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労働保険徴収法/建設業の概算保険料について
schipperke 2020-02-10 00:21:54
唐突ですみませんが、概算保険料の納付、単独有期事業の場合を学習していて、一般保険料率が労災保険のみなので、雇用保険はどうなるのだろうと、こんがらがってしまいました。次のような理解でよいかお教え下さい。
前提
A建設は建設業(特定法人でない)で、2000年から事業を行っている
今般、次の受注をした
請負金額:2億円
事業の種類:その他の建設事業
現場:仙台。仙台事業所の5名と、下請けを使うこととした
工期:2020年4月1日~5月31日まで(3月31日と6月1日は全社的に仕事がないものとする。大阪事業所で行う仕事は未だ受注の見込はたっていない)
下請けへの発注金額:1億9千万円
従業員:東京本社事務員10名(事務のみ)、仙台事業所5名(作業員)、大阪事業所5名(作業員)、日雇いはいない、全員雇用保険対象
注文主からの支給品、貸与品:なし
賃金:1人あたり20万円/月(事務も現場も)
特別加入:2000年当初から事業主(本社に常駐)が特別加入、給与基礎日額2万5千円
備考:従業員も賃金も特別加入も、全て昨年と同様とする。昨年は大阪事業所の仕事の受注は0だった。
労務費率:その他の建設事業24%とする
労災保険率:その他の建設事業15/1000、その他の各種事業3/1000とする
雇用保険率:建設の事業12/1000(うち事業主負担分8/1000)、一般の事業9/1000(うち事業主負担分6/1000)とする
【A建設が労働保険で納付する概算保険料の金額と納期限】
東京本社
[原則の額]一元適用の継続事業(事務というその他各種事業・一般の事業)のため、賃金総額×一般保険料率:10名×20万円×12カ月×(雇用保険率9/1000+労災保険率3/1000)=24,000,000円×12/1000=288,000円
[特別加入料の額]25,000円×365日 (=9,125,000円)×第1種特別加入保険料率その他各事業3/1000=27,375円
[合計]315,375円を7月10日までに納付しなければならない
仙台事業所
[原則の額]①その他の建設事業は単独有期事業なので、賃金総額×一般保険料率:(従業員5名×20万円×2カ月 + 下請け労務費190,000,000円×24%)×労災保険率その他の建設事業15/1000=(2,000,000+45,600,000)×15/1000=714,000円
②建設事業は継続事業なので、賃金総額×一般保険料率:従業員5名×20万円×12カ月×雇用保険率9/1000=12,000,000円×9/1000=108,000円
[合計]714,000円を4月21日(4月1日の翌日起算20日以内)、108,000円を7月10日までに納付しなければならない。
大阪事業所
[原則の額]
建設事業は継続事業なので、賃金総額×一般保険料率:従業員5名×20万円×12カ月×雇用保険率9/1000=12,000,000円×9/1000=108,000円
[合計]108,000円を7月10日までに納付しなければならない。
なお、仙台事業所と大阪事業所の雇用保険に係る建設事業は、仙台か大阪の都道府県労働局長に申請し認可が下りれば、一括ができる。(継続事業の一括)
何卒宜しくお願い致します
まず、継続事業に関しては、合計金額は合っていますが、次の2点で間違っています。
まず、建設の事業を行う事業所ですから、二元適用事業になります。このため、現実には1つである継続事業を、労災保険に係る労働保険関係が成立している事業と、雇用保険に係る労働保険関係が成立している事業の、2つの事業があるものとして考えなければなりません。
2点目は、継続事業は、法律上当然には一括されません。このため、原則的には、東京、仙台、大阪・・・の継続事業を、それぞれに、労災保険に係る労働保険関係のみが成立している事業と、雇用保険に係る労働保険関係のみが成立している事業が、2つづつあるのだと考える必要があります。
話が難しくなるので、東京本社を指定事業所とし、他のすべての事業所を被一括事業所として、継続事業の一括が行われているとして説明します。
この場合、労災保険に係る労働保険関係が成立している事業がそれぞれ一括され、雇用保険に係る労働保険関係が成立している事業がそれぞれ一括されます。
賃金総額の見込額1億2千万円、特別加入に係る給付基礎日額25,000円で1名通年加入として、特掲事業の扱いで考えるなら、
■ 労災保険に係る労働保険関係が成立している事業の概算保険料
(1) 一般保険料 120,000千円×3/1000=360,000円
(2) 特別加入保険料 9,125千円×3/1000=27,325円
■ 雇用保険に係る労働保険関係が成立している事業の概算保険料
(3) 一般保険料 120,000千円×12/1000=1,440,000円
のようになります。
合計金額は質問された方の金額で合っていますが、保険関係の成り立ちの根本的な部分の認識に誤りがあるようにみえますので、今一度テキストと突き合わせて確認してください。
また、実務で言うと上記のようにならない場合があります。
今から書くことは、受験対策としては要らないですが、知っていると、「建設の事業はなぜ継続事業も含めて二元適用扱いなのか」が理解しやすいと思います。
まず、第一に、建設会社の事業所の中には、その事業所で雇用される者を建築現場に出さない事業所があります。
仮に10の事業所を持つ建設会社で、現場作業員が雇用されるのがそのうちの8つで、残りの2つは事務員のみで建築現場に出る者がいない場合、この2つの事業所は特掲事業とする必要がなく、雇用保険料を9/1000にすることができます。
また、現場作業員が雇用される事業所では、逆に労災保険に係る労働保険関係の賃金総額をコントロールします。
現場作業員が1年を通じてほぼ建築現場に出続けで、朝の集合と機材の準備、そして夕方に機材を後片付けして日報を書くためだけに継続事業である事業所へ毎日合計1時間だけ立ち寄るとするなら、1日8時間労働であれば、その者に支払われる賃金の内、労災保険に係る労働保険関係お賃金総額に算入すべきは、例えば8分の1だけでいいのです。
建築現場に出ている社員については有期事業に係る労働保険料を支払いますから、そのようにしないと、同一人の賃金を、継続事業と有期事業で二重計上することになりますからね。
この場合でも雇用保険に係る労働保険関係の賃金総額へは、その者の賃金の全額を算入します。これが有期事業で雇用保険に係る労働保険関係の保険料を扱わない理由です。
建設現場で「使用」されている労働者でも、その現場で「雇用」されているのではなく、各労働者の使用者の継続事業で「雇用」されているのです。
結果として、労災保険に係る労働保険関係が成立している事業と、雇用保険に係る労働保険関係が成立している事業で、現実には1つである継続事業の賃金総額が異なることになります。
これが、建設会社の継続事業(本社、支店、営業所等)が、通常は「その他の各種事業」扱いで労災保険率が3/1000であるにも関わらず、二元適用とさせている大きな理由です。
次に有期事業です。
基本的なお考えは合っていますが、このように自社の社員と下請の社員を分けた扱い方はしませんし、また、おそらくはできません。
また、「自社の社員の賃金は簡単に算定できる」と思いますか?よく考えてください。
工務店は、通常複数の現場を抱えます。社員もそれぞれ職務があります。
すると、ある職務を持つ社員を、1月間、1つの現場に朝から晩まで張り付けっぱなし、とは、限らないでしょう?
