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国民年金法/老齢基礎年金の額(学生納付特例と全額免除期間との差について)
kouichi1401 2019-01-14 20:38:26
いつもお世話になっております。
テキスト65ページ一行目記載の内容につき質問させていただきます。法27条には満額の場合に算定月数に応じて年金額を求めるとあります。これは全額免除期間については二分の一に相当する月数になるとあります。一方学生納付特例の場合は65ページ一行目に年金額には反映されないとあります。これは全額免除期間が例えば4年ある場合、全額免除期間の場合は24ケ月が算定され、学生納付特例の場合は追納した実月数が算定されるということなのでしようか。ご教示いただきたくよろしくお願いいたします。
うーん、なぜ全額免除の場合は追納を行わない前提で、学生の納付特例の場合は追納を行う前提で話されるのでしょうか?
追納がない、という前提でお話しします。
もともと、学生の納付特例の期間(若年者の猶予の期間は法附則により学生の納付特例の期間と同じ扱いです)は、他の保険料免除期間と同様に、国民年金法上は「保険料免除期間」です。
ですので、障害基礎年金や遺族基礎年金の保険料納付要件を問う場合は、他の保険料免除期間と同様に扱われます。
しかし、老齢基礎年金については、法附則により保険料免除期間とはみなされず、合算対象期間になります。
合算対象期間は、老齢基礎年金の受給要件(10年)を見る場合は含めることができますが、老齢基礎年金の額の計算には含まれません。
つまり、質問者の方の疑問は、学生の納付特例の期間の取り扱いについての理解が浅いことから生じています。
学生の納付特例の期間は、国民年金法全体では保険料免除期間ではあるけれども、老齢基礎年金においては「保険料免除期間にならず、合算対象期間である」という点をしっかり理解する必要があります。
老齢基礎年金については、学生の納付特例の期間は保険料免除期間ではないのですから、保険料全額免除期間と並べて考えること自体、意味がありません。
保険料免除期間であれば、それぞれの免除の状況に応じて、老齢基礎年金の額に反映します。
全額免除の場合は額に反映せず、4分の3免除の場合は4分の1が反映し、半額免除の場合は2分の1が反映し、4分の1免除の場合は4分の3が反映します。
また、老齢基礎年金はその半額が国庫負担ですから、国庫負担分を加えると、全額免除の場合は2分の1が額に反映し、4分の3免除の場合は8分の5が反映し、半額免除の場合は4分の3が反映し、4分の1免除の場合は8分の7が反映します。
学生の納付特例の期間は、老齢基礎年金においては保険料免除期間ではなく、合算対象期間ですから、このどれにも該当しません。
学生の納付特例の期間は、老齢基礎年金の「年金額の計算においては」滞納と同じです。
なぜ、こうなっているかというと、現状として学生の時期や若年期に保険料を滞納し、無年金になる者が多い、ということへの対策があります。
低所得世帯に属する者については全額免除等の制度があり、これについては将来の老齢基礎年金の額にそれぞれの率で反映するのですが、学生や若年者についてはそれよりも高い所得のある世帯でも(学生については本人の所得だけで)保険料免除を受けられることとし、これによって障害や遺族の年金の権利を確保すると共に、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たしやすくして、無年金を防ぐというのが制度趣旨です。
ただ、学生や若年を理由として、本来の免除制度に比較して所得要件が緩い特例的な措置であることから、老齢基礎年金の受給資格期間には反映するが年金の額には反映しない制度になっています。
簡単にまとめると、
・滞納すると、保険料納付済期間にも保険料免除期間にも合算対象期間にもならず、障害基礎年金や遺族基礎年金の保険料納付要件の計算に入らず、老齢基礎年金の受給資格期間の計算に入らず、老齢基礎年金の額の計算の基礎にもならない。
・学生の納付特例の期間(若年者の猶予期間も同じ)は、国民年金法上は保険料免除期間であり、障害基礎年金や遺族基礎年金の保険料納付要件の計算に入る。しかし、老齢基礎年金においては保険料免除期間ではなく合算対象期間であり、老齢基礎年金の受給資格期間の計算には入るが、老齢基礎年金の額の計算の基礎にはならない。
・学生の納付特例の期間以外の保険料免除期間は、障害基礎年金や遺族基礎年金の保険料納付要件の計算に入り、老齢基礎年金の受給資格期間の計算に入り、免除の内容に応じて老齢基礎年金の額の計算の基礎になる。
なお、老齢基礎年金の規定以外の国民年金法の規定では、学生の納付特例の期間(若年者の猶予期間も同じ)は保険料免除期間ですから、追納についての扱いは保険料全額免除期間と同じであり、学生の納付特例の期間も、保険料全額免除期間その他の保険料免除期間も、それぞれに必要な追納をすれば保険料納付済期間になります。
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poo_zzzzz 2019-01-15 09:41:46
すみません、私の説明の「しかし、老齢基礎年金については、法附則により保険料免除期間とはみなされず、合算対象期間になります。」の部分が間違っています。
