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不登法/複数回に分けて所有権移転登記をする際の登記の目的の書き方
ysh557 2026-01-20 21:29:43
※質問修正しました。2026-01-20 21:30
こんばんは。
不動産登記法のひながたに関する質問になります。
登記名義人が2回に分けて所有権を取得しており、その片方の持分に抵当権が設定されている場合に、
その後に所有権移転登記を申請するには、2回に分けて登記申請しなければなりませんが、
その1件目の登記申請の登記の目的ですが、ひながた集やテキスト等を見ると、
・所有権一部(順位何番で登記した持分)移転
・所有権一部(順位何番で取得した持分)移転
があるのですが、どちらもすべて同じ意味で、どの書き方をしても正解になりますか?
また、所有権一部(順位何番から移転した持分)移転、という登記の目的を使うのは、
上記のケースと同じ場面でしょうか?それとも違うケースになりますでしょうか?
違うケースの場合は、上記のケースとの違いを中心に、どのようなときに使うのか教えていただきたいです。
最後は抽象的な質問で申し訳ありませんが、回答よろしくお願いいたします。
まず、簡単なほうから回答させて頂きます。
相続の場合、抵当権の付いている持分と、付いていない持分を、一度に相続することになる・・・という点は大丈夫でしょうか?
その場合、理論的には混ざってしまう事になるんですけど、その区別をするために編み出した表現が、「順位〇番から移転した持分」
という表現です。
参考になった:2人
bravo-one 2026-01-21 07:28:11
bravo-oneさん、回答ありがとうございます。
bravo-oneさんが書いてくださったヒントを元に考えてみたおかげで、ある程度自分なりに答えが出せ、
その後の小泉先生の回答でそれがはっきりとした理解につながりました。
登記の公示技術上の問題で、抵当権が付着している持分が分からなくなるために用いられる目的なのですね。
ありがとうございました。
ysh557 2026-01-22 21:37:10
ysh557さん、こんばんは。
先例(昭58.4.4第2252号)では、数回に分けて持分の移転の登記を受けている場合について、その後その持分の一部について移転の登記の申請をする場合、登記の目的は、「何某持分一部(順位何番で登記した持分)移転」とするとなっており、登記記録例207においても、「甲某持分一部(順位5番で登記した持分)移転」と示されているため、(順位何番で登記した持分)であれば、間違いなく正解になります。
「所有権一部(順位何番から移転した持分)移転」については、bravo-oneさんの記載されているように、たとえばAが、甲から2回に分けて(順位番号2番と3番)持分を取得した場合において、その一方の持分のみに抵当権が設定され(「A持分一部(順位2番で登記した持分)抵当権設定」)、その後、BがAの持分全部を相続したとして、1個の申請により、持分全部の相続登記がB名義でされているケースが前提となります(順位番号4番-これは2件に分けて申請することはできません)。
そこで、抵当権の目的でない持分の移転登記を申請する場合は、B名義での登記では、各持分が区別されていないため、「B持分一部(順位3番から移転した持分)移転」として、被相続人Aが当該持分の登記を受けたときの順位番号をもって特定することになります(平11.7.14第1414号)。
甲区
1 所有権保存 甲
2 所有権一部移転 4分の1 A
3 甲持分一部移転 4分の1 A
4 A持分全部移転 相続 4分の2 B
乙区
1 A持分一部(順位2番で登記した持分)抵当権設定 乙
INPUTテキスト不動産登記法ⅠP96・99
講師 小泉嘉孝
参考になった:5人
koizumi1 2026-01-21 21:09:09
小泉先生、回答ありがとうございます。
まず、「所有権一部(順位何番で登記した持分)移転」の方が正しい書き方である点、理解しました。
また、「所有権一部(順位何番で登記した持分)移転」は
現登記名義人が複数回に分けて所有権を取得しかつ片方に抵当権の設定があるという状況下で、
持分移転登記をする際に用いられ、
「所有権一部(順位何番から移転した持分)移転」は、
前登記名義人が複数回に分けて所有権を取得しかつ片方に抵当権の設定がある場合で、
その後相続登記をするに際し、一部移転ができないために、現登記名義人に対し持分全部移転(所有権移転)をしたという状況下で、
持分移転登記をする際に用いられるということですね。
とても丁寧に解説していただいてありがとうございます。
ところで、ひながたについてもうふたつ質問させていただきたいです。
ひとつめは、(順位番号後記の通り)という文言が入る登記の目的についてです。
たとえば、甲土地乙土地の名変を一括申請する際に、順位番号が相違するとき等に用いられますが、
他にも用いられる場面はありますか?
