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morryさん、こんにちは。

登録免許税税法第13条第1項が適用されるのは、同一管轄で、かつ、同時に申請する場合に限られます(テキストP52(5))。
したがって、同一管轄であっても、追加設定の場合は、その適用はありません。

まず、1個の不動産について抵当権を設定し、その登記を申請する場合は、債権額に1000分の4を乗じた金額となります(登録免許税法別表第一第1号(五))。

次に、数個の不動産について抵当権を設定し、その登記を申請する場合は、2つの場面に分けます。
(1) 数個の不動産が同一管轄に属し、同時に申請する場合
   この場合は、1個の抵当権設定登記とみなされる(不動産が1個の場合と同じ扱いとなる)ため、上記と同様に、債権額に1000分の4を乗じた金額となります(登録免許税法第13条第1項)。

(2) 上記(1)以外の場合(追加設定・同時設定で最初の申請以外のもの)
  これをさらに2つのケースに分けます。
  ① 登記証明書を添付したとき(同一管轄を除く)
     最初の申請  :債権額×4/1000
     最初の申請以外:不動産1個につき、1500円(登録免許税法第13条第2項)

  ② 登記証明書を添付しないとき(同一管轄を除く)
     最初の申請  :債権額×4/1000
     最初の申請以外:債権額×4/1000 (登録免許税法別表第一第1号(五))


択一過去問58-36は、担保として土地10筆について、債権額100万円の抵当権の追加設定登記を申請する場合の登録免許税を問うものです。

そうすると、上記(2)の場面であり、申請者は、①か②を選択することができます。
つまり、財務省令で定める書類(登記証明書)を添付すれば、登録免許税は不動産1個につき1500円となり(登録免許税法第13条第2項)、当該書面を添付しない場合は、債権額に1000分の4を乗じた金額となります(登録免許税法別表第一第1号(五))。

また、問題文には、「登録免許税額の計算方法が複数ある場合は、最も低額となる方法を採用するものとする。」とあるため、選択できる上記①②の双方を計算し、比較する必要があります。

① 1500円×10個 = 15000円 
② 債権額100万円×4/1000 = 4000円  

そうすると、②が低額となるため、4000円を選択することになります。
この場合の算定の根拠は、一般原則の登録免許税法別表第一第1号(五)であって、登録免許税法第13条第1項ではありません。


登録免許税法第13条 
一の登記官署等において、同時の申請(官庁又は公署の嘱託を含む。次項において同じ。)により同一の債権のために数個の不動産等に関する権利を目的とする先取特権、質権又は抵当権の保存若しくは設定、移転又は信託の登記又は登録(以下この条において「抵当権等の設定登記等」という。)を受ける場合には、これらの抵当権等の設定登記等を一の抵当権等の設定登記等とみなして、この法律の規定を適用する。この場合において、当該抵当権等の設定登記等に係る不動産等に関する権利の種類の別により別表第一に掲げる税率が異なるときは、そのうち最も低い税率をもつて当該抵当権等の設定登記等の登録免許税の税率とする。
2 同一の債権のために数個の不動産等に関する権利を目的とする抵当権等の設定登記等を受ける場合において、当該抵当権等の設定登記等の申請が最初の申請以外のものであるときは、当該抵当権等の設定登記等に係る登録免許税の課税標準及び税率は、当該抵当権等の設定登記等がこの項の規定に該当するものであることを証する財務省令で定める書類を添付して当該抵当権等の設定登記等の申請をするものに限り、当該抵当権等の設定登記等に係る不動産等に関する権利の件数一件につき1500円とする。

講師 小泉嘉孝

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koizumi1 2024-06-07 16:35:52

大変わかりやすく、ありがとうございます!
また、よろしくお願い致します。

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morry  2024-06-27 15:56:13



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