むしろ、ある日はこの現場に行き、次の週は別の現場、またその次の週は元の現場になることが多いかも知れません。
また、建設の事業、というと、大げさに考えてしまいますが、簡単な道路の補修や、例えば袖付看板の取り付けのように、半日で済む工事も「建設の事業」で、「有期事業」です。(有期一括の対象になります)
そのような場合に、その現場で働いた自社の社員の月給の内、どれだけがその有期事業に割り当てられたか、容易に分かりますか?
それに例えば袖付看板の取り付けであれば、金型を組み立て、アクリル板に切り文字を張り、金型にはめてトラックに積んで・・・という過程は有期事業になりません。「建物の壁に袖看板を取り付ける」ための一連の作業だけが有期事業になります。それに割り当てられた賃金だけを取り出すことは、ますます容易ではないでしょう?
余談ですが、この過程をクリアして、下請労働者の賃金も含めて、賃金総額で有期事業の労働保険料を申告納付することは、資料を揃えて書類を作成して労働局に説明するのが大変で、かなり難しいけれど、全く不可能という訳ではないようです。
それはさておき、有期事業の場合は「その工事現場での労働に直接関わった部分の賃金」を算定しなければならず、自社の社員であっても、決して容易ではありません。
それ以前のこととして、「賃金総額を正確に算定することが困難」の場合の扱いは、その有期事業全体について、原則通り賃金総額を使うのか、請負金額を使うのか、どちらかです。
先にも書きましたが、自社の社員と下請の社員を分けた扱い方はしませんし、そもそも、できないと思います。
このため、労務費率、労災保険率をご指定のとおり24%と15/1000を使用すると、有期事業は、
(4) 賃金総額 200,000,000円×24%=48,000千円
一般保険料 48,000千円×15/1000=720,000円
のようになります。
なお、単独有期事業の場合、その建築現場が独立した事業です。仙台事業所とは別の事業ですから、切り離して考えてください。
労働保険料を申告納付するのは「事業主」(つまり法人そのもの)ですから、これを扱うのは本社が多いのです。
しかし、申告納付の書類上の「事業主」を仙台事業所にし、仙台事業所で申告納付することには、実務上は問題はないと思います。
ただ、受験対策として、保険料を申告納付するのは、「事業主」であって、「事業」ではありませんから、そこは認識してください。
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poo_zzzzz 2020-02-10 02:45:56
早速のコメントありがとうございます。
えーっと、まず、夜中に最初の質問を修正されたのを、気づいていなかったことをお詫び申し上げます。
先の回答の作成に手間取って2時間くらいかかり、書いた後に質問の内容と合っているか確かめたのですが、その間リロードしていなかったので、修正前の質問でチェックしています。
その後も書いた回答を見直して、何度か手を入れたのですが、この時にはもう最初の質問を読み直すことがなかったので、結果的に修正前の質問に回答してしまっているようです。
このため、「事業は場所ごとに成立し、継続事業は当然には一括されない」という点と、一括の可能性に気づかれ、また(結果はおかしいですが)二元適用に配慮されて修正されたのに、その2点を誤りとして指摘してしまっています。申し訳ありません。
また事業所も、東京本社、仙台事業所、大阪事業所に限定されていますから、「大阪・・・」の・・・は不要ですね(笑)
ただ、修正されたことで、質問された方の考えかたの誤りが、より明確になっています。
東京本社、仙台事業所、大阪事業所が、「建設の事業の本社、支店等」として、「その他の各種事業」の継続事業となるのは正しいです。
しかしその場合でも、継続事業の一括をしないのであれば、東京本社、仙台事業所、大阪事業所のそれぞれの事業を、労災保険に係る労働保険関係が成立している事業と、雇用保険に係る労働保険関係が成立している事業が、2つづつあるのだと考える必要があります。
つまり、法律上は、計6つの継続事業があるのです。
そして東京本社、仙台事業所、大阪事業所のそれぞれの、労災保険に係る労働保険関係が成立している事業が一括可能であり、雇用保険に係る労働保険関係が成立している事業が一括可能ですから、継続事業の一括を行えば、法令上の継続事業の労働保険関係の数は2つになり、それぞれに申告納付を行います。
ただし、仙台事業所のみが建設現場で働く作業員を雇用していて、特掲事業(建設業、農業等で雇用保険率が別になる事業)であり、東京本社と大阪事業所はそうではないと考えるなら、継続一括できるのは東京本社と大阪事業所(対象事業所についてのお考えは正しいです)であり、仙台事業所は適用される雇用保険率が異なるために継続事業の一括の対象にはなりません。このあたりは実務上の扱いであり、法令はこの部分を明記していません。
その場合は、東京本社と大阪事業所の一括後の労災保険に係る労働保険関係と、東京本社と大阪事業所の一括後の雇用保険に係る労働保険関係と、仙台事業所の労災保険に係る労働保険関係と、仙台一括後の雇用保険に係る労働保険関係の、4つの継続事業の労働保険関係があることになり、それぞれに申告納付を行います。
有期事業については、先の回答でも書きましたが、有期事業は独立した一つの事業です。
