ニックネーム | *** 未ログイン ***
会社法/創立総会の議決権行使書面
2020-atsuko 2018-04-21 14:35:44
創立総会の議決権行使書面について教えて下さい。
発起人が電子投票を定めた場合(67条1項4号)は、創立総会の招集通知を電磁的方法によることを承諾した設立時株主には、議決権行使書面の記載事項を電磁的方法により提供しなければならない(71条3項)ことになっています。
それでは、創立総会の招集通知を電磁的方法によることを「承諾していない」設立時株主には、議決権行使書面は、「交付
」によることになるのでしょうか。(A)
「交付」になることを規定した条文を見つけることができませんので、この点についてご教示ください。
一方、発起人が電子投票を定めた場合(67条1項4号)に、創立総会の招集通知を電磁的方法により発することを承諾していない設立時株主から創立総会の日の1週間前までに議決権行使書面の記載事項を電磁的方法による提供の請求があった場合には、直ちに、電磁的方法により提供しなければならない(71条4項)とも規定されています。
この71条4項の意味は、たとえ電子投票を定めた場合であっても、創立総会の招集通知を電磁的方法によることを承諾していない設立時株主に対しては、原則として、議決権行使書面は「交付」によるということでしょうか。(B)
電子投票を採用しておきながら、「議決権行使書面は交付」という点には違和感がありますが、(B)のように解すると、(A)のような解釈が成り立ちます。この点が非常にわかりにくいのでご教示をお願いします。
ご多忙中のところ、大変申し訳ございませんが、よろしくお願いします。
2020-atsukoさん、こんばんは。
電子投票によっても議決権行使ができることを定めた場合に、招集通知を電磁的方法によることを承諾していない設立時株主に対しては、特に請求(創立総会の日の一週間前までに議決権行使書面に記載すべき事項の電磁的方法による提供の請求)があったときは、発起人は、電磁的方法によりこれを提供しなければならない(71Ⅳ)と規定されています。
一方、その請求がなされていない以上、「議決権行使書面の交付」や「議決権行使書面に記載すべき事項についての電磁的方法による提供」は、発起人には義務づけられていないということになります。
電子投票によっても議決権行使ができることを定めた場合であっても、現実の会場で創立総会が開催されていることには変わりなく、あくまでそこに出席して議決権行使をすることが原則となります。
そこで、たとえば、招集通知を電磁的方法によることを承諾していない設立時株主が、当該創立総会では、電子投票が認められていたものの、当初は現実の会場での議決権行使を予定しており、その後予定を変更して、電子投票を行うのであれば、創立総会の日の一週間前までに請求を行い、発起人がこれに対応して電磁的方法による提供を行うという流れを規定しているのが、上記71条4項と考えます。
講師 小泉嘉孝
参考になった:1人
koizumi 2018-04-30 21:07:50
小泉先生、ありがとうございました。
この箇所は、分かったようでも、詰めきれずに混乱しやすい箇所でした。
先生の解説は、実際の場面が想起できて、条文や制度の仕組みを思い浮かべやすく、たいへん助かります。
改めて感謝申し上げます。
これからもご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い致します。
2020-atsuko 2018-05-02 17:34:31