ニックネーム | *** 未ログイン ***
会社法/監査等委員である取締役の兼任禁止
2020-atsuko 2017-12-30 12:42:08
会社法331Ⅲについて教えて下さい。
331条3項
監査等委員である取締役は、監査等委員会設置会社若しくはその子会社の業務執行取締役若しくは支配人その他の使用人又は当該子会社の会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)若しくは執行役を兼ねることができない。
と規定されています。
つまり、監査等委員である取締役は、次の①~④を兼任することはできないことになります。
監査等委員会設置会社でも、その子会社の
①業務執行取締役
②支配人その他使用人
また、子会社の
③会計参与
④執行役
しかし、①業務執行取締役は、代表取締役「以外」のことだとすると、代表取締役との兼任はできるのでしょうか。
また、子会社の会計参与との兼任はできませんが、監査等委員会設置会社の会計参与との兼任はできるのでしょうか。
いずれの場合も、兼任ができないという規定を見いだせず困っております。この整理の仕方や考え方について、教えていただきたいと思います。
ご多忙中のところ、大変申し訳ございませんが、よろしくお願いします。
2020-atsukoさん、こんにちは。
「業務執行取締役」という名称の使い方は複雑なものになっています。
(1)会社法2条15号で「社外取締役」の要件として(不適格として)規定されている「業務執行取締役」(広義の業務執行取締役)には、下記の3つの取締役があります(テキスト会社法ⅠP280)。
①代表取締役
②代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議により一定の業務執行事項につき決定・行為を委任された者
③代表取締役から一部の行為を委託される等により会社の業務を執行したその他の取締役
(2)会社法363条で取締役会設置会社の業務を執行するものとして規定されているのは、上記①②の取締役です。
この場合、①②を併せて「業務執行取締役」(狭義の業務執行取締役)と呼ぶこともあれば、①の代表取締役と②を区別するために、取締役会設置会社において、業務執行の権限を有するのは、「代表取締役と業務執行取締役(363Ⅰ②の業務執行取締役)」であると表現されることもあります(テキスト会社法ⅠP205)。
このように「業務執行取締役」の意味する範囲は、使用される場面で様々です。
そこで、会社法331条3項の「業務執行取締役」には、その趣旨からすると、もちろん「代表取締役」も含まれています。
よって、監査等委員である取締役は、代表取締役を兼ねることができません。
次に、監査等委員である取締役とその会社の会計参与との兼任については、監査等委員である取締役も「取締役」の一人ですから、会計参与の欠格事由を規定した会社法333条3項の適用を受けます。
よって、同一人がこの二つの地位を有することは認められません。
会社法331条3項において「子会社の会計参与」が規定されているのは、333条3項の会計参与の欠格事由では「親会社の取締役」を対象としていないため、ここで別途規定しているということです。
講師 小泉嘉孝
参考になった:24人
koizumi 2017-12-31 12:33:02
小泉先生、ありがとうございました。
会社法の用語の中には、使われる場面によって、意味が違うものがあるようです。
まだまだ学習の初歩段階ですが、1つ1つ積み重ねていきたいと思っています。
これからもご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い致します。
2020-atsuko 2018-01-02 20:58:39