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yudesuさん、こんにちは。

「第三者」には、承役地の所有者及びその包括承継人は含まれないかという点については、検討している対象が、「地役権の内容(設定の目的・範囲等)」か「地役権の移転」かによって変わってきます。

「地役権の内容(設定の目的・範囲等)」については、承役地の所有者は、要役地の所有者とその内容を定めた「当事者」に当たります。

一方、「地役権の移転」については、当事者は、要役地の譲渡人と譲受人であり、承役地の所有者は「第三者」に当たります。

そうすると、本問で問われているのは、「要役地の移転」の場面であるため、承役地所有者及びその包括承継人は、「第三者」という位置づけになります。

ただ、厳密には、ここでの「第三者」は、さらに①「承役地所有者及びその包括承継人」と②「承役地所有者及びその包括承継人以外の第三者」に分ける必要があります。

①については、地役権の登記がなくても、所有権の移転登記によって承役地の所有者に所有権の移転を対抗できる場合は、地役権の移転も承役地の所有者及びその包括承継人には対抗できる。
②については、地役権の登記と要役地の所有権の移転登記があれば、承役地所有者及びその包括承継人以外の第三者にも地役権の移転を対抗できるとなります。

本問では、地役権の登記の有無については、明確にされていません。
また、ここでの「第三者」の範囲についても、明確にされていません。

したがって、その区別をすることなく、常に「要役地について所有権の移転の登記がされれば、地役権の移転を第三者に対抗することができる」と断定している点で「×」とすることも可能ですが、このような中途半端な問いに対しては、他の肢との関係で判断するしかありません。

ただ、この内容の出題がなされた場合において、地役権の登記の有無につき、何ら問題文の中で触れられていなければ、私は、「地役権の登記がある」という前提で、最初に判断を行い、それから他の肢との関係を検討します。

それは、ここでの1番の論点は、他の用益権との比較にあるからです。
つまり、地役権については、地役権そのものの移転登記は存在せず、結局、所有権移転登記を行うことで、それが地役権の移転についての対抗要件にもなるというところに最大の特徴があります。

やはり、各問題の論点から、出題者の意図を考えるというのが、解法の基本となります。


講師 小泉嘉孝

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koizumi1 2025-04-24 13:10:42



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