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あらためて介護保険法、同施行令等を読んでみましたが、特別徴収の対象に老齢厚生年金は含まれておらず、
また、特別徴収の有無を決定する「18万円」の計算にも老齢厚生年金の額は含まれないと解釈するのが妥当であるように思います。
日本年金機構ホームページの市町村担当者向けの説明でも、「老齢厚生年金は天引きの対象とはなりません。」と明記されていますね。
http://www.nenkin.go.jp/faq/jukyu/kyotsu/kaigo-choshu/20140421-03.html

結論としては、老齢厚生年金を標準として租税その他の公課を課すことができるので、
「全額が……」の部分が決定的な誤りという判断になるかと思います。

ただ、以上を踏まえて平26問7Bを読んだとき、「全額が受給権者に支払われる」は、
類似の表現を含めて厚生年金保険法には出てこない言い回しであり、作題の意図するところが不明瞭である感は否めません。
この大問では、A~Eがそれぞれ「○○年金は、××の取扱いができる(できない)。」という簡易な文構成で統一されていますが、
Bにだけ、「全額が受給権者に支払われることとされており、」という不自然な言い回しが付け加えられていますからね。

完全に憶測の域ですが、本問は当初、
「老齢厚生年金として支給される金銭から、介護保険の保険料を控除して支払われることはない。」(想定解:×、実際の法令上は○)
という問題だったのではないでしょうか。

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towalion 2018-02-27 23:14:12

私自身、平成26年にこの問題を解いた時、疑義のある肢であると考えていました。

しかし、この問は五者択一で正しい肢を選べでしたからね。
Eの肢が正ですから、Bは誤である要素が少しでもあればよく、例えば法のレベルでは老齢厚生年金からも介護保険料を源泉徴収できる、とか、理屈の付け方はあり、試験問題としては、まあ、ありかな?という肢だと、その程度に浅く考えていました。



いま、改めてこの問全体を5肢並べてしっかり見ると、この問全体は「租税公課」や「担保・差押」の問題ですから、towalionさんもおっしゃっているように、所得税の源泉徴収がありえるから、「全額」が「受給権者に支払われる」の部分が誤、というのが、この肢の論点のようです。

そしてその線から作問者の立場に立って考えると、この論点で素直に作問すると「老齢厚生年金として支給される金額は、全額が受給権者に支払われることとされており、所得税が控除されて支払われることはない」という問題になってしまうのですね。

作問者は、問全体を見た時に「ちょっとこれでは易しすぎるな」と思ったのでしょう。

先に書いたように、この問全体は「租税公課」や「担保・差押」の問題ですから「老齢厚生年金として支給される金額は、全額が受給権者に支払われることとされている」でも、所得税の源泉徴収があり得る以上、誤になり得る肢です。

難しくするなら、そのあたりで止めておいてくれたらいいのに、目くらましで「そこから介護保険の保険料を控除して支払われることはない」と念押しで正しい要素を混ぜてきたために、論点が非常に分かりにくい肢になっています。

肢としてはひっかけすぎで悪問だと思いますし、一問一答で論じるべき肢ではないように感じます。

ただ、問で考えるとね、何度も書きますがこの問全体は「租税公課」や「担保・差押」の問題ですからね。

肢だけではなく、問も見なさい、と、言っているのかな?と、いまさらながら新鮮な思いがあります。

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poo_zzzzz 2018-02-28 10:12:38

E肢を正しいと見極められれば、A~D肢に多少自信がなくても正解できる問題です。
そのE肢は固有名詞を知っておく必要がある点でやや難度が高いですが、
その辺も含めて、難易度調整の過程、B肢の妙な問題文が出来上がったという推論は私も同意見です。

もっとも、老齢基礎年金と老齢厚生年金(第1号厚生年金被保険者期間に基づくものに限る)は、
実務上は同一の年金コードで受取機関に振り込まれ、源泉徴収(天引き)も行われますからね…。
本問が一元化前の出題であることを考えると、
実務の肌感覚がある人ほど、「老齢厚生年金から介護保険料の特別徴収が行われる」と書かれても、
パッと見ただけでは違和感は持たなかったのではないかと思います。
(かく言う私自身、この質問を拝見して興味を持つまで、疑ったこともありませんでした)

