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労災保険法/社労士過去問10年網羅 Vol.2 労災保険法 68問
xuzsc 2017-12-13 02:16:49
2018年版のタイトルに記した問題集を使用していますが、68番の問題について、49ページの解説を読む限り、列挙疾病以外の疾病であっても業務との相当因果関係が認められるものは、災害補償または労災保険給付の対象
とあります。この解説を読むとこの68番の問題末尾「業務上の疾病とは認められない」の部分が「認められる」であるように
感じるのですが、解説お願いできないでしょうか?
問題集を持っていないので推測ですが、問題はH21-1Cかな?
業務上の疾病については、法75条2項が「業務上の疾病及び療養の範囲は、厚生労働省令で定める」としており、則35条が「法第75条第2項の規定による業務上の疾病は、別表第一の二に掲げる疾病とする。」としています。
このため、業務上の疾病の範囲は、「別表第一の二に掲げる疾病」に「限られます」。
ですので、「業務に関連がある疾病であっても、労働基準法施行規則別表第1の2の各号に掲げられている疾病のいずれにも該当しないものは、業務上の疾病とは認められない。」は、「正の肢」になります。
ところがね、この「別表第一の二」は、限定列挙じゃなく、例示列挙なんです。
問題集の解説には、「別表第一の二の内容は例示列挙である」という意味の事は書かれていませんか?
別表第一の二はいくつかのカテゴリーに分かれていますが、カテゴリーごとに「~までに掲げるもののほか、これらの疾病に付随する疾病その他○○○○業務に起因することの明らかな疾病」のように、カテゴリーの他の疾病に類する疾病で業務に起因することの明らかな疾病を、包括的に含む項目があります。
さらには最後には「十一 その他業務に起因することの明らかな疾病」と、業務に起因する疾病全体を、包括的に含む項目があります。
ですので、別表第一の二に具体的な病名が明示されていない疾病であっても、業務に起因することの明らかな疾病は、業務上の疾病になり得ます。
しかし、そういった包括的な規定も「別表第一の二に掲げられている」のです。
「その他業務に起因することの明らかな疾病」も、「表の各号に掲げられている疾病」の1つなのです。
ですから、「労働基準法施行規則別表第1の2の各号に掲げられている疾病のいずれにも該当しないもの」は、「業務上の疾病とは認められない」のです。
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poo_zzzzz 2017-12-13 15:22:48
コメントありがとうございます。
出題はH21-1Cです。解説いただいているように、回答に例示列挙という言葉は出てきます。
解説いただいたコメントが、なかなか理解できず、苦労していますが、今回解説いただいたコメントを、少し時間をかけて丁寧に何度も読んでみようと思います。
xuzsc 2017-12-14 00:55:51
理解しにくかったのに、丁重なコメントありがとうございます。
最初に、とても単純に、抽象的な例で書きます。
たぶん、感覚としてはこれだけで理解できます。
Aに該当することを認めるかどうかについて、「B表に書かれていないものは認められない」という規定があるとします。
そして、その規定が指定するB表に、「その他Aに該当するものはすべて認める」とあるとします。
そうであれば、結局、Aに該当するものはすべて認められますね?
しかし、「Aに該当するものはすべて認める」と書いているのは、B表です。
ならば、「Aに該当しても、B表に書かれていないものは認められない」という問は、正でしょう?
