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保全法/民事保全法41条ただし書の解釈
takugin97 2018-10-04 21:17:20
よろしくお願いします。
民事保全法第41条ただし書ですが、
「抗告裁判所が発した保全命令に対する保全異議の申し立てについては保全公告ができない」…※
とあります。
これは例えば
①地裁で保全命令が却下されたので、債権者は高裁に即時抗告した。
②即時抗告が認められ、高裁は保全命令を出した。
③それに対して、債務者は保全異議を提出し、高裁が審理。この高裁の決定については、
保全公告ができない。
という意味かと思います。これは、2審制をとる意味からも分かる気がするのですが、
改めて※を見てみると、「保全異議」に限定しています。
見方を変えれば、保全取消しのときなら、保全抗告ができるということでしょうか。
つまり、最高裁が保全抗告を審理するケースがあるのでしょうか。
どうかよろしくご指導ください。
質問の事例の場合、民事保全法第41条1項但し書きの規定により保全抗告ができないのではなくて、裁判所法第7条2号の規定が根拠になります。
最高裁判所は特別の抗告しか裁判権を持ちません。
ですから、抗告裁判所である高等裁判所が発令した保全命令に対して債務者が申し立てた保全異議・保全取消についての裁判に対し、保全抗告はできません。
抗告裁判所である地方裁判所が発令した保全命令に対して債務者が申し立てた保全取消についての裁判に対しては、保全抗告をすることができます。
なぜなら、保全取消は、新たに取消事由が生じたためするものであるから、その取消事由の審理について、二審級の利益を確保するためだからです。
参考になった:6人
nyanta 2018-10-06 22:20:31
nyanta さん
ご指導有難うございます。最高裁判所には裁判権があるのか、根拠が分からず困っていたので、とても嬉しいです!
裁判所法に根拠があるんですね。とてもすっきりした感じです。
迅速かつ丁寧なご回答に、改めて心よりお礼申し上げます。
takugin97 2018-10-08 10:12:39