ニックネーム | *** 未ログイン ***
不登法/過去問の平成10年23問のオの肢について
tdih375 2025-10-13 15:54:10
(登記記録の記録)
省略
4番 所有権移転
原因 平成19年9月17日相続
共有者 持分2分の1 C
2分の1 D
5番 C持分全部移転
原因 平成19年12月12日遺産分割
所有者 持分2分の1 D
(オ)5番の登記は、C及びD作成の遺産分割協議書を申請書に添付してDが単独で申請することができる。
オの肢について質問です。自分はこれを⭕️と判断しました。
この肢の申請をするのであれば、
登記の目的 C持分全部移転
原因 平成19年12月12日遺産分割
権利者 (申請人) 持分2分の1 D
義務者 C
以下省略
となり、Dだけの申請でいけると判断して、それを「単独申請」だと判断したのですが、答えは❌でこの申請は共同申請との記載があります。この申請書はDだけが単独で動いているのになぜ単独申請にはならないのでしょうか?
tdih375 さん、こんにちわ。
平成10年の過去問という事ですが、この手の大昔の問題を、現在の感覚で解くとなると、とても難しいです。
改正が入っているからです。 他の科目も同様です。
ここ2,3年で大きく改正されたこともありますから。 相続人であれば、単独申請できる、という規定も
私からすると、つい昨日出来た感覚があります。
所有者不明土地が九州の面積を超え、それが東日本大震災で大きく露呈し、相続登記が義務化され、便宜相続人
であれば単独申請・・・となっていった流れがあります。
ここは小泉先生のご解説をお待ちしましょう。
参考になった:0人
bravo-one 2025-10-13 17:09:54
tdih375さん、こんばんは。
この論点に関する結論は、見解が分かれており、断定的な答えを出すことはできません。
共同相続登記後の「遺産分割」を原因とする持分移転登記は、遺産分割により新たに権利を取得した者を登記権利者、失う者を登記義務者とする共同申請によるというのが基本的な考え方です。
一方、「遺産分割」を原因とする更正登記により申請することも可能であり、この場合は登記権利者が単独で申請することができます(令5.3.28第538号)。
また、上記持分移転登記についても、登記権利者の単独申請を認める見解があります(民事月報Vol78.5)。
結局のところ、持分移転登記では、出題者があえて民事月報の見解を取り上げて、これを出題の趣旨としているか否かによる、ということになります。
しかし、この見解が広く定着しているかといえば、それ程ではない、というのが私の感覚です。
今後も、原則どおり、共同申請で問われる可能性も十分にあります。
本試験では、他の肢との関係を検討してください。
INPUTテキスト不動産登記法ⅠP282
講師 小泉嘉孝
参考になった:8人
koizumi1 2025-10-13 18:05:48
小泉先生、丁寧な解説ありがとうございます。
最後に確認で「単独申請」の定義について1つ質問したいのですが、
(オ)の申請で単独で申請する場合
登記の目的 C持分全部移転
原因 平成19年12月12日遺産分割
権利者 (申請人) 持分2分の1 D
義務者 C
この問題の解説を見た時『共同申請』と書いてあったので、最初、自分は(申請人)でDひとりで申請してはいるが、義務者がいるからこの申請書は、共同申請という部類に入るのかな?と思ったのですが、そういうわけではなくて、権利者、義務者がいたとしても、どちらか1人で申請していたら「単独申請」になるという理解でいいでしょうか?
変な疑問で申し訳ありません。
tdih375 2025-10-13 23:02:56
tdih375さん、こんばんは。
登記権利者及び登記義務者が共同して行う申請を「共同申請」と呼んでいます(不動産登記法60参照)
そうすると、その一方のみが行う申請は、「単独申請」となります。
この「単独申請」には、以下の2つの場合があります。
① その性質上、登記義務者が存在しない場合
ex.所有権保存登記(74)、相続登記(63Ⅱ)、登記名義人表示変更登記(64Ⅰ)等
② 登記義務者は存在するが、法令や通達によって、登記権利者が単独で申請することが認められている場合(登記引取請求権に基づく、登記義務者からの単独申請を含む)。
ex.判決による登記(63Ⅰ)、相続人への遺贈の登記(63Ⅲ)、契約から10年経過した買戻権等の抹消登記(69の2)等
そこで、①の場合は、もちろん申請情報に「登記義務者」という表示はしませんが、②の場合は、その表示を行い、登記官の審査の便宜(単独で申請していることを明らかにするため)として、登記権利者の側には(申請人)と記載するのが一般的だといえます。
なお、「登記義務者」とは、権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に不利益を受ける「登記名義人」を指します(2⑬参照)。
そうすると、共同申請よる登記において実際に関与するのは相続人であるが、当該相続人は登記名義人ではない(登記名義人は被相続人)というケースがあります。
この場合、当該相続人は「登記義務者」には該当しないことから、厳密には、これを「共同して登記の○○の申請をすべき者」と表現します(令和3年改正-70Ⅱ参照)。
ただ、私もそうですが、これをテキストや講義の中で、便宜的に「登記義務者」と表現してしまうことは少なくありません。
講師 小泉嘉孝
koizumi1 2025-10-14 22:24:39