仙台市内に建設現場があったとしても、仙台事業所で雇用される社員がその現場で工事に従事するとしても、仙台事業所とは労働保険上の関係はなく、有期事業は独立した事業として扱います。
言ってみれば、「仙台第2事業所」が成立したようなものです。
しかし、建設工事現場では、労働者を「使用」しますが、「雇用」はしません。
例え日雇労働者であっても、雇用するのは工事現場ではなく、事業主の継続事業であると考え、事業主の継続事業の雇用保険に係る労働保険関係の賃金総額でその者の賃金を計上します。
実を言うとね、徴収法の構造としては、有期事業でも雇用保険に係る労働保険関係を扱えるようになっています。
しかし、「そうしないお約束」なのです。このあたりも法令には明記がありません。
テキスト等には「有期事業では雇用保険に係る労働保険関係を扱わない」とか、シレッと書いてありますがね(笑)
考え方として、工事現場のような有期事業では、労働者を「使用」するが「雇用」せず、雇用するのは事業主の継続事業であると理解してください。
また、先の回答に書いたように、労働者が有期事業に従事する場合に、賃金総額に算入するのは「その事業に関わる賃金」です。
ですから、工事現場で働く作業員の場合、その者が雇用される継続事業では、雇用保険に係る労働保険関係の賃金総額ではその賃金を全額計上するが、労災保険に係る労働保険関係の賃金総額ではその賃金を部分的にしか計上しない、または勤務状況によっては全く計上しない扱いをします。
それによって、1人の労働者の賃金が、継続事業の労災保険に係る労働保険関係と、有期事業の労災保険に係る労働保険関係に二重に計上されることを防ぎます。
もちろん、実際の工事をほとんど下請けにさせていて、自社の社員は営業や設計、机上の管理が多く、現場に出る機会があまりないのであれば、二重計上の問題がほとんどないので、労災保険に係る労働保険関係の賃金総額でも、その賃金を全額計上する事業主もあるかもしれません。
でもね・・・(笑)
例えばタクシー運転手について、会社で事務や洗車をしているときと、タクシーの乗務中のときは、事故に遭う確率は相当に違いますが、それぞれ独立した事業として扱ったりしませんよね?
考えてみれば、一人の労働者が、性格や危険性の全く異なる複数の業務に就くことは普通にあり、徴収法は原則的にそれぞれを独立した事業としては扱いません。
このため例えば工場であれば、工場と事務所が明確に区分され、人的な行き来もない場合を除き、事務所も含めて1つの事業と考え、事務員も含めて労災保険率は製造業になるのが原則です。
徴収法の目的は「いかに合理的に、行政と事業主の負担を少なくして、適正に労働保険料を徴収するか」なので、このあたりは割り切っているのです。
しかし、法令に定められた有期事業がある場合は、労働保険上はその有期事業を独立した事業とするため、これに関わる労働者は複数の労災保険に係る労働保険関係で労働します。
この点で、労働者が有期事業に従事する場合は特別です。
この場合に賃金を二重計上するのはさすがに「合理的」ではなくなるのでね。実務では先に書いたような扱いを行うのです。
また、労働者がその雇用される(賃金が支払われる)事業所の事業主以外の事業主の事業所で働く(いわゆる在籍出向)の場合などは、有期事業の有無とは関係なく、この者の賃金額を出向元が出向先に通知し、この者の賃金額は、雇用保険に係る労働保険関係では出向元の賃金総額に計上するが、労災保険に係る労働保険関係では出向先の賃金総額に計上します。
出向は「二重の労働契約関係」であり、派遣とは異なり労災事故があった時に補償義務を負うのは出向先ですからね。労災保険に係る労働保険関係は出向先で扱うのが合理的なのです。
有期事業に従事する労働者と似ていますね。
これらの説明は、テキストにはない実務上の考え方と取り扱いを含んでいますが、「なぜ建設業の本社や支店が二元適用になるのか?」や、「なぜ有期事業で雇用保険関係を取り扱わないのか?」を含め、考え方を肌感覚で理解するためには、必要な説明だと思います。
その意味で、いまは覚える必要はない説明も含んで、知っていて損はないと思います。
長々と説明しましたが、徴収法の扱う内容って、ほんとうに実務的なんです。
しかし、法令の書き方は、嫌になるほど論理的です。
また、徴収法が成立した昭和40年代後半あたりの旧労働省のお役人は理想家肌です。このことは労災保険法を読んでいても感じます。
このため、「事業で使用する労働者は、すべて労災保険の適用を受け、雇用保険の被保険者なんだぁ!」などと考えて、一元適用を原則として法律を書いてしまいました。
実際、アルバイトも短時間パートも使用しない事業所は、20人くらいまでの小規模事業所なら多いですがが、それ以上ではとても少ないのです。
このため労災保険に係る労働保険関係の賃金総額と、労災保険に係る労働保険関係の賃金総額は、異なるのがすべての業種の事業で当たり前であり、二元適用となるべきなのに、建設業等の一部の事業を除き、一元適用事業の扱いにしています。
このため、多くの一元適用事業の場合、申告書に「労働保険料」の欄ははあるのですがここの賃金総額は空欄で、その下に労災保険と雇用保険に分けて賃金総額を記入してそれぞれの保険料を計算し、2つの保険料の合計を「労働保険料」の保険料欄に転記するということをしますから、「労働保険料」欄だけ見ると、賃金総額がないのに保険料が載っているという奇妙な申告書になります。
