ニックネーム | *** 未ログイン ***

 

回答順に表示     新しい回答から表示     参考になった順に表示

koala4uさん、こんにちは。

いずれも、自己借地権の設定が認められていないことから、建物の存続を図るために、法定の敷地利用権を成立させるという趣旨は同じです。

ただ、民法388条は、土地又は建物に抵当権が設定された場合を要件とすることから、これが土地・建物のいずれにも設定されていなかった場合には、法定地上権が成立しないことになるため、この不足を補うために設けられたのが、民事執行法81条の法定地上権制度ということになります(補充規定)。

そこで、抵当権が設定されている不動産につき、強制競売がなされた場合、民事執行法81条の規定を適用するかにつき、争いがあります。

まず、民事執行法81条の法定地上権成立の要件として、どの時点で土地上に建物があることが必要かという点につき、通説はこれを「差押え時」としています。

そうすると、たとえば更地に抵当権を設定したが、土地所有者が建物を建てた後に、土地に対する強制競売がなされた場合に法定地上権が成立するかという問題が生じます。
(民法上の抵当権を基準にすると成立せず、民事執行法上の差押えを基準にすると成立することになります。)

これについて、抵当権が設定されている不動産につき、強制競売がなされた場合でも、民法388条を適用する(上記事案では、法定地上権は成立しない)というのが、通説です。
このような場合にまで「差押え時」を基準に判断すると、抵当権者にとって、抵当権設定時に法定地上権が成立するか否かの予測がたたなくなることを理由とします。

したがって、通説によれば、民事執行法81条は、抵当権が設定されていない土地・建物に対する強制競売がなされた場合に適用されるということになります。

講師 小泉嘉孝

投稿内容を修正

参考になった:6

koizumi1 2025-02-01 16:22:44



PAGE TOP