会社法１２０条４項では、利益の供与をすることに関与した取締役（指名委員会等設置会社にあっては、執行役を含む。）として施行規則２１条で定める者は、～供与した利益の価額に相当する額を支払う義務を負う旨が規定されています。

　会社法施行規則を見ると、２１条３項イで、「議案を提案した取締役」となっており、「執行役」は含まれていません。
　このことは、指名委員会等設置会社にあっては、執行役が、取締役会の決議を経ずに、直接、株主総会に議案を提案することはできないということを意味しているのでしょうか。
　３項ロでは、「株主総会において当該利益の供与に関する事項について説明をした取締役及び執行役」となっており、「執行役」も含まれています。
　ロでは、執行役は、株主総会で議案の説明をする義務があるのに、イでは、執行役に株主総会への議案提出権がない、というのはちょっとバランスが悪いような気がします。

　初歩的な質問で申し訳ございませんが、執行役が直接、株主総会に議案を提出する権限があるのか否か、その点に関してご教示ください。

　会社法施行規則
（利益の供与に関して責任をとるべき取締役等）
第二十一条 　法第百二十条第四項に規定する法務省令で定める者は、次に掲げる者とする。
一 　利益の供与（法第百二十条第一項に規定する利益の供与をいう。以下この条において同じ。）に関する職務を行った取締役及び執行役
二 　利益の供与が取締役会の決議に基づいて行われたときは、次に掲げる者
　イ　当該取締役会の決議に賛成した取締役
　ロ　当該取締役会に当該利益の供与に関する議案を提案した取締役及び執行役
三 　利益の供与が株主総会の決議に基づいて行われたときは、次に掲げる者
　イ　当該株主総会に当該利益の供与に関する議案を提案した取締役
　ロ　イの議案の提案の決定に同意した取締役（取締役会設置会社の取締役を除く。）
　ハ　イの議案の提案が取締役会の決議に基づいて行われたときは、当該取締役会の決議に賛成した取締役
　ニ　当該株主総会において当該利益の供与に関する事項について説明をした取締役及び執行役