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本題に入る前に・・・
まず、資格の重複はあまり気にしない方が良いです。社会保険の資格が重複することはあり得ます。

例としては、都道府県・市町村の国民健康保険の被保険者は、健康保険の被保険者になった場合適用除外となり資格喪失ですが、都道府県・市町村の国民健康保険の被保険者資格を喪失するのは、健康保険の被保険者に該当した日の翌日です。
(国民健康保険法6条1号、8条1項)

つまり、「健康保険の被保険者に該当した日」は資格が重複しますが、実務的には、その日は、都道府県・市町村の国民健康保険は給付をしません。



後期高齢者医療制度の場合、条文の書き方としては、
・ 高齢者の医療の確保に関する法律52条
  後期高齢者医療広域連合が行う後期高齢者医療の被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日又は前条各号のいずれにも該当しなくなった日から、その資格を取得する。
  一 当該後期高齢者医療広域連合の区域内に住所を有する者(第50条第2号の認定を受けた者を除く。)が75歳に達したとき。
  (後略)
とあります。

「75歳に達したとき」は75歳の誕生日の前日の24時00分です。(年齢計算ニ関スル法律、民法143条)
これは75歳の誕生日の0時00分と同じ瞬間ですが、日は「誕生日の前日」です。
ですのでこの高齢者の医療の確保に関する法律52条本文の書き方が「次の各号のいずれかに該当するに至ったとき・・・からその資格を取得する」であれば、該当する「とき」は75歳の誕生日の前日の24時ですから、健康保険の被保険者資格は「その翌日に喪失」で矛盾はありません。
何度も書きますが75歳の誕生日の前日の24時と75歳の誕生日の0時は同じ瞬間で、しかし日は誕生日の前日です。このため75歳の誕生日の前日の23時59分59.9999・・・秒までは後期高齢者医療の被保険者ではなく、24時00分00秒に後期高齢者医療の被保険者となるのならば、誕生日の前日の24時は誕生日当日の0時と同じ瞬間であるため、実質的に後期高齢者医療の被保険者になるのは75歳の誕生日の当日であり、誕生日当日に被保険者となりその日に健康保険の被保険者資格を喪失することになるため、矛盾しないのです。
しかし高齢者の医療の確保に関する法律52条本文は「該当するに至った日・・・からその資格を取得する」とあります。
このため、条文上は75歳の誕生日の前日は朝から後期高齢者医療の被保険者のはずで、1日資格が重複します。

しかし、例えば大阪府後期高齢者医療広域連合のQ&Aには、次のように明記されています。

--Q--  後期高齢者医療制度の対象(被保険者)となるために手続きが必要ですか?
--A--  75歳になる誕生日当日から、後期高齢者医療制度の対象(被保険者)となりますが、加入に際して手続きは必要ありません。

つまり、実務的な扱いとしては、75歳の誕生日の前日まで健康保険の被保険者として扱われます。



さて、本題です。
お尋ねの箇所の理解の順序は、

(1) 75歳の誕生日の前日の24時に75歳に達したことにより、その日(75歳の誕生日の前日)に後期高齢者医療の被保険者となった
(2) 後期高齢者医療の被保険者は健康保険法3条7号に該当する
(3) 健康保険法3条各号(7号も含む)に該当すると、3条但し書きにより健康保険の被保険者になることができない
(4) 健康保険の被保険者であった者が健康保険法3条但し書きに該当すると、「その翌日」に健康保険の被保険者資格を喪失する

という順序です。 ( (1)高齢者の医療の確保に関する法律52条 (2)(3)健康保険法3条 (4)健康保険法36条 )

条文の書き方としては75歳の誕生日の前日に資格が重複しますが、上記にあるとおり後期高齢者医療制度は75歳の誕生日の当日からしか対象にしないので、実務的な問題はありません。



最後に。
この質問広場はやま予備関係者だけではなく、誰でも回答者になれる場であるため、過去問に関する質問は、書籍のページや問題番号だけではなく、本試験の出題年、問題番号、肢番を書いていただけるとありがたいです。

参考になった:3

poo_zzzzz 2018-06-20 09:12:21

ご教授ありがとうございます。
スッキリいたしました!

最後のご指摘も、ありがとうございます。
以後、注意いたします。
m(_ _)m

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kmr358  2018-06-20 12:11:36



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