ニックネーム | *** 未ログイン ***
不登法/抵当権について
hijk58 2018-02-09 13:17:19
①テキストⅡP17 (4)dについて
保証委託契約がないときに求償債権のみを担保する
とありますが、
債務者にとってよからぬ人が、債務者の知らないところで
勝手に債権者と保証契約結んで保証人になることも
ありえるのでしょうか?
求償できる範囲は限られるとしても、
それでも求償債権を担保できるとなると
恐ろしい気がしますが、どうなのでしょうか。
②テキストⅡP84 (1)②について
物上保証人が負う責任の範囲がいまいち理解できてません。
保証人の場合は
元本、利息、違約金、損害賠償、その他主たる債務に従たるものすべてということですが、
物上保証人の場合は物上保証契約時に
責任の範囲を決めるたりするのでしょうか?
例えば、
債務者が元本を弁済しない場合、抵当権が実行され、物上保証人が担保として提供した財産が失われるのは当然だと思いますが、
元本だけでなく、利息などが弁済されない場合においても、同じように抵当権が実行され、担保として提供した財産は失われるのでしょうか。
③テキストⅡP87
債権額減額変更する場合、転抵当権者の承諾書が必ず必要とのことですが、
ふと思ったのですが、
転抵当は設定者の承諾なしに債権者と転抵当権者との間の設定契約で成立すると民法で学びました。
設定者の承諾があれば全然問題ないとは思うのですが、設定者の承諾なく、勝手に債権者と転抵当権者で設定契約しておきながら、
債権額減額変更する場合には転抵当権者の承諾が必要(承諾なければ却下)というのは
設定者にとって酷な気がしますし、不公平な気がします。
もし転抵当権者の承諾が得られない場合、設定者は減額変更できないのでしょうか?
お忙しい中、申し訳ございませんが
よろしくお願いします。
hijk58さん、こんばんは。
①について
保証契約は、債権者と保証人の間で締結されるものであり、債務者と保証人の間で保証委託契約がない場合であっても、さらに債務者の意思に反する場合であっても、有効に成立します。
ただ、このような状況は通常想定できず、たとえば債務者と保証人の間に親子関係があり、親が子を心配して保証人となるというようなケースぐらいであろうと考えられています。
テキスト民法ⅣP50 2018向け民法・基礎編 13回目 チャプター13-7を参照して下さい。
また、求償債権が担保されるための抵当権設定契約には、当該保証人(抵当権者)と債務者(設定者-債務者以外の物上保証人の場合もあり)との合意が必要であるため、(抵当権代位の場合とは異なり)保証人が当然に抵当権を取得するわけではありません。
②について
抵当権で担保される債権の範囲(抵当権実行で抵当権者が配当を受けられる範囲)については、民法375条で規定されており、利息・遅延損害金等も含まれます。
テキスト民法ⅢP11 2018向け民法・基礎編 9回目 チャプター9-6を参照して下さい。
(抵当権の被担保債権の範囲)
第375条 抵当権者は、利息その他の定期金を請求する権利を有するときは、その満期となった最後の二年分についてのみ、その抵当権を行使することができる。ただし、それ以前の定期金についても、満期後に特別の登記をしたときは、その登記の時からその抵当権を行使することを妨げない。
2 前項の規定は、抵当権者が債務の不履行によって生じた損害の賠償を請求する権利を有する場合におけるその最後の二年分についても適用する。ただし、利息その他の定期金と通算して二年分を超えることができない。
また、元本が完済されており、利息や遅延損害金の支払いだけが遅滞しているケースというのは、弁済額が全額に満たない場合は、①費用 ②利息(通常利息・遅延損害金) ③元本の順序で充当されると規定されている(民法491)ため、通常は生じません。しかし、当該規定は、任意規定であるため、債権者と弁済者の合意によって、充当の順序を変更することは可能であり、元本から先に充当する旨の合意があった場合は、遅滞している利息のために抵当権が実行されるケースも想定されます。
テキスト民法ⅣP149を参照して下さい。
③について
抵当権者と設定者の合意による債権額減額変更の合意、一部弁済、元本のみの弁済等による抵当権の債権額減額変更登記では、転抵当権者は、常に登記上の利害関係人に該当します。
これは、あくまで登記記録から形式的に判断するものであり、転抵当の設定について債務者への対抗要件(通知又は承諾)が具備されているか否かを問いません。
ただし、転抵当権者に承諾義務があるか否かについては、実体上の判断となるため、転抵当の設定について債務者への対抗要件が具備されており、当該債務者が転抵当権者の承諾を得ることなく抵当権者に弁済を行った場合は、これをもって転抵当権者に対抗することができないため、転抵当権者に承諾義務はなく、それ以外の場合には承諾義務が生じます。
転抵当権者に承諾義務がある場合は、現実の承諾が得られない場合であっても、承諾に代わる裁判を得ることによって、その裁判の謄本を添付することで、抵当権の変更登記を申請することができます。一方、転抵当権者に承諾義務がない場合は、このような裁判を得ることができません。
複数の質問をされることは一向に構いませんが、この質問広場を訪れた人が質問に対する検索機能を使用できるように考えているため、複数の質問が特に一体的な内容でない限りは、別の項目を立ててアップするようにご協力下さい。
宜しくお願い致します。
講師 小泉嘉孝
参考になった:3人
koizumi 2018-02-09 20:45:32
小泉先生こんにちは。
ご丁寧なご回答ありがとうございます。
また、
掲示板の使い方もよくわかっておらずすみませんでした。以後、気を付けます。
引き続きよろしくお願い申し上げます。
hijk58 2018-02-10 18:43:02