つまり、一元適用事業の申告も、多くの場合は申告書に書く内容が二元適用事業と同じなのです。一元適用事業と二元適用事業の違いは、実務的には、労働保険関係が1つか、2つかの違いと、申告・納付書が黒色の1枚で済むか、黒色と藤色の2枚を使うかの差でしかありません。
建設業ではほとんどの場合、これに一括有期事業の申告納付がありますから、一括有期事業報告書と一括有期事業の申告納付書が一括有期事業の業種の数だけ増え、そこに業種を整理する総括票が加わります。これは労災保険に係る労働保険関係の継続事業として、一括する事業所の継続事業とは別に独立して扱われます。
単独有期事業は、それぞれが独立した事業ですから、一つ一つの有期事業に、それぞれ独立した労災保険に係る労働保険関係が成立します。
また、「事業」と「事業主」は異なる概念です。事業は場所の概念であり、事業主は個人事業であれば個人事業主その人、法人であれば法人そのものを指します。
そして、労働保険関係は一括がなければ事業単位ですが、保険料を申告納付するのは、どこの事業であってもその事業主です。
このため、労働保険の成立届や申告書には「事業」と「事業主」を別に書く欄があります。
例えば東京本社の会社に大阪支店が成立した場合、事業は必ず大阪ですが、事業主は東京の本社を書くのが原則です。
余談ですが、成立届には事業主を書く欄が、押印欄を含めて3つあり、そのすべてに東京本社を書いて申告納付も東京本社でするのが原則ですが、大阪で申告納付の事務処理をしたければ、このうちOCRの事業主欄に大阪支店を書けば、申告納付書は大阪に届きます。
法令は実に論理的で堅いのですがね。実務は、実務をこなせるようにちゃんとなっていて、徴収法が理解しにくいのは、このギャップを法令が説明していないからです。
このため、徴収法の労働保険料の申告納付の部分は、実務で年度更新を数年やり、建設業のお客さんを1社持てば、受験勉強していたことが馬鹿馬鹿しくなるくらいに簡単に理解できます。
まぁ、いま、これを言っても仕方ないのですが・・・
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poo_zzzzz 2020-02-10 12:56:42
poo_zzzzzさま
まずは、ご回答いただくにあたって、大変な労力をおかけいただきまして、ありがとうございます。その中で、数字を含め大幅に修正してしまい、申し訳なく思っております。
嗚呼、私はまだまだ混乱している点がたくさんあります。なんとなく、ココが分からないと、徴収法は丸ごとわからないような気がしています。たぶん間違っていますが、現状の理解は次のとおりです。
1. 建設業なのに、東京本社を一元適用としてしまったところに誤りがある。東京本社も、雇用保険に係る労働保険関係が成立している事業と、労災保険に係る労働保険関係が成立している事業が、別個の事業として成立する。
2. 東京本社の労災保険率はその他の各種事業3/1000を適用する。東京本社は事務というその他の各種事業が継続しているため。(一方、1.で「建設業なのに」と言っている自分が矛盾しているようにも感じます)
3. そもそも、大阪事業所の労災保険が納まっていないところに誤りがある。
4. 仙台事業所、大阪事業所の労災保険率においてもその他の各種事業3/1000を適用する。仙台事業所も大阪事業所もA社に当該年度一括有期事業がない場合(すみません、前提にこの条件を入れていなかったことに今気が付きました!)であっても、事業が成り立っている以上、作業員のみではあるが日報等の事務もあることを鑑みやはりその他の各種事業が継続していると考える。(このへん、自分で言っていて、あやしい)
5. なお、一括有期事業がある場合は、作業員が存在する仙台事業所と大阪事業所の労災保険率は建設事業の種類毎に6.5/1000~62/1000が適用される。この場合東京本社を除いて、認可を受ければ、同じ種類の事業ごとに一括される。東京本社は事務のみのため、一括されない。(このへん、かなりあやしい)
6. 単独有期事業を、仙台事業所という場所的概念と、一緒にしているところに誤りがある。仙台事業所の作業員のみならず大阪事業所の作業員も駆り出されたら、この考えが誤りであることに気づく。
7. 設定した前提より、今般受注した事業は、有期であり、規模が大きい(請負金額2億円≧1億8千万円)ことから、(このほか他の事業とも工期がかぶっていないことからも)単独有期事業である。
8. 前提より、この事業は、その他の建設事業であるから、労災保険率は15/1000を適用する。(ここで、混乱しているのが、4.のその他の各種事業3/1000と労災保険が二重払いになっているのではないか、という点です)
9. この事業の賃金総額は下請けを使うこともあり、正確に算定することが困難であるため、請負金額(2億円)×労務費率(前提より24%)とする。(下請けを使っていない場合も同じ計算式でよいのでしょうか?←試験対策の場合)
10. 単独有期事業であるから、この事業には、雇用保険に係る労働保険関係は成立しない。本社で操られている出先だからである。
11. この事業は本社で管理しているので(前提に設定していませんでした)、保険料は本社が納付する。
12. 東京本社、仙台事業所、大阪事業所の雇用保険に係る一般保険料率を9/1000(一般の事業)としているところに誤りがある。12/1000(建設の事業)とすべき。
