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分かりやすい回答有難うございました。
なお、類似質問を検索した上でしたがお手数おかけしました。

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tarbou1973 2017-12-10 22:21:44

すみません、加筆したために質問者の方のコメントと順序が逆になりました。



(1) もともと行政は、賃金が口座振込で支払われる事を想定しておらず、仮にそれがあったとしても、口座振込が通貨払や直接払の原則の違反になるとは考えていなかったと思われる。
(2) しかし、昭和40年代から口座振込で賃金支払いする会社が増えたため、行政は通達を出し、口座振込は、本人の同意等一定の要件を満たす限り法24条違反の問題は生じないという公式の見解を出した。
(3) つまり、この時点での行政は、口座振込を通貨払や直接払の原則の例外と考えていたのではなく、口座振込は一定のルールを守れば法24条違反の問題そのものを生じないと考えていた。
(4) しかし、昭和の終わり頃の高裁判決で、「口座振込は、一般的には通貨払の原則違反であり、通達通り労働者の同意等があれば許容されるが、それがないときは法24条違反」というものがあった。
(6) つまり、行政は「口座振込はそもそも法24条違反にならない」と考えていたのに、司法は「口座振込は一般的には通貨払の違反、だが通達通りに行うなら例外」と判決した。
(5) 「口座振込は、一般的には通貨払の原則違反」と司法に指摘されたことになるが、当時の法24条では、通貨払の原則の例外は「法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合」しか許されなかった。(司法はこれについては指摘しなかったようにみえます)
(7) そこで法整備が行われ、法24条の通貨払の原則の例外に「厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合」が付け加えられ、口座振込が通貨払の原則の例外になった。
(8) この法整備により口座振込が直接払の例外になったという明示はない。(現在も直接払には明示の例外はない)ただ、通貨払の原則の例外として省令によって口座振込が容認される以上、これが直接払の原則に反しない事は明らかであり、また、省令の内容もそれに配慮して本人の同意と本人名義の口座である事を求めている。

以上のような経緯があります。

つまり、簡単に言えば、行政は「口座振込は一定のルールを守れば法24条違反の問題を生じない」と考えていたのに、司法に「口座振込は、一般的には通貨払の原則違反」と指摘されたから、通貨払の原則について法整備をした、と、いうことです。

なお、下記も参考にしてください。
http://smon-hiroba.net/sr/bbs_each.php?rcdId=491

質問される場合は、類似の質問の有無をキーワードで検索してから質問していただくよう、お願いします。



最後に、蛇足ですが、やま予備のテキストには、無料講座を見る限り、直接払の例外に「通貨払いの例外ハの場合」というものがあり、過去問として平成5年と平成6年が書かれていますが、この過去問はいずれも口座振込を行うには労使協定が必要かどうかを問う問題であり、口座振込が直接払の原則に反するかどうかや、口座振込が直接払の原則の例外であるかどうかを問う問題ではありません。

考え方として、直接払の原則に「例外はありません」。
ただ、先の説明で書いたように、法令に従った口座振込が通貨払の原則の例外として法令に明記されている以上、法令に従った口座振込が直接払の原則に「反しない」ことは明らかです。

また、「使者に対して賃金を支払うことは差し支えない」というのも、直接払の原則の例外ではありません。
代理人が、労働者からの委任によって代理人が主体となってその意思で行動するものであるのに対し、使者というものは主体として意思を持って行動するものではなく、主体である労働者の意思に従ってその手足となって行動するものであるから、直接払の原則に「反しない」と考えられているのです。(「例外」ではない。)

なお、民事執行法や国税徴収法による差押については、コンメンタールに「行政官庁が国税徴収法の規定に基づいて行った差押処分に従って、使用者が労働者の賃金を控除のうえ当該行政官庁に納付することは、本条違反とはならない。民事執行法に基づく差押えについても、同じく本条に違反しないものと解される」とあり、やはり「例外」という考え方ではなく、もともと法24条違反にならない、という考え方がなされています。

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poo_zzzzz 2017-12-10 23:09:23



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