この問題は、そういうクイズみたいな問題です(笑)
おそらくは、これで疑問は氷解したと思いますが・・・
法令に沿って、少しかみ砕いて書きますね。
長大な回答ですが、後半は単に別表のコピペですので、気楽に読んでください。
この問題は、「業務上疾病が全体としてどのようになっているか?」ではなく「業務上疾病に関わる法令がどのような順序で書かれているか?」を問う問題です。
「法令の内容」ではなく「法令の一部の書き方」を問う問題で、私の感覚では悪問です。
おそらくですが、お尋ねの解説は、この問題の解答と関係ありません。
「解説は解答と関係ない」という、はじめのボタンが掛け違ってしまうと、分かりにくい解説かも知れません。
でも、お尋ねの解説は、受験対策として重要です。
まず最初に。
法75条2項と施行規則35条の規定から、施行規則別表第1の2の各号に掲げられている疾病のいずれにも該当しないものは、業務上の疾病とは認められません。
法令が、施行規則別表第1の2の各号に掲げられている疾病以外の、例外を認めていないのです。
(法75条2項と施行規則35条の内容は、先の私の回答の、最初の部分を見てください)
これは、法令の書き方の問題として「事実」です。
ですから、「業務に関連がある疾病であっても、労働基準法施行規則別表第1の2の各号に掲げられている疾病のいずれにも該当しないものは、業務上の疾病とは認められない。」は、「正の肢」になります。
まず、これを理解してください。
問題の正誤に関してはこれで終わりです。
解説は、おそらく正誤に関係ありません。
問題の、「業務に関連がある疾病であっても、労働基準法施行規則別表第1の2の各号に掲げられている疾病のいずれにも該当しないものは、業務上の疾病とは認められない。」は、「正の肢」になります。
しかし、「業務に関連がある疾病であっても、労働基準法施行規則別表第1の2の各号に病名が明示されている疾病のいずれにも該当しないものは、業務上の疾病とは認められない。」は、「誤の肢」になる可能性が高いです。
おそらく、この点が、解説のテーマです。
下記に労働基準法施行規則別表第1の2(以下、単に「別表第1の2」といいます)の全文を掲げます。
覚える必要はありません。全部読む必要もありません。表の形だけ理解してください。
漢数字の一から十一までのカテゴリーに分かれていて、そのそれぞれのカテゴリーに1,2,3,・・・と枝番が付き、そこに具体的な病名が掲げられていますね?
しかし、例えば二の13には具体的な病名は無く、「1から12までに掲げるもののほか、これらの疾病に付随する疾病その他物理的因子にさらされる業務に起因することの明らかな疾病」になっていて、そのカテゴリーに属する疾病で、業務に起因することの明らかな疾病はすべてOKのような、包括的な規定になっています。これが分かりますか?
さらには十一号は、「その他業務に起因することの明らかな疾病」になっています。
具体的な病名を問わず、業務に起因することの明らかな疾病は何でもOKの、全体的な包括的規定ですね?
つまり、別表第1の2の各号の枝番に書かれている具体的な病名は、いわば例示なのです。
いきなり「業務に起因することの明らかな疾病」だけでは、判断する側が迷いますからね。
主要な病名を例示的に網羅し、かつ、包括的に、業務に起因することの明らかな疾病すべてが対象になる事が、別表第1の2には書かれています。
上記の理由で「業務に関連がある疾病」は、「業務に起因することの明らかな疾病」であれば、病名を問わず業務上疾病として認められる可能性があります。
このため、おそらく解説は間違っていません。
そしてその根拠となる「その他業務に起因することの明らかな疾病」のような包括的規定も、すべて「別表第1の2の各号に掲げられている疾病」なのです。
ですから、「業務に関連がある疾病であっても、労働基準法施行規則別表第1の2の各号に掲げられている疾病のいずれにも該当しないものは、業務上の疾病とは認められない。」は、「正の肢」になるのです。
まとめると、
① 法75条2項と施行規則35条は、業務上疾病を、別表第1の2の内容に限定している。
② 別表第1の2は、業務に起因することの明らかな疾病はすべて認める内容である。
