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民法/地上権 平10-10
zuka12 2024-12-11 15:01:19
Aが、電線路及びこれを支持するための鉄塔を施設し保持することを目的として、Bからその所有する甲土地について地上権の設定登記を受けていたという事例に関する次のアからオまでの記述のうち誤っているのはどれか。
ア 当該地上権が甲土地の一部に建物を建築したときであっても、当該建物が電線路および鉄塔にとって支障とならないものであればAは、 Dに対して当該建物の収去を求めることはできない。→誤り
イ当該地上権が甲土地の全部を対象として設定された場合、Aは、電線路を施設、保持し、その架設、保守のために土地に入ることを目的として、Bから別途、地役権の設定を受けることはできない→正しい
ウ当該地上権が甲土地の全部を対象として設定されたものである場合、Aは第三者Eのために、電線路を施設、保持し、その架設、保守のために土地に立ち入ることを目的とする地役権を設定できる→正しい
エ当該地上権が甲土地の一部のみを対象として設定されたものである場合、そのことを知らないCが、Aから当該地上権を譲り受け、その旨の移転登記を経由したときでも、Cは、甲土地のその余の部分に鉄塔を建設する権利を取得しない→誤り
オ当該地上権が甲土地の一部のみを対象として設定されたものである場合、Bは甲土地のその余の部分について通行地役権を設定できる。
この問題について、アは地上権は物権であり妨害排除権があるから、損害の有無によらず収去請求できると考えましたがその考えで合ってますでしょうか。
またイからオまでサッパリで、回答の考えなどお教え頂けますと幸いです。
zuka12さん、こんばんは。
ア
「当該地上権が甲土地の全部を対象として設定されたものである場合において、第三者DがAに無断で甲土地の一部に建物を建築したときであっても」という前提が問題にはあります。
土地全体に設定された地上権である以上、地上権者は土地全体を自由に使用する権利を有しており、第三者Dが無断で建物を建築することは、たとえ電線路及び鉄塔にとって何ら支障とならないものであっても、直ちに地上権侵害となります。
したがって、妨害排除請求の対象となり、AはDに対して、当該建物の収去を求めることができます。
イ
地役権の設定に際し、要役地と承役地が同一の土地であることは認められません。
承役地は利用される土地であり、要役地はその利用によって価値が増加する土地であるため、その設定には、二筆以上の土地の存在が前提となります。
しかし、この問題文からだけでは、Aが甲土地以外に他に要役地となる土地の権利を有していることは示されておらず、甲土地を要役地ととらえると、結果的に要役地と承役地が同一の土地となってしまいます。
したがって、Aは、Bから別途、地役権の設定を受けることはできません。
ただ、この問題文では、その論点がわかりづらいと言わざるを得ません。
ウ
所有者に限らず、地上権者等が地役権設定の当事者となることもできます。
したがって、地上権者Aは、第三者Eのために地役権を設定することができます。
エ
分筆しないまま、一筆の土地の一部に設定された地上権を善意で(土地の全部に設定されたものと信じ)譲り受けた者は、土地全部に及ぶ地上権の取得を設定者に主張できます。
このような一筆の土地の一部にだけ設定するという特別な設定は、土地全部に及ぶ通常の地上権に対する制限を加えたものであり、その旨の登記ができない(分筆しないまま、地上権の設定の範囲-東側○○㎡等-を登記することはできない)以上、設定者は、当該制限をもって第三者に対抗することはできないと解されます。
したがって、Cは、甲土地のその余りの部分に鉄塔を建設する権利を取得しているといえます。
オ
まず、承役地の一部に地役権を設定することは可能となっています。
また、地上権設定者は、地上権者に対しその使用を妨げてはならないという義務を負います(大判大6.9.6)が、地上権設定の対象となっていない残地につき、通行地役権を設定しても、当該地上権者の使用を妨げることにはならない以上、その設定は認められます。
したがって、Bは、甲土地のその余りの部分について、通行地役権を設定することができます。
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講師 小泉嘉孝
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koizumi1 2024-12-12 19:23:20