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koala4uさん、こんばんは。

質問の内容は、民法166条1項と民法884条・民法724条との関係(いずれが適用されるのか、又は期間の違い)ということでよろしいでしょうか。

まず、民法166条1項は、民法の第1編「総則」に規定されているため、これが債権の消滅時効についての一般原則ということになります。

これに対して、民法724条は第3編「債権」、民法884条は第5編「相続」に規定されているため、その内容が民法166条1項と異なる場合はその特則となり、同一の内容であればその具体化ということになります。

次に、民法724条では、1号で「被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないとき。」として、民法166条1項1号で「債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。」よりも短い期間が定められています。

それぞれ短期の消滅時効は、法律関係の早期安定という趣旨がありますが、不法行為の場合において、特にその期間が短くなっているのは、不法行為の場面では、加害者が不安定な立場に置かれる度合いがその他の場面よりも定型的に大きいと考えられているためです。

ただ、5年と3年というわずか2年の差を設けて、そこにどれだけの意味があるのか疑問であるという批判はあります。

2号では、「不法行為の時から20年間行使しないとき。」として、民法166条1項2号で「権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。」よりも長い期間が定められています。

これは、加害者・被害者という当事者間に契約関係等がないため、被害者が損害賠償請求権の存在に気づかないまま期間が経過する(たとえば、日常的に使用していない別荘としての建物が毀損された)ことや、加害者の特定に長期間を要すること、事故等により身体や健康といった権利主体である人の基盤をなす権利の侵害が問題となる(被害者の保護を厚くする必要性が高い)ことが多いためとされています。

なお、724条2号の「20年」については、従前判例はこれを除斥期間としていましたが、平成29年改正の際にこれを「時効によって消滅する」と規定することにより、消滅時効であることを明確にしました。

また、884条の「20年」についても、学説上争いはあるものの、判例は一貫して消滅時効としています(大判昭8.12.1・最判昭42.4.28)。

質問の趣旨が違うという場合は、質問内容を具体的に特定して、再度質問してください。

講師 小泉嘉孝

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koizumi1 2025-04-11 20:16:00



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