ニックネーム | *** 未ログイン ***
不登法/抵当権/準共有者間での順位譲渡
tonton-chan 2017-11-19 18:37:29
2017年前期 不登法 12-3 6 同一順位者間の順位譲渡・放棄 の項の下段における、
<準共有者間での順位譲渡・放棄>についてお尋ねします。
テキストの解説では、1番抵当権をAとBがそれぞれ1/2という設例になっており、
ビデオ解説の中で、
目的 1番抵当権A持分の同B持分への順位譲渡
について、
「それぞれ持分があるということは、それぞれの債権額の割合で~
両方の債権を回収するだけの不動産価格がないという場合、
それぞれ本来の優先弁済額を足して、その中からBがこの1/2について
先に回収できる」から実益がある。
と解説されています。
そこで、気になる点が1つだけあります。
「Bがこの1/2について先に回収」という箇所がそれです。
Aは、Bに対し、自らの持分を譲渡したのだから、Bは、もともと有していた持分1/2の限度を超えて
Aから譲渡を受けた分からも、その債権を(Bは)回収でき、それでも余剰が生じた場合に、Aに配当が回る。
と考えることはできないのでしょうか。
今回は、AとBがそれぞれ1/2の持分ということになっていますが、
持分ではなく、それぞれが別個独立の抵当権だった場合に、Aの抵当権からBの抵当権に順位譲渡したときには、
まず、AとBの本来の優先弁済額を合計して、先にBが債権を回収し、残りをAが回収することになっています。
この論理は、AとBが1/2の持分となっている場合にも、あてはまるように思えます。
抵当権が準共有されている場合には、考え方が異なるのでしょうか。
抵当権者B(1/2)がA持分(1/2)の順位譲渡を受けた場合のBが回収できる債権額について、ご教示くださるようお願いします。
⇒上記の質問は、もしかして次のような考え方でしょうか。
抵当権の準共有者が他の準共有者に順位譲渡する実益は、不動産価額が両者の債権額に満たない場合です。
この場合に、一方から他方に順位譲渡がなされると、順位譲渡を受けた方(上記の設例ではB)が両者の合計配当額から先に配当を受け、残りをAが配当を受けることになりそうです。
つまり、AとBとでは、1/2という持分は両者にとって、もはや意味がなくなり、両者の合計配当額の中からBが先に優先配当を受けられることに、準共有者間での譲渡に意味があるのではないでしょうか。
以上のとおり考えてみましたが、このような理解でよろしいのでしょうか。
tonton-chanさん、こんばんは。
そのとおりです。
抵当権の準共有者の「持分」は、債権額の割合を意味するため、「Bがこの1/2について先に回収」とは、Bは自己の債権額の範囲内で、Aに先立って配当が受けられるという意味です。
厳密には、2分の1という持分は、順位譲渡後のBの優先弁済額を画すると同時に、それは残額としてAが受ける配当額を確定させるものとしての意味を有しているといえますが、結局、「優先弁済」の点に着目すると、順位譲渡の「当事者間」では、実質的に同順位の抵当権につき、異順位の抵当権とする順位変更がなされたのと同様の効果が生じることになります。
講師 小泉嘉孝
参考になった:4人
koizumi 2017-11-23 20:40:28
小泉先生、ご回答誠にありがとうございます。
抵当権の処分の箇所は、似たようなものがいろいろ出てきて、その違いや意味についての理解が難しいところでした。
その1つが抵当権の共有の場合です。
先生のご指導のおかげで、また、ここで前進することができました。
tonton-chan 2017-11-25 17:52:35