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lepassemuraille741021さん、こんばんは。

まず、lepassemuraille741021さんの記載されているとおり、同一担保権者間で順位譲渡をしても、配当を受ける合計額は、順位譲渡の前後で変わらないため、その実益は、受け取る配当額の増加ではなく、劣後する担保権(3番抵当権)の被担保債権の回収が競売代金によって、その時点で先に回収できるという点にあります。
つまり、回収できる金額の問題ではなく、当該順位譲渡を行う担保権者が、どの債権を先に回収するかという視点で捉える必要があります。

たとえば、1番の根抵当権の債務者と3番の抵当権の債務者が異なる場合(設定者が同一であれば、順位譲渡は可能-昭30.7.11第1427号)において、3番の抵当権の債務者の弁済能力に不安がある一方で、1番根抵当権の債務者の弁済能力には何らの心配もないというときに、順位譲渡によって、3番抵当権の被担保債権の回収は競売代金によって確実に回収できるようにしておき、1番根抵当権の債務者からは、根抵当権は失われても、任意の定期的な返済によって回収が見込めるとすれば、ここに同一担保権者間で順位譲渡を行うことの実益が考えられます。

次にlepassemuraille741021さんが、『「極度額に比して僅少」であることの問題点が解消されるという実益』とされていますが、これは極度額に対して少ない金額で債権額が確定したこと自体が「問題点」(1番根抵当権者の不利益)となり、それを順位譲渡で解消するという意味ではないと思われます。
むしろ、そういう場合にこそ、上記のような意味で順位譲渡を利用する価値が高いということを強調しているのではないでしょうか。

たとえば、甲会社所有の土地1番根抵当権(極度額10億円-債務者甲会社)と2番抵当権(債権額2億円)が設定されており、競売に基づく売却価格は12億円だったとします。
そこで、1番根抵当権の元本が1億円で確定したところ、当該不動産の価値は、単純計算で9億円残っていますが、甲会社の子会社である乙会社から10億円の融資の申込みがありました。
その担保として、上記の親会社である甲会社の土地に3番抵当権を設定したのですが、このまま担保権が実行されると、配当額は、1番根抵当権1億円、2番抵当権2億円、3番抵当権9億円となります。

1番根抵当権 極度額10億円(債権額1億円で確定) 債務者甲会社
2番抵当権  債権額2億円
3番抵当権  債権額10億円 債務者乙会社
売却価格   12億円

(配当額-順位譲渡なし)
1番根抵当権 1億円
2番抵当権  2億円
3番抵当権  9億円(1億円未回収)

しかし、債務者乙会社から、今後任意の弁済(無担保の状態)で残額1億円を回収するよりも、当該3番抵当権の被担保債権(10億円)は、この競売時点で全額回収しておき、信頼できる甲会社の債務1億円を未回収債権として残す(今後定期的に返済させる)形で処理することにしました。

(配当額-順位譲渡あり)
1番根抵当権 0円(1億円未回収)
2番抵当権  2億円
3番抵当権  10億円

つまり、極度額に対して少ない金額で債権額が確定したということは、相対的に極度額は大きく、それはまた一般的に不動産の価値が高いことを意味し、その大きな残存価値を利用して、更なる融資に利用できることになります。

逆に、極度額いっぱいで債権額が確定したような場合(ex.債権額10億円で確定した場合)であれば、いくら甲会社が信用できるとはいえ、これを無担保債権としてしまうことは、根抵当権者として、大きなリスクを負うことになり、結果として、更なる融資には利用できない、そのような意味であると考えます。

講師 小泉嘉孝

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koizumi1 2025-03-08 17:22:42

ありがとうございます。つまり順位譲渡によって極度額に比して僅少であるという不利益が解消されるという実益があるのではなく

極度額に比して僅少である時に、それを活用して3位に追加融資がされることがあり、その場合に順位譲渡による債権回収の優先順位付けという実益がある

という理解で宜しいでしょうか。

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lepassemuraille741021  2025-03-08 21:36:44

lepassemuraille741021さん、こんにちは。

上記事案では、3番抵当権の債務者は、1番根抵当権の債務者とは別人としているため、追加融資というかは別として、不動産の残存価値を利用して、同一金融機関から融資を行い、順位譲渡を通じて、優先弁済を受ける債権を調整することができる実益といえます。

ただ、司法書士試験対策として検討すると、本件論点は、具体例を通じてイメージをし、さらに特に確定した債権額が極度額に比して僅少であるような場合の実益とはいかなるものかと追求していく意味が大きいかといえば、そうではありません。

もちろん、重要論点については、そこまでのレベルでマスターしておかなければなりませんが、論点のランクによって、何をどこまで勉強するかは、対応を変えていかなければなりません。

そうしなければ、自分が一つの論点に多くの時間を費やし、一歩進んだことは確かですが、試験の点数を基準にすると、その間に他の受験生に追い越されていることがあるからです。
今回であれば、「同一担保権者間でも順位譲渡は可能であり、それによって実質的に順位の転換を行うことができる。」、それで十分です。

その見極めの能力(感覚)は、本試験の問題(過去問)を解き、テキストを読込むことで、自然と身につきます。

合格後にこだわりをもって仕事(勉強)をすることは大切なことですが、受験勉強は別です。

受験勉強で重視すべきは、こだわりよりも、割切りだということを常に意識しておきましょう。

講師 小泉嘉孝


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koizumi1  2025-03-09 13:44:01

ご丁寧な対応ありがとうございました。アドバイスをもとに引き続き頑張ります。引き続きよろしくお願いします。

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lepassemuraille741021  2025-03-09 21:14:07



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