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商登法/株式交換における新株予約権者への対価
ysh557 2025-08-09 20:44:12
こんばんは。
私が使っているテキスト内で、株式交換における新株予約権者への対価についての記述が2か所にあり、
私の理解力の問題だと思うのですが、何度読んでも矛盾しているように感じてしまいます。
念のために誤植情報も確認しましたが、特に問題はないようでした。
一方では、吸収合併と株式交換の場合を比べている記載で、
新株予約権者への対価
吸収合併の場合
新株予約権者への対価 →必ず、これを定める(無対価がありえない)
対価の内容 →金銭または存続株式会社の新株予約権である。
株式交換の場合(株式移転、会社分割も同様)
新株予約権者への対価 →無対価が原則(例外として、対価を定めることができる)
対価の内容 →株式交換完全親株式会社の新株予約権(金銭は不可)
とされています。
他方で、株式交換と株式交付の場合を比べている記載では、
株式交付子会社の新株予約権者への対価
株式交換においては、いわゆる新株予約権の承継が起こる場合の対価は、次のとおりである。
株式交換完全親株式会社は必ず対価を交付する
対価は、株式交換完全親株式会社の新株予約権に限られる
しかし、株式候補の場合は(中略)
株式交付親会社が対価を交付しない場合がある(無対価の可能性)
対価は、何でもありである。株式交付親会社の株式、社債、新株予約権、その他の財産(金銭)
とされています。
株式交換における新株予約権者への対価について、「無対価が原則」、「必ず対価を交付する」と相反するような内容になっていて、どちらが正しいのかよくわかりません。
前後の文章から違う意味などが考えられますでしょうか?私の読み違えや理解不足によるものでしょうか?
株式交換において新株予約権の承継があった場合の新株予約権者への対価についての解説をよろしくお願い申し上げます。
ysh557さん、ハイレベルな問題提起、誠にありがとうございます。
ざっと一読させて頂いた上での、私見です。
1、株式交換は、完全親子関係を作るためにする手続きである。
2、残存している会社に、いまだ新株予約権者がいると、将来完全親子関係が崩れうる(残すのが建前だが、本音は
こっち(親)に移したい)
まず、この2点を強く意識してみてはいかがでしょうか。
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bravo-one 2025-08-10 07:15:12
bravo-oneさん、考えを示してくださりありがとうございます。
株式交換において、子会社に新株予約権が残っていることの意味と、それを親会社承継することの意義を意識することは、
株式交換の目的である完全親子関係を構築することを理解するうえで重要ですね。
今後の学習でも意識してみます。
ysh557 2025-08-10 19:58:57
ysh557さん、こんばんは。
まず、株式交換における株式交換完全子会社において新株予約権が発行されている場合に、当該新株予約権の承継がなされるか否かを検討する必要があります。
株式交換では、合併と異なり、株式交換完全子会社は、株式交換後も存続することから、当該株式交換完全子会社において、そのまま新株予約権を存続させることができます。
もちろん、この場合は、金銭も含め何らの対価も交付されません。
ただ、bravo-oneさんが記載されているとおり、当該新株予約権をそのまま存続させると、その後、当該予約権が行使され、株式交換完全親会社以外に株主が現れることで、100%の完全親子会社関係が崩れてしまう可能性が生じます。
そこで、株式交換完全子会社の新株予約権を株式交換完全親会社に承継(消滅)させることができますが、この対価は株式交換完全親会社の新株予約権に限定されています(会社768Ⅰ④)。
そうすると、ysh557さんのテキストの「無対価が原則」とは、新株予約権の承継がなされない場合を意味し、「例外として、対価を定めることができる」「対価の内容 →株式交換完全親株式会社の新株予約権(金銭は不可)」とは、新株予約権の承継がなされる場合を意味しています。
