保佐人の同意は不要となっています(大判大7.10.9)。
その比較が重要です。
講師 小泉嘉孝
参考になった:8人
koizumi1 2024-04-02 19:24:48
小泉先生、ありがとうございました
大変よくわかりました
今までは市販の本を読んで勉強したきたのですが、何度読んでもわからないところはわからないままでした
今回、先生の講座を受講させて頂くことにしました
月額制であり負担が少なくありがたいです
まだ、民法しか見ていませんが、理由ずけや解説が大変深く、今までわからなかったことがわかるようになって助かっております、正直ここまで深く解説さているとは思いませんでした
今回ご質問した疑問も、何かの問題で解いたことがあって、でも何故時効の完成前と後で結果が異なるのかはわからず、取り合えず暗記しておりました
時効の完成前なら、債務の承認は、被保佐人が単独で出来るが、完成後は新たな債務(借財)にあたると考え13条1項の内容に含まれるから
なるほどです、これで13条1項の各号も覚えやすくなりました
感謝、ありがとうございました
373nao 2024-04-03 12:36:32