13. 特別加入は、社長(設定した前提では事業主としましたが、そうすると、A建設が法人の場合おかしくなるということに今気が付きました)が本社に常駐しており、この受注事業にのみ雇われた経営者等でないので、保険料は本社が納付する。労災保険率は2.と同様、3/1000を適用する。
14. 2.4.について、東京本社を指定事業所とし、仙台事業所、大阪事業所を被一括事業所として、継続事業の一括の認可をうけているものとする。(新たな前提)
以上より、改めて計算すると、
15. 労災保険に係る労働保険関係が成立している事業の概算保険料
① 一般保険料(継続事業の一括)→賃金総額見込額20万円×20名×12カ月×一般保険料率(労災保険率)=48,000千円×3/1000=144,000円
② 一般保険料(単独有期事業)→請負金額2億円×労務費率24%×一般保険料率(労災保険率)15/1000=720,000円
③ 特別加入保険料→9,125千円×3/1000=27,325円
16. 雇用保険に係る労働保険関係が成立している事業の概算保険料
④ 一般保険料→賃金総額見込額20万円×20名×12カ月×一般保険料率(雇用保険率)=48,000千円×12/1000=576,000円
17. よって、事業主(実務は東京本社)は、①+③+④=747,325円を、日本銀行(代理店である普通の銀行)を経由して、東京都労働局歳入徴収官宛てに、2020年7月10日までに納付しなければならない
18.合わせて、事業主(実務は東京本社)は、②=720,000円を、日本銀行(代理店である普通の銀行)を経由して、東京都労働局歳入徴収官宛てに、2020年4月21日までに納付しなければならない
以上、よろしくお願いいたします。
schipperke 2020-02-10 22:36:57
うん、頑張っておられますが、一番重要なことが、まだ腹に落ちていません。
それは、「事業」は場所の概念だということです。
例えば「東京本社」という「場所」では建設の作業をしません。クレーンも使いませんし、高所作業もしませんよね?
だから、建設業の会社ですが、労災保険率表の事業の種類は「建設事業」にはなりません。
理由は、その場所では建設の作業をしない、という、至極簡単な理由です。
製造業の会社において、本社と工場が離れた場所にある場合も同じなのですが、こういった場合の本社や支店は、「建設業の本社・支店」や「製造業の本社・支店」として、労災保険率表の事業の種類は、その多くが「その他の各種事業」になります。
労働保険の適用単位である「事業」と、労働保険料の申告納付の主体である「事業主」は、全く別のものであり、「事業」は場所の概念である、ということは、絶対に忘れてはいけません。
今回書かれているポイントの多くが、「事業は場所の概念」を押さえていないために、せっかく考えているのに土台がグラグラです。
仙台であれ、大阪であれ、その事務所の中で建設工事をしていないでしょう?
ですから、事業の種類が建設の事業にならないのは当然で、継続事業(その多くが「その他の各種事業」)であるのも当然なのです。
この「当然」が受け入れられないのは、その会社がやっている「建設事業」という「他の場所で成立する『独立した』事業」に、本社や支店を組み合わせようとするからです。
組み合わせる必要はありません。有期事業は、継続事業と関係なく独立した事業です。
継続事業は継続事業で、「そこで何をしているか?」だけを考えればいいのです。
ただ、建設の事業を行う会社の場合は、本社や支店のような継続事業(その多くは「その他の各種事業」)も含めて、二元適用で考えます。
これはなぜかというと、労災保険に係る労働保険関係の対象となる労働者の賃金と、雇用保険に係る労働保険関係の対象となる労働者の賃金が、大きく違うことが常態であり、労働保険関係を一元処理することに意味がないからです。
具体的に説明します。
ある工務店の本社に社員が10名雇われています。
7名が現場作業員で、3名が事務員です。賃金は年に300万円/人としましょう。
現場作業員は1日中工事現場に出ていて、毎日直行直帰で、指示も含めて全く本社の社屋に戻ってこないとしましょう。
とするなら、現場作業員の7名が本社で労働することはなく、本社で労災事故に遭うこともないですね?
と、するなら、この工務店の本社の労災保険に係る労働保険関係の賃金総額は、3名の事務員の900万円でよいのです。
現場作業員の2100万円は、本社の労災保険に係る労働保険関係の賃金総額に含める必要はありません。
ただ、実務的には現場作業員でも1年間全く本社で働かないことは少なく、例えば会議で本社に来たときなどにケガをする可能性はあるので、その程度に応じて、現場作業員の賃金の例えば8分の1とか、10分の1とかを本社の労災保険に係る労働保険関係の賃金総額に含めることが多いです。
この工務店の本社の雇用保険に係る労働保険関係の賃金総額はどうなるでしょう?
1日中工事現場で働く現場作業員は、有期事業である工事現場で1日中「使用されています」。
しかし、「工事現場で雇用されている」訳ではありません。
現場作業員は、日雇労働者も含めて、「その者の労働契約の存する継続事業で雇用されている」と考えます。
これはいわば「お約束」ですが、実務的にもそう考えた方が合理的です。
このため、この工務店の本社の雇用保険に係る労働保険関係の賃金総額は3000万円になります。
労災保険に係る労働保険関係の賃金総額と、雇用保険に係る労働保険関係の賃金総額が、大きく違うことがわかりますね?