介護保険料の控除が行われるか否かという論点は、厚生年金保険法の問題でありながら
介護保険法施行令の細部の規定に根拠があり、厚年法41条2項の通常の学習の範囲を逸脱しています。
私は、前述ように「実務の肌感覚で、『介護保険料を徴収できるから×』」という思考をすることを、
たとえ法令にはそぐわなくとも、許容している問題であるというふうに映りました。

同種の意図を感じる問題は、今すぐに具体的に指摘はできませんが、他にも当たった覚えがあります。


とはいえ、「全額が受給権者に支払われることとされている」は、やはり引っかかる表現ですね。
厚年法で「全額」という言葉が出てくるのは、支給停止額の範囲を指す場合が大半です。
どちらかといえば、年金額を計算する段階で使われる概念であり、法の条文に馴染んでいる人ほど、
実際の支払という状況にこの言葉が使用されることに違和感を覚えるのではないでしょうか。


なお、揚げ足取りで恐縮ですが、
「老齢厚生年金として支給される金額は、全額が受給権者に支払われることとされており、
 所得税が控除されて支払われることはない。」
という設問であると、
C肢「老齢厚生年金として支給を受けた金銭を標準として、地方税を課すことはできない。」と
題意がほぼ丸被りになります(所得税と住民税を2肢使って別々に問うほどの論点ではありません)。
推敲前の原形がこのタイプの形だったというのは、考えにくいかと思います。

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towalion  2018-02-28 23:20:23

いや、揚げ足取りとは思いませんが、私は「作問者は、問全体を見た時に「ちょっとこれでは易しすぎるな」と思ったのでしょう。」と書いています。

問全体で見た時に、ですからね(笑)
他の肢も含め問全体を考えて、と、いう意味ですよ。
どちらが先に作問されて、どのように推敲されたかということはもちろん、この問の作問者が一人かどうかということや、作問過程でいくつの肢が候補にあったのかということすら、我々には分からないのじゃないですか?

私自身は平成26年に問題を解いた時に、「あれ?おかしいなぁ?老齢厚生年金からは控除できないはずだがなぁ」と思った覚えがある、というか、同業者とこの話をした覚えがあるので、私自身が問題の後半に違和感があったのは確かです。

ただ、その時には、先の回答にも書いたように、厚生年金法のレベルだけなら老齢厚生年金からも介護保険料を源泉徴収できるので、まぁ、理屈は付けられるしこれでもいいのか?と思って、前半には全く思いが至らなかったのも、また、確かです。
なぜかというと、towalionさんがおっしゃるように、税や保険料の控除を論点とする場合に「全額が支払われる」という表現に違和感があり、かつ後半の内容が??だったので「いい加減な問題を作りやがって」という思いが強く、しっかり全体の意味を考えなかったのではないかと思います。
先の回答で「「老齢厚生年金として支給される金額は、全額が受給権者に支払われることとされている」でも、所得税の源泉徴収があり得る以上、誤になり得る肢です。」と書きましたが、普通こう書かれたら支給停止の有無を考えますからね。より悪問になるのかも知れません。

作問者の意図が前半にあるのか、後半にあるのかは私には分かりませんが、いずれにせよ、一問一答で論じるべき肢ではない、と考えます。
試験問題としては、E肢だけで得点できますからね。

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poo_zzzzz  2018-03-01 00:12:13

あっ……、そうですよね。
読み誤りと思い込みか重なって、大変な失礼を申し上げました。

受験が長引くと、ある種の「試験問題マニア」みたいなものをこじらせてしまいます。
私の場合は、社労士試験に限らず、そんな癖があります。
周辺にあるものを精査もせずに勝手なことを思い込み始めると、今度のように誤った理解のまま暴走して何より自分にとって有害にもなるので、気をつけます。

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towalion  2018-03-01 03:27:21

質問させていただいた、smile2480でございます。

この度は、お忙しい中お返事をいただき、誠にありがとうございました。

今回質問するにあたって、2017年の一問一答と2018年の五肢択一の過去問題集の解説を見比べ、「なぜH26-7Bについて解説が変わってしまっているの?」という思いが強くありました。
ですが、そこが大事なポイントではないことを教えていただきました。
その肢がたとえ悪問であったとしても、五肢全体で判断するのが大切だということを、再認識いたしました。

私自身は作問者の意図を考えるレベルにはまだまだ遠いですが、合格目指して日々努力を続けていきます。

本来ならばお一人お一人にお礼申し上げるべきところ、このような形になってしまい、申し訳ございません。

ありがとうございました。

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smile2480 2018-03-01 12:56:34



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