お尋ねの問題は、この①の部分だけを取り出した問題です。
「労働基準法施行規則別表第1の2の各号に掲げられている疾病のいずれにも該当しないものは、業務上の疾病とは認められない。」
法75条2項と施行規則35条が、業務上疾病を、別表第1の2の内容に限定しているのですから、これは「事実」で、正の肢であることは動かしようがありません。
(何度も書きますが、法75条2項と施行規則35条の内容は、先の私の回答の、最初の部分を見てください)
ちなみに、この問題の「業務に関連がある疾病であっても、」の部分は、受験者を惑わせるための「罠」です。
単に「法令の書き方」を問う問題ですから、「業務に関連がある疾病であっても、」の部分は、あってもなくても正誤に関係ありません。
ですから、②の部分は、問題の正誤に関係ありません。
しかし、業務上疾病は、別表第1の2に「具体的な病名」が書かれていない疾病であっても、業務に起因することの明らかな疾病であれば認めます。
これは、別表第1の2自身が例示列挙であって、包括的に「その他業務に起因することの明らかな疾病」という項目を持つからです。
何度も書きますが、この②は問題の正誤と関係ありません。
問題の正誤は①で終わりです。
しかし、受験される方としては、別表第1の2自身が、例えば「その他業務に起因することの明らかな疾病」という包括的規定を持っていて、業務に起因することの明らかな疾病は、すべて業務上疾病になる事は知っていなければなりません。
解説は、そのことを書いているようです。
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別表第一の二(第三十五条関係)
一 業務上の負傷に起因する疾病
二 物理的因子による次に掲げる疾病
1 紫外線にさらされる業務による前眼部疾患又は皮膚疾患
2 赤外線にさらされる業務による網膜火傷、白内障等の眼疾患又は皮膚疾患
3 レーザー光線にさらされる業務による網膜火傷等の眼疾患又は皮膚疾患
4 マイクロ波にさらされる業務による白内障等の眼疾患
5 電離放射線にさらされる業務による急性放射線症、皮膚潰瘍かいよう等の放射線皮膚障害、白内障等の放射線眼疾患、放射線肺炎、再生不良性貧血等の造血器障害、骨壊え死その他の放射線障害
6 高圧室内作業又は潜水作業に係る業務による潜函かん病又は潜水病
7 気圧の低い場所における業務による高山病又は航空減圧症
8 暑熱な場所における業務による熱中症
9 高熱物体を取り扱う業務による熱傷
10 寒冷な場所における業務又は低温物体を取り扱う業務による凍傷
11 著しい騒音を発する場所における業務による難聴等の耳の疾患
12 超音波にさらされる業務による手指等の組織壊え死
13 1から12までに掲げるもののほか、これらの疾病に付随する疾病その他物理的因子にさらされる業務に起因することの明らかな疾病
三 身体に過度の負担のかかる作業態様に起因する次に掲げる疾病
1 重激な業務による筋肉、腱けん、骨若しくは関節の疾患又は内臓脱
2 重量物を取り扱う業務、腰部に過度の負担を与える不自然な作業姿勢により行う業務その他腰部に過度の負担のかかる業務による腰痛
3 さく岩機、鋲びよう打ち機、チェーンソー等の機械器具の使用により身体に振動を与える業務による手指、前腕等の末梢しよう循環障害、末梢しよう神経障害又は運動器障害
4 電子計算機への入力を反復して行う業務その他上肢しに過度の負担のかかる業務による後頭部、頸けい部、肩甲帯、上腕、前腕又は手指の運動器障害
5 1から4までに掲げるもののほか、これらの疾病に付随する疾病その他身体に過度の負担のかかる作業態様の業務に起因することの明らかな疾病
四 化学物質等による次に掲げる疾病
1 厚生労働大臣の指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)にさらされる業務による疾病であつて、厚生労働大臣が定めるもの
2 弗ふつ素樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂の熱分解生成物にさらされる業務による眼粘膜の炎症又は気道粘膜の炎症等の呼吸器疾患
