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実務と受験は切り分けて考える必要があります。

受験対策的には書かれているままに理解してください。それで十分です。

実務は難しいです。結果としてはあなたのおっしゃるとおりですが、考え方が難しいのです。



なぜ難しいかというと、労働契約的な意味での働くべき時間とそれに対する賃金とのバランスです。

月給で働く者は、法32条の原則においても、所定労働時間が176時間の月も、136時間の月も、同じ基本給ですよね?
さらに1年単位の変形労働時間制の場合、ある月の所定労働時間が200時間であったりするわけです。

例えばこの所定労働時間が200時間になる月に労働者代表の同意が得られない場合、法32条の原則は1週40時間1日8時間ですから、31日の月であっても理論上の最大値で177時間までしか所定労働時間にすることができません。所定労働時間は、法定労働時間の中にしかないからです。

ですから、あくまで法定労働時間の中での所定労働時間に対して所定の月給を支払うという考え方になり、労働時間200時間での所定労働時間は組めません。

このため、短くなった所定労働時間に対して所定の月給を支払い、それを超えた時間については、36協定に従って時間外労働の割増賃金を「その月に」支払うことになります。

簡単に言うと「200時間労働してもらって所定の月給を支払う予定だった」のが「より短い時間の労働で所定の月給を支払い、その時間を超えた時間については、さらにプラスして時間外労働の時間外労働の割増賃金を支払うことになった」という状態になるのです。

労働者から見れば、同じ労働時間で、割増賃金分だけ多くの賃金を受け取ることになります。

しかし、年間の所定労働時間で考えると、本来の年間の所定労働時間に比べ、20時間以上のマイナスになることになりますね?

先に述べたように、「月給」は、所定労働時間が176時間の月も、136時間の月も、同じ基本給です。これが成り立つのは通年かつ長期にわたって計画的に労働することが前提ですから、1年単位の変形労働時間制の、当初の労使協定による合意で定まった年間の所定労働時間が、結果的に短くなった場合は、やはり調整されるべきだと思います。

また、労働者代表は当初の1年単位の変形労働時間制には合意しているのですから、各区分された期間についても円滑に変形労働時間制が実施できるよう、誠実に対応する道義的義務があると思われます。事業主に非がある場合は仕方ないですが、細かな点で合意が出来ず、それにより使用者が余分な賃金を支払うことになるとすれば、労働者代表は恣意的に余分な賃金を獲得する力を持つことになりますね?

ですから、上記のようなことが起きうるのであれば、そのような場合の賃金調整について、あらかじめ就業規則等で定めておく必要があると思われます。

「月の所定労働時間労働した場合に所定の基本給を支払う」という一般的な概念では、この調整ができず、一工夫必要です。

そういった点が、実務の難しい点です。

参考になった:6

poo_zzzzz 2018-09-09 13:13:33

ご回答ありがとうございました。
もやもやしていたのが、解消できました。

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yidoch  2018-09-09 13:51:06



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