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2020-atsukoさん、こんばんは。

199条4項も238条4項も、種類株主総会の決議を要求している趣旨は、既存の株主以外の者が譲渡制限付の種類株式を取得した場合、当該種類株式を有する既存株主がその持株比率を維持できなくなる可能性があるためです。

一般に、株主割当て以外で募集株式が発行された場合、既存株主にとっては、全体の株式の数が増加し、自己の持株数がそのままであれば、持株比率は低下することになります。
この場合に、持株比率を維持しようと考える株主は、市場等で株式を取得します。

しかし、発行される株式が譲渡制限の付された種類株式であったならば、当該種類株式を市場等で取得するには、(これと異なる定款の定めがない限り)既存の株主であっても、会社の承認を要するため、自由に取得ができず、その取得が実現できない以上、持株比率は低下することになります。

そこで、取得請求権や取得条項が付されていても、譲渡制限が付されていない株式であれば、既存の株主は、会社の承認を得ることなく、市場等で当該種類株式を取得し、持株比率を維持することは可能であるため、上記を根拠とした種類株主総会の決議は要求されないことになります。

講師 小泉嘉孝

参考になった:9

koizumi 2018-03-07 23:19:35

 小泉先生、ありがとうございました。
 先生の解説は、いつも明快で、あいまいな理解だった点がすっきりと解決します。
 これからもご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い致します。

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2020-atsuko  2018-03-10 11:05:32



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