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不登法/重利/利息の元本組入れ
tonton-chan 2017-09-23 18:05:21
民法405条の法定重利の規定に基づく利息の元本組入れについてお尋ねします。
テキストに重利の要件として、
(1)「合計して1年以上であればよく、継続して1年以上である必要はない」
と書かれていますが、この意味が当方には、どうしてもイメージできません。
基本的なことで、たいへん申し訳ございませんが、簡単にイメージすることができる例を教えてください。
(2)次に、発展として「利息が発生するとともに直ちに元本に組入れる~旨の重利特約も有効」
と書かれていますが、これが、いわゆる約定重利ということで、約定重利の場合には、民法405条の要件に縛られずに、利息を元本に組み入れて、登記することができるということでしょうか。
(3)最後に、登記原因及びその日付の箇所で、組入年月日をいつの時点で捉えるかという点についてです。
「民405の催告に組入時期の定めあり その時期」
と書かれていますが、この定めは、元本組入れの登記をするうえで、組入年月日をいつにするかということであって、この場合であっても、元本組入れの効力を生ずるためには、催告後、改めて元本の組入れの意思表示を債務者にしなければならないということでしょうか。
3つも質問して申し訳ございませんが、利息や重利の箇所は、何回考えても、理解できません。
どうかご教示くださいますようお願いいたします。
民法
(利息の元本への組入れ)
第405条 利息の支払が一年分以上延滞した場合において、債権者が催告をしても、債務者がその利息を支払わないときは、債権者は、これを元本に組み入れることができる。
tonton-chanさん、こんにちは。
(1)「合計して1年分以上」とは、たとえば利息の弁済期が1ヶ月毎に到来する場合において、1月から10月まではその利息の支払いがなかったものの11月と12月は支払いがなされ、翌年1月と2月は支払いがなされていないときは、連続して1年(12ヶ月)ではないものの、合計すると1年分(12ヶ月分)の利息の延滞があったということになります。
(2)「利息が発生するとともに直ちに元本に組入れる~旨の重利特約も有効」とは、まさにtonton-chanさんの記載されているとおりで、「約定重利」のことを意味し、民法の定める要件(法定重利)をみたさない場合であっても、当該重利特約に基づき「利息の元本組入れ」の登記を申請することができます。
(3)民法405条の要件をみたした場合であっても、当然に組入れの効力が生じるわけではなく、債権者から債務者への「組入れの意思表示」が別途必要であり、これが到達した時点で組入れの効力が生じるというのが原則です。
ただし、例外として債権者が民法405条の「催告」をする際に「利息の支払いがなければ、平成○年○月○日をもって、元本に組入れる旨の定め(組入時期の定め)がなされている場合は、それに従い組入れの効力が生じ、組入れの意思表示を別途行う必要はありません。
そこで、「組入年月日」は、上記原則の場合は、「組入れ意思表示の到達日」となり、例外の場合は、「債権者が定めたその時期-平成○年○月○日」となります。テキストの表は、その区別に基づくものになります。
講師 小泉嘉孝
参考になった:9人
koizumi 2017-09-27 14:18:11
小泉先生、ご回答誠にありがとうございます。
(1)「1年」の意味が理解できました。
(2)約定重利の役割ないし意義が分かりました。
(3)約定重利と法定重利の区別して理解することができました。
先生の解説は、いつも丁寧で分かりやすいため、当方のような者にとっては、とても助かりますし、勉学を続ける励みにもなっております。
改めて深く感謝申し上げます。
tonton-chan 2017-09-28 20:00:44