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法令上は、受給資格の要件を満たした時点で(つまり被保険者期間の条件を満たした時点で)通算できなくなります。
昭和の地裁判決ですが、それを肯定した司法判断もあります。

しかし、パートタイマー等が被保険者となる雇用の条件が、1年から6か月、そして31日へと改正(31日への改正は平成22年)された過程で、法改正をせずに厚労省は行政手引(雇用保険業務取扱要領)だけ書き換え、「最新の離職票に係る被保険者となった日前に当該被保険者が受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格の決定を受けたことがある場合」としたのです。

このため、法令上は受給資格の要件を満たした時点で通算不可のはずだったのですが、行政手引の書き換えにより、受給資格の決定を受けていない限り通算可となっています。

先に書いた地裁判決では、国は法令の書かれ方を盾に通算不可を主張して勝っていますから、勝手なものですが・・・

ただ、実情としてやむを得ない面はあるのです。

パートタイマー等が被保険者となる雇用の要件が、1年以上の雇用見込みだった時代であれば、誰しも自分が受給資格を満たしたかどうかは、離職時点で分かったはずです。
しかし、今は31日以上です。例えば4か月パートタイマーで働き、2か月無職で、6か月パートタイマーで働き、4か月無職で、3か月働いて離職した場合、この者は受給資格の要件を満たしてしまいます。
しかし、本人は意識していない可能性が高いですから、そのまま4か月くらい無職で、またパートで働いて6か月で辞めるかも知れません。
この場合に「受給資格の要件を満たした時点で通算できない」とすれば、この者は前回の離職による基本手当しか受給できず、受給期間はもう2か月しかないのです。これはひどいと思いませんか?

つまり、被保険者となる雇用の要件を緩和したために、「受給資格の要件を満たした時点で通算できない」の規定は運用が難しくなったのです。
このため、法令の規定はそのままで、行政手引で「受給資格の決定を受けたことがある場合」としたのですが、法6条を改正した時に、一緒に改正できなかったのですかねぇ・・・



受験対策としては、内容が「受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格の決定を受けたことがある場合」で、法の表記は「受給資格、高年齢受給資格又は特例受給資格を取得したことがある場合」であると理解するしかないと思います。

前者だけでは選択式で危険ですし、法の表記のままの問題は択一式でも出題の可能性があります。法の表記のままの肢は原則的に正です。

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poo_zzzzz 2018-02-20 22:07:12



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