また、「他方で、株式交換と株式交付の場合を比べている記載では、・・・」の段落の3行目から、「株式交換においては、いわゆる新株予約権の承継が起こる場合の対価は、次のとおりである。」という文章があるため、その下の文章の内容は、新株予約権の承継を前提としているものといえます。
したがって、新株予約権の承継を前提とするならば、「株式交換完全親株式会社は必ず対価を交付する」「対価は、株式交換完全親株式会社の新株予約権に限られる」との内容は、上記と何ら矛盾していません。
講師 小泉嘉孝
参考になった:3人
koizumi1 2025-08-10 18:59:22
小泉先生、丁寧な解説をいただきましてありがとうございます。
ずっと矛盾しているように感じていましたのが、ようやく分かりました。
「無対価が原則」というのは、新株予約権の承継がないときのことだったのですね。
ずっと新株予約権の承継がある上で、無対価が原則という意味だと思っていました。
つまり株式交換においては、株式交換子会社の新株予約権はそのままでもよいし(せっかくの親子関係が崩れるので実務上はあまりないのかもしれませんが)、親会社が承継してもよくて、
そのうち新株予約権をそのままにしておくのが原則で、それが「無対価が原則」の意味で、
親会社が承継するのを例外として、それを「(例外として、対価を定めることができる)」と記述されているわけですね。
合併のケースと比較しての記述であることにも合点がいきました。
合併の場合は、消滅会社は文字通り消滅してしまうので、消滅会社が新株予約権を発行している場合は必ず新株予約権の承継が起こりますね。
そういう意味で例外はないということで、「新株予約権者への対価 →必ず、これを定める(無対価がありえない)」という記述になっているということですね。
そして株式交換と株式交付を比べている文章では、双方とも子会社の新株予約権をそのままにも、親会社へ承継もできますが、
私が抜き出した記述は、親会社への承継の場合を比較しているといういうことになるのですね。
と、ここまでわかったつもりで自分の言葉で書いてみましたが、正しく認識できているでしょうか?
ysh557 2025-08-10 19:55:25
ysh557さん、こんばんは。
「合併の場合は、消滅会社は文字通り消滅してしまうので、消滅会社が新株予約権を発行している場合は必ず新株予約権の承継が起こりますね。」とは、いえません。
新株予約権の承継とは、消滅会社の新株予約権が消滅し、その新株予約権者に対して、存続会社の新株予約権を交付するということを意味します。
したがって、金銭を対価として交付する場合は、「新株予約権の承継」ではありません。
それともう一つ、消滅する新株予約権に対して、存続会社から何らの対価も交付しないことも可能であるかという問題があります。
これも可能とする見解(合併ハンドブック第2版 玉井P97)があり、小泉予備校では、これに基づいてテキストにその内容を記載しています。
その理由は、会社法749条1項4号イ及びハにおいて、「・・・・交付するときは」という条件節が付されていること、及び会社法施行規則191②括弧書において、「(全部の新株予約権の新株予約権者に対して交付する吸収合併存続株式会社の新株予約権の数及び金銭の額を零とする旨の定めを除く。)」と規定されており、これは新株予約権者に対価を交付しないことを定めること(対価を零とすること)ができることを前提としているというものです。
また、「立案担当者による新会社法関係法務省令の解説」(別冊商事法務300P135)にも、「交付する新株予約権および金銭を0とすることは可能である」との記載がありますが、一方で、それに続き、「あくまで事実上のものにすぎない」と記されています。
つまり、本来は、新株予約権か金銭を交付すべきであるが、存続会社から何らの対価も交付しないという形で事実上処理されることも想定されている、というニュアンスで理解しておくのが妥当かと考えます。
講師 小泉嘉孝
koizumi1 2025-08-10 23:19:08
小泉先生、再びの回答ありがとうございます。
合併における消滅会社で必ず新株予約権の承継が起こるというわけではない点、理解いたしました。
また、新株予約権の承継が起こる場合でも、無対価の可能性が否定されていないことも分かりました。
独学ではとても知りえないところまで解説をいただき、とても感謝しています。
ありがとうございました。
ysh557 2025-08-13 22:17:09