このため、労災保険に係る労働保険関係の事業と、雇用保険に係る労働保険関係の事業を別の事業と考えた方が合理的なので、建設業を行う会社の場合、継続事業(その多くは「その他の各種事業」)である本社や支店も含めて、二元適用事業の扱いをします。
ただ、この二元適用となることの根拠を、法39条と則70条に求める場合、そこに書かれている「建設の事業」を、労災保険率表の「建設事業」と考えてしまうと、今のあなたのように混乱します。
建設の事業を行っている会社、程度におおまかに考えて対処してください。
さて、明日が早いので、その他に気づいたところだけ並べ書きします。
あなたの質問の回答にはなっていませんので、申し訳ないですが、もう一度ご自身で整理してください。
4と5ですが、ここでも「事業は場所の概念」が徹底していません。
大阪事業所の近くにある会社から、大阪事業所の営業が頼まれて建物の改修工事をしたとしましょう。
大阪事業所の近くであっても、これは大阪事業所とは関係のない、独立した有期事業です。
これを「大阪事業所で・・・」と考えることが、そもそも間違いです。
どこの事務所が受注した、とか、どこの事務所の者が作業するとかいうのは「商売」の話であって、労働保険には関係ありません。
あくまで有期事業は独立した事業であり、作業する労働者は、下請け孫請けも含めてどこの事務所で雇用されているのかに関係なく、「その有期事業で使用従属関係にある」ことでその有期事業の労災保険の適用を受けるのです。
この有期事業の規模が小さい場合、一括有期事業に該当する場合がありますが、その場合でもこの一括有期事業は、大阪事業所とは関係のない、独立した「継続事業」です。
もちろん「一括有期事業の事務を行う事業所」を大阪事務所にすることはできますが、これは事務をどこで行うかの問題であり、この場合でも一括有期事業は大阪事務所とは関係なく、独立した「継続事業」です。
改正により一括有期事業の地域制約がなくなりましたから、仮に一括有期事業の事務を大阪で行う場合、仙台や東京で行う小規模事業もすべて、大阪で事務を行う一括有期事業の関係に一括されます。
「○○事業所の有期事業」という考え方は、一括有期事業(継続事業)である場合も含めて、捨ててください。
6.は内容はいいですが、気づき方がどうかなぁ・・・
先に書いたように「事業は場所の概念」の基本が徹底していて、事業が北海道にあろうが沖縄にあろうが、申告納付義務は事業主にあるという基本が徹底していれば、そんなことを考えるまでもないはずです。
8の二重払いの問題については、先に書いたように、現場作業員の雇用される本社や支店の、労災保険に係る労働保険関係の賃金総額には、現場作業員の賃金を全額は算入せず、彼らが本社や支店の中で働く時間に応じて部分的に算入する、ということで、解決しませんか?これが理解できないと、二元適用が合理的であることも理解できません。
12ですが、先の回答に書いたように、その事業所に現場に出る社員(必ずしも作業員とは限らない。技術者なども含む)が全くいない場合は特掲事業にしないことができる(申し立てがいります)ので、その場合は雇用保険率を1000分の9にできます。これは実務です。また、これにより、継続一括の範囲が変わる場合があります。
また、計算式のところは中を見ていませんが、労災保険に係る労働保険関係の部分で、継続事業の一般保険料、有期事業の一般保険料、継続事業の特別加入保険料の順になっているのが「なんとなく」気になります。
継続事業の特別加入の保険関係はその事業の一般労働者の労災保険に係る労働保険関係に従属しますからね・・・
また、有期事業は、事業規模に応じて年度間にいくつ行われるのかわからず、また、いつ始まりいつ終わるのかもわからず、年度を跨ぐ工事も多いですから、年度更新による継続事業の概算保険料と同列で論じるのは違和感があります。
普通に理解しておられれば、有期事業は雇用保険に係る労働保険関係の、さらにその後に並べるような気がします。
有期事業は、その一つ一つが、東京本社とも、仙台事務所とも、大阪事務所とも、また一括された継続事業とも関係のない、独立した事業なのですからね。
もう一度書きますが、この回答は、あなたの質問の回答にはなっていません。時間がなく、申し訳ありません。
今一度整理してみてください。
また、最後の計算を含め、読み込めていない部分もあると思います。すみません。
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poo_zzzzz 2020-02-11 01:10:06
poo_zzzzzさま
お忙しい中、さらにご回答いただき、ありがとうございます。
今回のご回答をいただいて、次のように理解しました。
私の思い込みでなければ、迷いがとれました。
1. A建設は、適用事業の区分として、建設の事業に関して二元適用である。
(ただし、A建設が多角経営をしていて、例えばサービス業を行っていれば、その事業に関しては一元適用である)
2. 東京本社、仙台事業所、大阪事業所のどこにおいても、建設作業をしていない。建設作業は現場に出向いて実作業をするわけで、事業所内で行われるのは日報書きや事務などであり、事業が成り立っている以上生ずるものであるから、継続事業であり、労災保険率は、その他の各種事業3/1000を適用する。
3. これは、仕事(単独有期事業だろうが一括有期事業だろうが)の受注をしてようが、していまいが、関係ない。なぜなら、建設作業の実際の仕事は各現場で作業するからである。
4. 東京本社、仙台事業所、大阪事業所とも、継続事業で、かつ、労災保険率表の事業の種類が同じなので、認可を受ければ労災保険に係る労働保険関係を一括できる。
5. 社長の特別加入については、所属する本社に適用されている労災保険率と同一の率が適用されるから、3/1000が適用される。
6. 試験対策上、A建設は、東京本社、仙台事業所、大阪事業所のどこにおいても、継続事業であり、雇用保険率は、建設の事業12/1000を適用する。
7. 東京本社、仙台事業所、大阪事業所とも、継続事業で、かつ、労災保険率表の事業の種類が同じ(その他各種事業)なので、認可を受ければ雇用保険に係る労働保険関係を一括できる。
8. 6.にかかわらず、実務上は、東京本社は前提上事務しかいないので、申立てにより、特掲事業からはずすことができ、そのときは東京本社のみ雇用保険率が一般の事業9/1000となり、雇用保険に係る労働保険関係については、仙台事業所と大阪事業所を一括でき、東京事業所ははずれることになる。
9. 今般請け負った事業は、有期事業であり(徴収法の構造上は別として、試験対策上および実務上は)労災保険に係る労働保険関係についてのみ扱う。前提より、労災保険率はその他の建設事業15/1000を適用する。
10. 当該事業の賃金総額見込額は、賃金総額を正確に算定することが困難なものにあたり、試験対策上も実務上も、請負金額2億円×労務費率24%で算出する。
11. また、実務上は、当該請け負った事業について、賃金総額見込額を算出する際に、実態に応じて作業員の現場作業に係る以外の作業について差し引くこともある。(例えば1日8時間のうち1時間だけ事務作業にかかるような場合、賃金の1/8を引く、等。)こうすることにより、継続事業で計上されている労災保険料との二重払いを防ぐことができる。
12. 金額については、前回お送りしたものと同じになります。
こうしてみると、すでにご回答いただいて、読んでいるにもかかわらず読めていない部分が結構あり、ここまで来て初めて読めたという感想です。
まことにありがとうございます。
schipperke 2020-02-11 12:00:06
1ですが、「事業」は場所の概念ですから、同じ場所に成立する労働保険関係は、原則1つです。
このため、多角経営で複数の業種で営業していても、そこに成立する労働保険関係は、原則1つです。
建設業の本社が仮に同じ事務所と従業員で、例えば不動産業を営んでいた場合、その「事業」に適用される労災保険率表の事業の種類は1つであり、建設業の本社として「その他の各種事業」が適用されるのか「金融業、保険業又は不動産業」が適用されるのかは、それぞれの業務の規模等の実態によりますが、原則として成立するのはどちらかの労災保険率表の事業の種類が適用される1つの労働保険関係であり、複数の労働保険関係が成立することはありません。
これは理解できていますか?
