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不登法/抵当権に基づく物上代位と民法392条第2項による代位
lepassemuraille741021 2025-10-13 17:20:54
オートマシステムからの質問です。12版の50番です
債務者Bで甲土地(所有者A)と乙土地(所有者B)に対してXが共同抵当権がある。甲土地には2番でYが抵当権設定している。
甲土地のみ競売をしてXは返済を受けたが、Yは返済を受けられなかった。
ここで、甲土地の競売による弁済は所有者Aの代位弁済と同一視できるので、Aは乙土地(所有者B)に対するXの1番抵当権はAに移転して、Aは乙土地(所有者B)から弁済を受ける権利を有するに至る。
しかし、競売されてしまった甲土地の抵当権を思い出すと1番X2番Yがあった。Aは物上保証人であったので、2番抵当権者Yに優先するのはおかしい。よってYはAが取得した乙土地の1番抵当権に物上代位することができる。
ここまでは理解できました。次の手順以降について質問です。問題では「YがAの取得した1番抵当権に物上代位するために」ということで
「年月日設定の抵当権に基づく物上代位」を代位原因、年月日代位弁済を原因として、乙土地1番抵当権をAに移転登記をしています。
これを書かせる問題だったのですが、ここでふと思いついたのが「民法第392条第2項による代位」を原因とする抵当権代位登記です。
実際に、YがAの取得した1番抵当権に物上代位して行使するためには、この問題で求められたAへの移転登記をした上で、さらに「民法第392条第2項による代位」を原因とする抵当権代位登記をする必要があるのでしょうか?
移転登記の模範解答では登録免許税が3万円になっていて、LECのでるとこ一問一答不動産登記法で「民法392条第2項による代位登記」は1000円と出ていたので両者が違うものであることに気づき、そもそも両者は何が違うのか?手順の段階が違うのではないか?と混乱してきた次第です。よろしくお願いいたします。
こんばんわ。 私見です。
民法392条2項による代位の要件は、不動産が同一所有者である事、だった気がします。
この問題に関しましては、「年月日設定の抵当権に基づく物上代位」、ここまでで止めるべきかと考えます。
合格者でも書けない人は多いと思います。
あと、でるトコは、TACですね。 LECは、「なぜか」このレベルのものは市販しませんから、森山先生の
三省堂、ケータイ司法書士になりますね。
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bravo-one 2025-10-14 07:35:16
こんばんわ。 完璧上級者レベルですね。すごいです。
さて、本件でたぶん貴殿に無い視点は、「Aはやる気がない」という視点ではないでしょうか。 Aは、自分がどう動いたところで
自分に利は無いので動きません。
そこで、Yが、自分のために、乙土地乙区1番付記1号に、A名義の抵当権を移転させるわけです。
優秀な貴殿なら、ここまで書いたら、すべてクリアーになるのではないでしょうか?
要するに、代位登記は、自分のために、やる気の全く無いやつの名前を作り出すために存在するのです。
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bravo-one 2025-10-14 18:23:48
この度は、大変良いトレーニングの機会を頂きました事、厚く御礼申し上げます。 以下、私見です。
債権者代位は、判決も無いのに勝手にA名義を入れるという、ある意味強引な制度ですから、有利になる事しか出来ません。
本件では、「強制執行かけるお膳立てとして、そいつ(A)名義にする」 。これは結果として自分のためですが、形式的に
見れば、付記1号にAを抵当権者として入れるのでA有利にしてあげる行為と言えます。
これで強制執行のお膳立ては完了として、本問としては、解答完了で良いかと個人的には思います。
bravo-one 2025-10-15 07:21:03
既知の事が8割、9割かと存じますが、全てを包含して記載せざるを得ないので、お許し下さい。
では、次を期待してお待ち申し上げております。
bravo-one 2025-10-15 08:11:30
lepassemuraille741021さん、こんばんは。
bravo-oneさんの記載されているとおり、民法392条2項による代位は、共同抵当権の各設定者が同一であることを前提とします。
本問では、その設定者(所有者)が同一でないため、民法392条2項による代位は認められないことから論点がスタートしています。
仮に、Yにとってこの民法392条2項による代位が可能であるならば、このような複雑な法律構成をとる必要がなくなります。
そして、物上保証人Aに対する1番抵当権の移転登記が実現した以上、後順位者Yが、さらにAから抵当権の移転登記を受けることは不要とされています(最判昭53.7.4)。
これは、実体上もYは、物上保証人Aから抵当権の移転を受けているわけではなく(この点においても民法392条2項の代位とは性質が異なります)、そのような登記を要求する根拠がありません。
また、判例は、YはAが取得した抵当権の上にあたかも物上代位するかのごとく、優先弁済を受けることができる(最判昭53.7.4)としていますが、当該物上代位としての差押え(民法372・304)も不要としています(同判例)。
INPUTテキスト不動産登記法ⅡP83~87
小泉嘉孝
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koizumi1 2025-10-15 00:03:35
bravo-one様 小泉先生
大変詳しくわかりやすいご説明と参照先のご紹介ありがとうございました。熟読して理解できました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
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lepassemuraille741021 2025-10-15 16:28:24



