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0090さん、こんにちは。

これはもっともなご指摘ですが、とても難しい内容だと思います。

2つの場面において、単元未満株式を有する株主ついての保護の必要性があるという点は共通しています。

①株式の併合の場面で、単元未満株主の保護を十分に行う(端数が生じる場合には無制限に買取請求を認める)と、会社の買取りのための資金負担が増大し、価格決定の時間・手続的コストが増大します(テキストP138③a)。
そこで、端数となるのが単元未満株だけであれば、株主への影響が小さいため、株式買取請求を認めないとしています。
また、買取請求が認められる場合でも、「反対株主」に限定しています。


②単元株制度の創設・単元株式数の増加によって単元未満株式が生じた場合、当該単元未満株式の譲渡は、一般の株式に比較して制約されることがあります(テキストP156)。
そうすると、譲渡による投下資本の回収が困難となる以上、株式買取請求を認める必要性は高くなります。
会社にとっては、管理コスト削減という会社側の事情を株主に押しつけることへの見返りとして、この買取請求権は認めざるを得ない(制約できない)ものという位置づけになります。

ただ、②の会社法192条の単元未満株式の買取請求は、何らの制約もなく行使できることから、①の株式併合の場面で買取請求を制限していくことにどれほどの効果があるのか、という点については疑問が残るのは確かであり、実際にそのような指摘もなされています(法務省法制審議会会社法制部会第13回議事録P34)。

頭の整理の仕方としては、①の株式併合の場面では、株式買取のための資金、時間、手続を削減したいという会社側の要請から、この買取請求を一部制限する形で規定している制度となっており、②の買取請求は場面を限定せず、単元未満株式を有する株主保護のための包括的な受け皿になっていると理解しておくのが良いと考えます。

講師 小泉嘉孝

参考になった:2

koizumi1 2025-04-19 15:24:35

小泉先生

頭の中を整理できました。
お忙しい中、丁寧な解説をありがとうございました。

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0090  2025-04-19 17:13:46



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