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f870108hさん、こんにちは。

(1)会社法117条(反対株主から株式買取請求がなされた場合の買取価格)
価格の決定
①当事者間の協議(117Ⅰ)
②協議が調わない場合は、裁判所に価格決定の申立てができる(117Ⅱ)
 申立期間:効力発生日から30日以内に協議が調わないときに、その期間の満了の日後30日以内(117Ⅱ)

(2)会社法172条(全部取得条項付種類株式の取得対価)
取得対価の決定
①株主総会特別決議(171Ⅰ①)
②取得対価に不服のある株主は、裁判所に取得価格決定の申立てができる(172Ⅰ)
 申立期間:取得日の20日前の日から取得日の前日までの間(172Ⅰ)。
 取得対価が無償の場合もあり得ますが、その取扱いに不満な株主の救済のため。決議された取得対価に不服のある株主は、裁判所に対し、取得価格決定の申立てができるようになっています(172Ⅰ従
 従前は、「株主総会の日から20日以内」とされていましたが、申立て期間満了前に取得日が到来し、複雑な法律関係を生ずるおそれがあったため、平成26年に改正されました。これにより、申立て前
 に取得日が到来することがなくなりました。


(3)会社法193条(単元未満株式の買取請求がなされた場合の買取価格)
価格の決定
①市場価格(193Ⅰ①)。
②市場価格がない場合
a会社と単元未満株主との協議で定める(193Ⅰ②)。
b協議が調わない場合は、一方から裁判所に価格決定の申立てができる(193Ⅱ)。
 申立期間:買取請求をした日から20日以内(193Ⅱ)
c当該申立てがなければ、1株当たりの純資産額に買取請求に係る単元未満株式数を乗じて得た額(193Ⅴ)。

単元未満株の買取請求は、定款で株券の発行をしない旨を定めることができるほか、議決権の行使等ができないことから、その譲渡が一般の株式に比較して制約されることがあります。
そこで、単元未満株主にとって有利な投下資本回収の手段を提供する趣旨としてこれを認めています。

193条では、当事者間における自由な価格形成に委ねることなく、価格決定方法について、法があらかじめ規定することによって、適正妥当な価格決定がなされることを目指すものといえます。

市場価格がある場合は、それは需要と供給のバランスの上に形成された価格であるといえ、その株式の適正な価値を表現しているといえます。
したがって、その買取価格は、基本的に市場価格によるべき(193Ⅰ①)とする考え方です。

(4)会社法234条(一株に満たない端数の処理)
競売に代えて、株式を会社が買い取る際に交付する金銭の総額
①取締役会設置会社:取締役会決議
②取締役会非設置会社:取締役の過半数(規定なし)

協議・裁判所への価格決定の申立てを認める旨の規定なし。

全体を通じて、申立期間がなぜ20日なのか、30日なのかというところまでは、明確に説明されておらず、異なる理由は分かりません。

講師 小泉嘉孝

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koizumi1 2025-06-23 10:36:40



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