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不登法/抵当権の変更/利息の特別登記
tonton-chan 2017-10-22 14:10:13
2017後期 不登法 7-7 83ページの利息の特別登記についてお尋ねします。
(前提の確認)
H29.7.1を起点に右に向かって矢印が伸びていますが、右に行くほど時間が新しい
ということだと思いますが、この図では、「3」が配当日で、
この「3」から遡って「1」までが最後の2年分を表しているということだと思います。
この「1」より左側に「H29.7.1」と書かれていますが、
ビデオ解説の下に記載してある登記申請例によると、
ここは、「H30.6.30」となっており、まる1年分の利息が延滞していることが分かります。
さて、ここで質問です。
(1)弁済期について
(この設例において、弁済期から一度も利息を支払っておらず、今回の利息の特別登記
がこれまでの延滞利息の初めての登記だと仮定すると)
弁済期は、平成27年6月29日だったといことでしょうか。(弁済期の翌日から利息の計算が始まる。)
(2)最後の2年間について
次に、平成30年6月30日までを利息の特別登記の対象としているということは、
最後の2年分の2年間は、具体的には、平成30年7月1日から平成32年7月1日までとなり、
この平成32年7月1日が配当日だったということでしょうか。(配当日から遡ると、
2年前の応当日までが最後の2年間)
とても細かい質問でたいへん恐縮ではざいますが、抵当権の利息関係の登記が苦手なので、
以上の(1)と(2)の疑問につき、ご教示いただけますようお願いします。
tonton-chanさん、こんばんは。
(1)弁済期について
まず、前提となる部分を整理しておきます。
上記テキストで例示している場面の「利息」は、元本の弁済期までに発生する「通常利息」のことであり、金銭債務において弁済期に元本の弁済がなければ当然に発生する「遅延利息」(遅延損害金)のことではありません(遅延利息も特別の登記の対象にはなりえますが、ここでは混乱を避けるため、省略します。)。
この「通常利息」が利息の弁済期に弁済がなされず延滞している場合、当該延滞されている利息を「延滞利息」といいます。
ゆえに、ここでの「利息の特別の登記」の対象となっている「利息」(延滞利息)の弁済期は、平成30年6月30日を想定しており、その申請は平成30年7月1日から可能であるということになります。
(2)最後の2年間について
テキストの事案は、3年間全く通常利息の支払いを行っていないものとして、最後の2年「分」と最後の2年「間」はイコールとなっていることを前提とします。
また、元本に対する遅延利息(遅延損害金)は発生していないものとします。
最後の2年分の「起算点」については、諸説がありますが、ここでは「配当表作成時説」で考えるものとします。
そうすると、仮に配当表作成時が、平成32年7月1日であれば、最後の2年分とは、平成30年7月1日から平成32年6月30日までのことであり、この間に発生した利息が、当該抵当権実行における原則的な優先弁済の対象ということになります。
そこで、平成29年7月1日から平成30年6月30日までの延滞利息につき特別の登記があれば、さらにその1年分についても優先弁済の対象となります。
一方、利息の特別の登記は、当該利息の弁済期が到来(延滞)していれば可能となるため、それが6か月分でも、3年分でも可能です。
ゆえに、当該利息発生期間と配当表作成日が常に結びついているわけではありません。
講師 小泉嘉孝
参考になった:5人
koizumi 2017-10-24 22:42:05
小泉先生、ご回答誠にありがとうございます。
先生の解説を拝読するまで、私は、利息についての考え方が全く無理解でした。
とても丁寧に教えていただき深く感謝しています。
tonton-chan 2017-10-24 23:55:25