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Harryさん、こんにちは。

この論点は、最初は誰もが混乱するところですが、とても重要で、必ずその区別をしておかなければならないところです。

まず、Aが建物所有権に抵当権を設定した場合、その抵当権の効力は従たる権利である敷地利用権(賃借権)に及びます。
これは、「従物は、主物の処分に従う。」という87Ⅱ類推適用を根拠とします。

そこで、当該抵当権が実行された場合、買受人(競落人)Cは、当該建物所有権とともに土地賃借権も取得します。
この取得には、土地所有者Bの承諾が条件となっているわけではありません。

したがって、「土地の所有者の承諾を条件として競落人に移転する」となっている(2)は、【誤り】となります。

一方、賃借権の譲渡については、賃貸人の承諾が必要となっており(612Ⅰ)、競売による買受人が、当該賃借権取得を賃貸人に対抗するためには、賃貸人の承諾を得ることが必要となります (承諾が得られない場合は、これに代わる裁判所の許可が必要)。

つまり、賃借権の取得そのものについては、賃貸人の承諾は要求されていませんが、当該取得を賃貸人に対抗(主張)する(今後、自らが賃借人の地位を有すること及び賃借人としての法的権利を主張する)ためには、その承諾が必要といういうことになります。

したがって、賃貸人Bの承諾又はこれに代わる裁判所の許可を得なくても、Bに対し、「甲土地の賃借権を取得したことを主張することができる。」かを問う(1)は【誤り】となります。

よって、買受人による賃借権の取得そのものを問題にしているのが(2)であり、その取得を賃貸人に対抗(主張)できるかを問題としているのが(1)という区別になります。

講師 小泉嘉孝

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koizumi1 2025-03-02 15:03:50

小泉先生 ありがとうございます。建物の賃借権を取得したものの、土地の賃貸人には主張できないということなのですね。クリアになりました。

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Harry  2025-03-02 17:52:48

買受人が取得したのは、「建物」の賃借権ではなく、「土地」の賃借権ですので、その点はご注意ください。
講師 小泉嘉孝

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koizumi1  2025-03-03 11:48:56



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