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不登法/遺贈と相続
0090 2025-04-01 21:19:19
こんにちは。
不動産登記法Ⅰ INPUT編 P138以降にある遺言書の読取りについて。
「相続人全員に対して」かつ「包括遺贈」の場合には相続で申請とあります。
また、138ページ以降、具体的な事例のなかで、遺贈で処理するのか、それとも相続で処理するのかについての記述があります。
遺贈で処理した場合と相続で処理した場合では具体的にどんな違いがでてくるのでしょうか。
相続では単独申請が認められていて、遺贈よりメリットが多いのですから、相続人に対するものであれば、特定遺贈もすべて相続で処理すればよいのにと思ってしまいます。
遺贈で処理した場合の当事者のメリットデメリット、相続で処理した場合の当事者のメリットデメリット、そのあたりの価値判断はどういったものでしょうか。
初学者で的外れな質問かもしれませんが御教授お願いいたします
0090さん、こんばんは。
とても鋭い視点での質問だと思います。
①「遺贈」と②「相続」の差異について
従前は、以下のような点において差異が生じるとされていました。
1 申請形式
①は共同申請 ②は単独申請
共同申請では、登記義務者側の登記識別情報・印鑑証明書の提供が必要となる。
2 登録免許税
①は20/1000(包括遺贈・特定遺贈問わず) ②は4/1000
3 農地法の許可
①の特定遺贈では必要 包括遺贈では不要 ②は不要
4 賃借権承継における賃貸人の承諾(民法612)
①は必要 ②は不要
5 推定相続人廃除の規定の適用の有無(民法892)
①は適用なし ②は適用あり
しかし、現在では、その差異は、以下のように、かなり小さくなっています。
これは、内容によっては実質的に両者に差を設ける必要がないものもあり、また、相続人に対する遺贈による所有権移転登記を義務化の対象にすると同時に、その申請を促進し、所有者不明不動産が発生することを予防することが、その趣旨となっています。
1 相続人に対する特定遺贈であっても、所有権移転登記であれば、登記権利者(相続人である受遺者)による単独申請が認められた(不登63Ⅲ-令和3年改正)。
特定財産承継遺言(「相続」で申請)では登記原因証明情報として遺言書を提供して相続人が単独で所有権移転登記を申請することが認められており、一方、相続人対する遺贈は、遺言によって被相続人から相続人に対して権利が移転するという点では特定財産承継遺言と同様であり、当該遺言書を添付することにより同程度の真正担保を図ることができると考えられました。
ただ、相続人に対する遺贈であっても、不動産の所有権以外が対象になっている場合は、本規定の対象とならない点は、注意が必要です。
また、特定財産承継遺言と異なり、遺言執行者からの単独申請は認められないとの見解も示されています(民事月報Vol78.5)
2 相続人に対する遺贈(包括遺贈・特定遺贈問わず)による所有権移転登記の登録免許税は、4/1000となった(別表第一(二)イ)
これは、相続人が、「相続」により取得する場合と「遺贈」により取得した場合の税負担は同じ方が望ましいとの価値判断によるものです。
3 相続人に対する特定遺贈では、農地法の許可は不要となった(平24.12.14第3486号)
講師 小泉嘉孝
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koizumi1 2025-04-02 23:22:05