正しくは「しかし、老齢基礎年金の額の計算においては保険料免除期間から除かれており、老齢基礎年金については、あたかも法附則の合算対象期間と同じような扱いを受けます。」です。
老齢基礎年金の受給資格や年金額を考える場合は、学生の納付特例の期間は合算対象期間と同様に考えて差し支えないので、うかつなことを書きましたが、法の規定としては、学生の納付特例の期間は、老齢基礎年金の額の計算の保険料免除期間から除かれているだけです。
学生の納付特例の期間が、法の規定で合算対象期間とされているのではありません。
間違った回答をしてしまい、ご迷惑を掛け申し訳ありません。
また、その観点から読み返すと、質問者の方は、老齢基礎年金の額の計算における学生の納付特例の期間と保険料全額免除期間の違いを理解された上で質問されていますので、「理解が浅い」と蒸し上げた点についてもお詫びします。
先の回答を、下記のように全面的に訂正します。
------------------------ 以下前回の回答の訂正 ------------------------
もともと、学生の納付特例の期間(若年者の猶予の期間は法附則により学生の納付特例の期間と同じ扱いです。以下同じ)は、他の保険料免除期間と同様に、国民年金法上は「保険料免除期間」です。
ですので、障害基礎年金や遺族基礎年金の保険料納付要件や、老齢基礎年金の受給資格を問う場合は、他の保険料免除期間と同様に扱われます。
しかし、老齢基礎年金の額の計算については、保険料免除期間から除かれています。正確に言うと、保険料全額免除期間から除かれており、かつ、学生の納付特例の期間についての別の定めがありません。
先に書いたように老齢基礎年金の受給資格をみる場合はこれに含めることができますから、老齢基礎年金については、学生の納付特例の期間は、あたかも合算対象期間のような扱いになります。
なぜ、こうなっているかというと、現状として学生の時期や若年期に保険料を滞納し、無年金になる者が多い、ということへの対策のための制度であるからです。
低所得世帯に属する者については全額免除等の制度があり、これについては将来の老齢基礎年金の額にそれぞれの率で反映するのですが、学生や若年者についてはそれよりも高い所得のある世帯でも(学生については本人の所得だけで)保険料免除を受けられることとし、これによって障害や遺族の年金の権利を確保すると共に、老齢基礎年金の受給資格期間(10年)を満たしやすくして、無年金を防ぐというのが制度趣旨です。
ただ、学生や若年を理由として、本来の免除制度に比較して所得要件が緩い特例的な措置であることから、老齢基礎年金の受給資格期間には反映するが、年金の額には反映しない制度になっています。
老齢基礎年金は受給資格期間を満たさなければ支給されませんから、受給資格期間を満たせるかどうかは今でも大きな問題ですが、特に、平成29年の改正前の受給資格期間は10年ではなく25年でした。
このため、老齢基礎年金の額には反映しなくても、受給資格期間に含めることができる、ということだけで、学生の納付特例の期間にはとても大きな意味があったのです。
そのような制度趣旨ですから、学生の納付特例の期間を保険料全額免除期間と並べて考えること自体、あまり意味がありません。
保険料免除期間はそれぞれの免除の状況に応じて、老齢基礎年金の額に反映します。
全額免除の場合は額に反映せず、4分の3免除の場合は4分の1が反映し、半額免除の場合は2分の1が反映し、4分の1免除の場合は4分の3が反映します。
また、老齢基礎年金はその半額が国庫負担ですから、国庫負担分を加えると、全額免除の場合は2分の1が額に反映し、4分の3免除の場合は8分の5が反映し、半額免除の場合は4分の3が反映し、4分の1免除の場合は8分の7が反映します。
学生の納付特例の期間は、老齢基礎年金の額の計算においては保険料免除期間から除かれているため、このどれにも該当しません。
学生の納付特例の期間は、老齢基礎年金の「年金額の計算においては」滞納と同じです。
簡単にまとめると、
・滞納すると、保険料納付済期間にも保険料免除期間にも合算対象期間にもならず、障害基礎年金や遺族基礎年金の保険料納付要件の計算に入らず、老齢基礎年金の受給資格期間の計算に入らず、老齢基礎年金の額の計算の基礎にもならない。
・学生の納付特例の期間は、国民年金法上は保険料免除期間であり、障害基礎年金や遺族基礎年金の保険料納付要件の計算に入る。しかし、老齢基礎年金の額の計算においては保険料免除期間から除かれるため、合算対象期間と同様、老齢基礎年金の受給資格期間の計算には入るが、老齢基礎年金の額の計算の基礎にはならない。
・学生の納付特例の期間以外の保険料免除期間は、障害基礎年金や遺族基礎年金の保険料納付要件の計算に入り、老齢基礎年金の受給資格期間の計算に入り、免除の内容に応じて老齢基礎年金の額の計算の基礎になる。
なお、老齢基礎年金の額の計算の規定以外の国民年金法の規定では、学生の納付特例の期間は保険料免除期間ですから、追納についての扱いは保険料全額免除期間と同じであり、学生の納付特例の期間も、保険料全額免除期間その他の保険料免除期間も、それぞれに必要な追納をすれば保険料納付済期間になります。
参考になった:2人
poo_zzzzz 2019-01-16 09:50:44