また、これは不動産の表示を伴うのが前提となるでしょうが、
近年の問題で不動産の表示を書かせる問題は少ないように思います。(令和6年に不動産の表示を選択する問題がありましたが)
つまりは、近年の記述試験において(順位番号後記の通り)の文言が入る登記の目的を書く可能性は低いと考えてよろしいのでしょうか?
ふたつめですが、ひながた集を見ていると、申請人が自然人であるときの住所、申請人が法人であるときの住所、代表取締役、会社法人等番号は、どのひながたにも出てくるのですが、
近年の記述試験の模範解答を見ると、単に自然人の名称や法人の商号のみを回答する問題が多いです。
問題文の指示により書かなくてよいからだと思いますが、過去には住所や会社法人等番号が書かされる問題もあるようです。
近年の記述試験においてこれら住所、代表取締役、会社法人等番号を書かせられることはないという傾向にあると考えてもよろしいのでしょうか?
ysh557 2026-01-22 21:34:04
ysh557さん、こんばんは。
① 典型的なものは、各不動産毎に順位の異なる共同抵当権の抹消があります。
抵当権抹消(順位番号後記のとおり)
他には、共同根抵当権の移転や変更等があります。
共同根抵当権移転(順位番号後記のとおり)
共同根抵当権変更(順位番号後記のとおり)
そして、各不動産の表示の末尾に「(順位番号何番)」と記載します。
(オンライン申請のための「申請用の総合ソフト」であれば、「対象登記の順位番号」という項目が用意されています。)
ゆえに、その不動産の表示を解答として要求されない以上、その順位番号を記載させることも難しくなります。
しかし、具体的な順位番号を記載させずとも、「抵当権抹消(順位番号後記のとおり)」という登記の目的を解答させることや「対象登記の順位番号」という解答欄を用意して、番号を記載させることも考えられます。
したがって、その準備はしておかなければならないと考えます。
また、実務家を目指すという意味でも、必ず押えておくべき基本事項といえます。
② 確かに近年の問題では、住所や代表取締役等の記載を解答として要求されることはなくなりました。
これは、単に問題文に示された住所を解答欄に書き写すだけであれば、そこに法的論点はなく、試験の解答としては、それを記載させることにほぼ意味がないからということでしょう。
しかし、本来、申請情報には何をどこまで記載すべきであるかを把握していることを前提に、問題文をチェックし、その指示に従って解答するというパターンは変えるべきではないと考えます。
たとえば、登記名義人住所変更登記であれば、申請人の住所として新住所を記載しなければならないというのが一つの論点ですから、そのような場合には、その記載が求められる可能性はあるため、初めから住所の記載は不要だと決めつけて練習する、本試験でもチェックせずに解答するというのは、リスクが高すぎるといえます。
また、令和6年4月1日施行の法人を所有権登記名義人として登記を申請する場合の「法人識別事項」(会社法人等番号・設立準拠国・設立根拠法)、外国人を所有権登記名義人として登記を申請する場合の「ローマ字氏名」の併記、所有権登記名義人が国内に住所を有しないときの「国内連絡先」等、新たに申請情報として要求されるものが増加しており、このあたりは特に注意が必要です。
講師 小泉嘉孝
koizumi1 2026-01-23 21:28:26
小泉先生、追加の質問への回答ありがとうございます。
①について、(順位番号後記の通り)の使いどころがわかりました。
名変のみならず、共同根抵当権の移転変更抹消などを一括で申請する場合に、対象の権利の順位番号が異なっていて書きようがないときの方法なのですね。
記述試験で用いる可能性や、合格後の実務上のことにも言及してくださったことで、より納得できました。
しっかり使い方を記憶しようと思います。
②について、住所などを書かないとの決めつけはよくないという点、理解しました。
補足や答案作成に当たっての注意事項などにまで目を光らせて、問題の指示を適切に読み取らなければなりませんね。
また、改正法により登場した所有権の新たな登記事項も、記述試験で出題される可能性があるとのことですので、
ひながたを頭に入れようと思います。
独学でやっているため、こういった実践的な記述試験対策の方法論をお聞きできるのは大変有意義です。
とても詳しい解説をしてくださって、ありがとうございました。
ysh557 2026-01-24 21:14:11



