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厚生年金保険法/障害厚生年金に係る条文(第52条)の解釈について
watam 2017-07-14 18:32:39
第五十二条 実施機関は、障害厚生年金の受給権者について、その障害の程度を診査し、その程度が従前の障害等級以外の障害等級に該当すると認めるときは、その程度に応じて、障害厚生年金の額を改定することができる。
2 障害厚生年金の受給権者は、実施機関に対し、障害の程度が増進したことによる障害厚生年金の額の改定を請求することができる。
3 前項の請求は、障害厚生年金の受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除き、当該障害厚生年金の受給権を取得した日又は第一項の規定による実施機関の診査を受けた日から起算して一年を経過した日後でなければ行うことができない。
4 障害厚生年金の受給権者であつて、疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病(当該障害厚生年金の支給事由となつた障害に係る傷病の初診日後に初診日があるものに限る。以下この項及び第五十四条第二項ただし書において同じ。)に係る当該初診日において被保険者であつたものが、当該傷病により障害(障害等級の一級又は二級に該当しない程度のものに限る。以下この項及び同条第二項ただし書において「その他障害」という。)の状態にあり、かつ、当該傷病に係る障害認定日以後六十五歳に達する日の前日までの間において、当該障害厚生年金の支給事由となつた障害とその他障害(その他障害が二以上ある場合は、全てのその他障害を併合した障害)とを併合した障害の程度が当該障害厚生年金の支給事由となつた障害の程度より増進したときは、その者は、実施機関に対し、その期間内に障害厚生年金の額の改定を請求することができる。
5 第四十七条第一項ただし書の規定は、前項の場合に準用する。
6 第一項の規定により障害厚生年金の額が改定されたときは、改定後の額による障害厚生年金の支給は、改定が行われた月の翌月から始めるものとする。
7 第一項から第三項まで及び前項の規定は、六十五歳以上の者であつて、かつ、障害厚生年金の受給権者(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法 による障害基礎年金の受給権を有しないものに限る。)については、適用しない。
とありますが、
第7項の、「六十五歳以上の者であつて、かつ、障害厚生年金の受給権者(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法 による障害基礎年金の受給権を有しないものに限る。)」について、
一般的なテキストにおいて「受給権取得当初からずっと障害等級3級の障害厚生年金の受給権者」と限定しており、それを前提とした解説は理解できるのですが、
「65歳を過ぎてからの初診日に係る障害厚生年金の受給権を取得した障害等級2級の障害厚生年金の受給権者なども該当するのではないか?」
「該当するとしたら、その者は、受給権取得後は、もはや増額改定も減額改定もされる余地はないのか?」という疑問が生じました。
また、受給権取得当初からずっと障害等級3級の障害厚生年金の受給権者について、
事後重症による障基とのカラミで増額改定されないのはわかるが、減額改定がなされない理由がわかりません。
ご回答よろしくお願いいたします。
条文のままで理解されて良いと思います。
平成14年までは厚生年金保険の被保険者は原則65歳までだったので、ご指摘のテキストの説明には問題が無かったのです。
このため、今でもそのまま使っているテキストが多いと思います。
ただ、ご指摘のような問題をこの箇所で説明するのは難しいです。
中高齢で来日した外国籍の方のような例外まで考えれば、単に「65歳を過ぎてからの初診日に係る障害厚生年金の受給権を取得した障害等級2級の障害厚生年金の受給権者なども該当する」とは言い切れないのです。
このため、十全な説明をしようと思えば、国民年金の第2号被保険者の資格要件や障害の年金の保険料要件にまで詳しく言及しなければなりませんから、この箇所でそれをするのはテキストの編集として適切とは思えません。
しかし、初学者は、障害等級と受給権の関係が理解しにくいですからね。
「障害厚生年金の受給権者(当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づく国民年金法 による障害基礎年金の受給権を有しないものに限る。)」という条文があったときに、障害等級非該当であっても受給権はある場合があるのだ、と、いうことは説明する必要があり、そのためにご指摘のテキストの説明がある、と、お考えください。
参考になった:3人
poo_zzzzz 2017-07-14 18:28:16
早速の返信ありがとうございます。
厚生年金保険保険の歴史的背景とテキストとの関係、テキストで説明している背景等をまじえてご回答いただきありがとうございました。(了解しました!)
そのうえで、ひとつだけ、教えていただきたいことがあります。
条文通りに理解すると、受給権取得当初からずっと障害等級3級の障害厚生年金の受給権者は、65歳過ぎると、職権による改定がを行うことができない、となります。
そうすると、障害状態が軽減しても(現況届とともに出す診断書で障害状態の軽減を確認しても)減額改定がなされないことになると思います。
だとすると、なぜ、障害等級2級の障害厚生年金の受給権者は、65歳過ぎても、職権による改定をおこなうことができる、すなわち減額改定がなされるのに、
受給権取得当初からずっと障害等級3級の障害厚生年金の受給権者は、65歳過ぎると、減額改定がなされないのでしょうか?
(現時点では、増額改定がなされないので減額改定もしないよ!ということかなと考えています。)
ご回答お待ちしています( ^)o(^ )
watam 2017-07-14 20:26:18
則48条の障害不該当の届出は、法54条2項に基づく届け出であり、法52条1項の大臣の診査を前提にしていないので、同一の支給時由に基づく障害基礎年金の受給権の有無に関係なく適用されます。
このため、3級の障害の程度にある障害厚生年金の受給権者が障害の状態に該当しなくなったときに届け出をせず、受給を続ければ、不正受給になります。
ただ、受診命令が出せないとしたら、本人が届け出ない場合にどうやって確認するのか?という点については、私も解決できていません。
参考になった:1人
poo_zzzzz 2017-07-15 01:41:11
職権による改定はなくととも、自己申告による支給停止がありますね!
自己申告はなかなかしないでしょうから、あとは、政府(役所)の腕の見せ所ですね(笑)
私の質問に答えてくださりありがとうございました。
それでは失礼いたします。
watam 2017-07-15 07:14:46