ただし、住所が同じであっても、事務所や従業員が業務によって完全に分かれていて、実態として別の事業と判断される場合は、労災保険率表の事業の種類が「その他の各種事業」と「金融業、保険業又は不動産業」である2つの事業に分けて労働保険関係を成立させる場合はあり得ますが、こちらが例外です。
2,3に関しては間違ったことは書いていませんが、大げさに考えすぎです。事業は場所の概念、ただそれだけのことです。
ただね・・・
例えば運輸業であれば、運輸業の営業所では交通事故は起きないのです(笑)
「事業が場所の概念」というなら、厳密に言うなら運輸業の営業所も「その他の各種事業」になるはずなのです。
そうならないのは、考え方として、1台1台のタクシーやトラックを適用事業として考えることは現実問題として無理があり、徴収法がそういった事業の単位を持っていないために、それらを上位の事業とまとめて1つの事業と考えるためです。
しかし、建設業の場合は、現場作業がどんなに小さくても建設事業(有期事業又は一括有期事業)として、独立した「事業」となる「ルール」です。
このため、製造業において工場と本社が離れていれば、本社の労災保険率表の事業の種類が「その他の各種事業」になるのと同じ理屈で、建設業の本社・支店は「その他の各種事業」なのです。
11は間違っていますよ。「賃金総額を正確に算定することが困難」な場合に、労務費率を使う場合の賃金総額は結果をコントロールできません。
「その工事現場の作業にどれだけの賃金が割り当てられるか」が正確に算定できないために、労務費率を使うのですよね?
だったら、労務費率によって決まった賃金総額は「その現場の作業分の賃金」だけであり、現場作業以外の分の賃金は、はじめから含まれていない、と考えるのが合理的だと思いませんか?
実務上も、コントロールできるのは、現場労働者が雇用されている本社・支店等の、事務所の労災保険に係る労働保険関係の賃金総額だけです。
蛇足ですが・・・
1について書いていて思い出したのですが、そこに書いた理由で、建設業を行う会社の事務所が一元適用である場合があり得ます。
建設業と言っても範囲が広いのでねぇ・・・看板の取り付けや設備工事などで小さな工事も建設業になり得ます。
このため、例えば不動産業をしていた事務所が例えば設備工事に手を出した場合、業務として不動産業が主であれば事務所は不動産業で一元適用事業のままですが、設備工事のために一括有期事業の労働保険関係を成立させる必要があります。
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poo_zzzzz 2020-02-12 05:18:27
poo_zzzzzさま
何度もありがとうございます。
>1ですが、「事業」は場所の概念ですから、同じ場所に成立する労働保険関係は、原則1つです。このため、多角経営で複数の業種で営業していても、そこに成立する労働保険関係は、原則1つです。
→例外の方をメインに覚えてしまっていました。
>2,3に関しては間違ったことは書いていませんが、大げさに考えすぎです。事業は場所の概念、ただそれだけのことです。
→また迷いが出てきてしまいました。考えがなかなかシンプルなところに行きつかない現状です。
○○金属鉱山(株)の新宿営業所→現場(鉱山)が離れており場所が固定されている、新宿の事業はセールスと事務だけ→新宿営業所の労災保険率3/1000(その他の各種事業)
○○化学工業(株)の新宿営業所→現場(工場)が離れており場所が固定されている、新宿の事業はセールスと事務だけ→新宿営業所の労災保険率3/1000(その他の各種事業)
○○高速バス(株)の新宿営業所→現場(バス)が離れているが場所が動き、また現場(事業)の単位が小さすぎる→新宿営業所の労災保険率4/1000(交通運輸業)
○○ガス(株)の新宿営業所→現場(供給元)が離れており場所が固定されている、新宿の事業はセールスと事務だけ→新宿営業所の労災保険率3/1000(その他の各種事業)
○○倉庫(株)の新宿営業所→現場(倉庫)が離れており場所が固定されている、新宿の事業はセールスと事務だけ→新宿営業所の労災保険率3/1000(その他の各種事業)
○○林業(株)の場合、営業所でセールスと事務だけという業態はあまりない?→現場(立木の伐採)と別の現場(林野管理等)も分けて考える必要あり?(保険率は同じだが、有期事業と継続事業の違いがあるので、申告・納付の期限が異なる?)セールス・事務機能も現場にくっつていることが多い?→60/1000(林業)?