3 すす、鉱物油、うるし、テレビン油、タール、セメント、アミン系の樹脂硬化剤等にさらされる業務による皮膚疾患
4 蛋たん白分解酵素にさらされる業務による皮膚炎、結膜炎又は鼻炎、気管支喘ぜん息等の呼吸器疾患
5 木材の粉じん、獣毛のじんあい等を飛散する場所における業務又は抗生物質等にさらされる業務によるアレルギー性の鼻炎、気管支喘ぜん息等の呼吸器疾患
6 落綿等の粉じんを飛散する場所における業務による呼吸器疾患
7 石綿にさらされる業務による良性石綿胸水又はびまん性胸膜肥厚
8 空気中の酸素濃度の低い場所における業務による酸素欠乏症
9 1から8までに掲げるもののほか、これらの疾病に付随する疾病その他化学物質等にさらされる業務に起因することの明らかな疾病
五 粉じんを飛散する場所における業務によるじん肺症又はじん肺法(昭和三十五年法律第三十号)に規定するじん肺と合併したじん肺法施行規則(昭和三十五年労働省令第六号)第一条各号に掲げる疾病
六 細菌、ウイルス等の病原体による次に掲げる疾病
1 患者の診療若しくは看護の業務、介護の業務又は研究その他の目的で病原体を取り扱う業務による伝染性疾患
2 動物若しくはその死体、獣毛、革その他動物性の物又はぼろ等の古物を取り扱う業務によるブルセラ症、炭疽そ病等の伝染性疾患
3 湿潤地における業務によるワイル病等のレプトスピラ症
4 屋外における業務による恙つつが虫病
5 1から4までに掲げるもののほか、これらの疾病に付随する疾病その他細菌、ウイルス等の病原体にさらされる業務に起因することの明らかな疾病
七 がん原性物質若しくはがん原性因子又はがん原性工程における業務による次に掲げる疾病
1 ベンジジンにさらされる業務による尿路系腫瘍しゆよう
2 ベーターナフチルアミンにさらされる業務による尿路系腫瘍しゆよう
3 四―アミノジフェニルにさらされる業務による尿路系腫瘍しゆよう
4 四―ニトロジフェニルにさらされる業務による尿路系腫瘍しゆよう
5 ビス(クロロメチル)エーテルにさらされる業務による肺がん
6 ベリリウムにさらされる業務による肺がん
7 ベンゾトリクロライドにさらされる業務による肺がん
8 石綿にさらされる業務による肺がん又は中皮腫しゆ
9 ベンゼンにさらされる業務による白血病
10 塩化ビニルにさらされる業務による肝血管肉腫しゆ又は肝細胞がん
11 一・二―ジクロロプロパンにさらされる業務による胆管がん
12 ジクロロメタンにさらされる業務による胆管がん
13 電離放射線にさらされる業務による白血病、肺がん、皮膚がん、骨肉腫しゆ、甲状腺せんがん、多発性骨髄腫しゆ又は非ホジキンリンパ腫しゆ
14 オーラミンを製造する工程における業務による尿路系腫しゆ 瘍よう
15 マゼンタを製造する工程における業務による尿路系腫しゆ 瘍よう
16 コークス又は発生炉ガスを製造する工程における業務による肺がん
17 クロム酸塩又は重クロム酸塩を製造する工程における業務による肺がん又は上気道のがん
18 ニッケルの製錬又は精錬を行う工程における業務による肺がん又は上気道のがん
19 砒ひ素を含有する鉱石を原料として金属の製錬若しくは精錬を行う工程又は無機砒ひ素化合物を製造する工程における業務による肺がん又は皮膚がん
20 すす、鉱物油、タール、ピッチ、アスファルト又はパラフィンにさらされる業務による皮膚がん
21 1から20までに掲げるもののほか、これらの疾病に付随する疾病その他がん原性物質若しくはがん原性因子にさらされる業務又はがん原性工程における業務に起因することの明らかな疾病
八 長期間にわたる長時間の業務その他血管病変等を著しく増悪させる業務による脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、高血圧性脳症、心筋梗塞、狭心症、心停止(心臓性突然死を含む。)若しくは解離性大動脈瘤りゆう又はこれらの疾病に付随する疾病
九 人の生命にかかわる事故への遭遇その他心理的に過度の負担を与える事象を伴う業務による精神及び行動の障害又はこれに付随する疾病
十 前各号に掲げるもののほか、厚生労働大臣の指定する疾病
十一 その他業務に起因することの明らかな疾病
参考になった:3人
poo_zzzzz 2017-12-14 07:25:29