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2020-atsukoさん、こんばんは。

まず、証券「不発行」の新株予約権の質入れについては、新株予約権原簿への記載・記録が対会社・対第三者への対抗要件となります(268Ⅰ)が、その記載・記録がなされることで、「登録新株予約権質権者」となるため、「登録質」のみが存在し、「略式質」という形態は存在しないことになります(振替制度の対象を除く)。

次に、証券「発行」の新株予約権は、「記名式」の証券が発行されている場合と「無記名式」の証券が発行されている場合に分類され、「記名式」はさらに「登録質」(新株予約権原簿に質権の登録あり)と「略式質」(新株予約権原簿に質権の登録なし)に分類されます。

よって、無記名式は略式質のみですが、記名式は登録質に限られません(会社法269条は、質権設定者に「略式質」にするか「登録質」にするかの選択を認めた規定と解されています)。

つまり、新株予約権原簿に「新株予約権者」の記載・記録はあるが、「質権者」の記載・記録がない(「記名式」かつ「略式質」)というパターンがあるということです。

いずれの場合も、共通して要求される対抗要件は、証券の占有継続です(268Ⅱ)。
そこで、「登録質」では、新株予約権原簿に質権者が記載・記録されていますが、これだけでは足りず、証券の占有継続をも要求されることになります。

その結果、登録新株予約権質権者が新株予約権原簿に記載・記録されていても、証券の占有を失った場合は、対第三者だけでなく、会社に対しても自己が質権者であることを主張できないことになります。

講師 小泉嘉孝

参考になった:9

koizumi 2018-03-16 23:50:28

 小泉先生、ありがとうございました。
 わたしは、てっきり記名式の場合は、登録質と思い込んでいました。
 先生の解説を拝読させていただき、このあたりの整理が進みました。
 これからもご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い致します。

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2020-atsuko  2018-03-17 22:17:16



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