○○農業生産法人(株)の場合も、営業所でセールスと事務だけという業態はあまりない?→現場の場所は固定されている(ハウス農業の場合を想定)がセールス・事務機能もくっついている?!→13/1000(農業又は海面漁業以外の漁業)?
○○建設(株)の新宿営業所→現場(建設現場)が離れており、いろんな場所で事業が発生しては終了していき、建設の場合はそのひとつひとつを事業とする、新宿の事業はセールスと事務だけ→3/1000(その他の各種事業)
こうして分解してみると、各業種の業態を知らないと、その事務所もどの労災保険率を適用したらよいか分からないのかなぁと思ったりしています。上記考え方で合っているでしょうか?
>11は間違っていますよ。「賃金総額を正確に算定することが困難」な場合に、労務費率を使う場合の賃金総額は結果をコントロールできません。「その工事現場の作業にどれだけの賃金が割り当てられるか」が正確に算定できないために、労務費率を使うのですよね?
だったら、労務費率によって決まった賃金総額は「その現場の作業分の賃金」だけであり、現場作業以外の分の賃金は、はじめから含まれていない、と考えるのが合理的だと思いませんか?実務上も、コントロールできるのは、現場労働者が雇用されている本社・支店等の、事務所の労災保険に係る労働保険関係の賃金総額だけです。
→合理的です。
お忙しいところ恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
schipperke 2020-02-12 22:04:33
うーん、なんで業種にこだわるのですかね?
特殊なのは建設業と(有期事業となる)林業だけです。
林業は伐採業が有期事業で、植林等は継続事業ですが、継続事業であっても事業は場所の概念ですから、植林等を行っている場所で労働保険関係が成立します。
例えば○○林業のような会社の本社が、植林等を行っている山林から離れて東京23区内にある場合、この本社は原則的にその他の各種事業です。
バス会社
バスの運行の拠点(営業所等)となっている事業所が交通運輸事業で、その業務を行わない拠点(本社・支店・営業所等の名称は問わない)が他の場所にあるなら、原則その他の各種事業です。
ガス供給業
ガスを貯蔵し、整圧してパイプで送り出す業務を行っている事業所がガス供給の事業で、その業務を行わない拠点(本社・支店・営業所等の名称は問わない)が他の場所にあるなら、原則その他の各種事業です。
農業法人
農業を行っている農園等の事業所が農業で、その業務を行わない拠点(本社・支店・営業所等の名称は問わない)が他の場所にあるなら、原則その他の各種事業です。なお、農業法人のうち農業生産法人は法改正で農地所有適格法人という呼称になっているはずです。また、蛇足ですが(水耕栽培のように土を使わない農業は食品製造業に分類されます。
上記のように並べると、どの業種であっても、もうすでに2回書いている「製造業において工場と本社が離れていれば、本社の労災保険率表の事業の種類が「その他の各種事業」になるのと同じ理屈」で、難しいことはなにもないでしょう?
何度も言いますが、なんだか難しく考えすぎです。
あなたが書いているバス会社と倉庫会社の例を見ると、バス会社は新宿営業所がバス運行の事業拠点になっており、倉庫会社の新宿営業所は倉庫事業の事業拠点になっていませんが、それはあなたが勝手に決めたことで、それぞれの業種の本質とは関係ないでしょう?
あなたが、勝手に条件を変えて、「各業種によって違う」と言われても困ります。
バス会社の営業所が、バスの運行拠点と同じ場所でなければならないわけではなく、倉庫業の会社が、新宿で営業所と倉庫を兼ねた拠点を持っても良いわけでしょう?
そこは本質ではないのです。もう何度かいたか分かりませんが、「事業は場所の概念である」それだけです。
先の回答で運輸会社のことを書いたので混乱されたかも知れませんが、これは「一台一台のタクシーやバスやトラックは適用事業の扱いをせず(これはルール)、それらにおける業務は運行拠点となっている事業所の業務とまとめて一つの適用事業として扱う」というだけのことです。
これは「事業は場所の概念である」とは矛盾しません。単なる「線引き」に過ぎないからです。いくら「場所」で考えるといっても、どこかで線を引かないと、例えば「営業マンが社用車で移動中は別の事業なのか?」とか「得意先の社内で怪我をしたら、適用事業はどこなんだ?」とか言い出したら、「労働保険料を、軽い負担で適切に徴収する」という徴収法の意義がなくなります。
また、今は業種ごとの実態が分からないなら、分からないでいいのです。受験で「林業」と出たなら、その問題に適用される労災保険率は、林業のそれなのですから。
参考になった:2人
poo_zzzzz 2020-02-13 00:42:56
poo_zzzzzさま
ご回答ありがとうございます。
>上記のように並べると、どの業種であっても、もうすでに2回書いている「製造業において工場と本社が離れていれば、本社の労災保険率表の事業の種類が「その他の各種事業」になるのと同じ理屈」で、難しいことはなにもないでしょう?
わかりました!全くその通りです。
>特殊なのは建設業と(有期事業となる)林業だけです。
>先の回答で運輸会社のことを書いたので混乱されたかも知れませんが、これは「一台一台のタクシーやバスやトラックは適用事業の扱いをせず(これはルール)、それらにおける業務は運行拠点となっている事業所の業務とまとめて一つの適用事業として扱う」というだけのことです。
>また、今は業種ごとの実態が分からないなら、分からないでいいのです。受験で「林業」と出たなら、その問題に適用される労災保険率は、林業のそれなのですから。
これらが認識できて私にとって大きな進歩です。
本当にありがとうございます。
schipperke 2020-02-13 04:28:49