ニックネーム | *** 未ログイン ***
厚生年金保険法/未支給の保険給付
aokisan 2020-07-14 19:45:11
立て続けに申し訳ありません。
未支給の保険給付の具体的なところが掴めず困っています。
遺族厚生年金の受給権者である母がいて、その母が9月に死亡したとき、その継子は以下の2パターンの未支給の保険給付が請求できると思うのですが、合っていますか?
①ずっと受給し続けていた母の8月と9月分の遺族厚生年金
②母が裁定請求を行なっていたが、まだ支給決定に至っていなかったためもらえていなかった9月までの遺族厚生年金
また、2月23日に「転給と未支給の保険給付」のタイトルで労災保険の未支給についても質問させていただいています。
その折に以下のような事例を挙げていただきました。
『労働者が業務上の事由で令和元年7月30日に死亡し、その者に生計を維持する40歳の妻と65歳の母がある場合を考えると、その妻に対して令和元年8月分から遺族補償年金が支給されます。
ここまで、いいですね?
さて、下記の2つの例について考えてみてください。
(1) この妻は夫の死について労災保険からの支給があることを知らず、遺族補償年金を請求しないまま、この妻は令和元年12月に病気で死亡した。
(2) この妻は夫の死が労災事故であると知り、令和元年9月に労働基準監督署に遺族補償年金の請求を行ったが、遺族補償年金の支給決定が降りる前に令和元年12月に死亡した。
この(1)(2)の例では、共に転給により、令和2年1月より、被災労働者の母に遺族補償年金が支給されます。
さて、質問ですが、令和元年8月から令和元年12月までの分として支払われるべき遺族補償年金はどうなりますか?』
こちらの事例で、妻が令和元年9月に請求、支給決定が下りて、令和2年2月に保険給付が始まったとします。そして3月に死亡した場合、2月・3月分は未支給の保険給付となりますか?
このケースが、昭和41年1月31日基発73号通達から抜粋していただいた中の「支給決定はあったがまだ支払われていないもの(法第11条第1項)」になるのかどうかがよくわからないのです。
同様に厚生年金保険でも、ずっと受給していた者が死亡したことによって受け取れなくなった1・2カ月分を未支給の保険給付と捉えられるのかがわかりません。
そして、厚生年金保険の方では、労災保険法の事例の(1)のような裁定請求し忘れていたようなケースは、そもそも受給権者ではないのでダメ、と思っておりますが、合っていますでしょうか。
よろしくお願い致します。
労災保険のS41基発73号通達の言う「支給決定はあったがまだ支払われていないもの」とは、年金の場合、受給開始後に労働者が死亡した場合に、まだ支払われていない年金を指します。
年金は、偶数月に前2月分を支払い、かつ支給事由が消滅した月の年金は支給されますから、年金の受給中に死亡すると必ずこの形の未支給年金が生じます。これは国民年金や厚生年金も同じです。
> 裁定請求し忘れていたようなケースは、そもそも受給権者ではないのでダメ
下記URLの8ページを見てください。これは国民年金ですが、厚生年金も同じです。
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12500000-Nenkinkyoku/0000084217.pdf
参考になった:2人
poo_zzzzz 2020-07-14 22:38:17
あれ、OKですか?(笑)
もし下記を理解された上のOKであれば、私の老婆心をお詫びしますが、一応お読みください。
今回のあなたの疑問の根底にあるのは、例えば、下記のような条文に対する理解不足であるように見えます。
厚年法42条
老齢厚生年金は、被保険者期間を有する者が、次の各号のいずれにも該当するに至つたときに、その者に支給する。
一 65歳以上であること。
二 保険料納付済期間と保険料免除期間とを合算した期間が10年以上であること。
このような、年金の支給条文においては、「支給する」という文言は「受給権の発生」を意味します。
裁定請求するかどうかは関係ありません。要件を満たしたときに権利は発生です。(基本権の発生)
その後、裁定請求することにより、権利に基づいた支給が決定されます。
いったん支給が決定すれば、失権、支給停止又は支給差し止め事由に該当しない限り、年金の支分権は支払期月の到来と共に自動的に発生し、支給されます。
これに対し、
厚年法47条の2
疾病にかかり、又は負傷し、かつ、その傷病に係る初診日において被保険者であった者であって、・・・略・・・その者は、その期間内に同条第一項の障害厚生年金の支給を請求することができる。
これは障害厚生年金の事後重症の条文ですが、このように、支給条文が「請求することができる」となっている場合は、裁定請求しない限り受給権は発生しません。
本来支給の障害厚生年金と、事後重症の障害厚生年金で、支給開始月が違うのはこのためです。
例外的なのは基準障害による併合認定で、受給権は要件を満たしたときに発生するが、年金の支給は裁定請求した月の翌月からしか行いません。
これは、厚生年金保険法であれば、法36条1項の例外になります。(法47条の3第3項)
参考になった:3人
poo_zzzzz 2020-07-15 10:22:52
poo_zzzzz先生
ええーっと、一応OKだったといいますか、、
受給権の発生については自分で確認すれば解決しそうだったのでそのようにお返事しました。
お見通しだったようで、、、苦笑。
障害基礎年金の勉強をした時に、受給権の発生や遡及受給できるかについては、ややこしく感じたのでまとめたのです。
それなのに老齢基礎年金は、確認の必要なかったからか、いつの間にか「裁定する=受給件発生」にすり替わってしまったようで。
初めて勉強した時には「支給する」の解説を聞いて理解していたのですが、たぶん「老齢の年金は裁定の手続きをしなければもらえない」という一般的なフレーズに引っ張られたのだと思います。
今回、自分でも「あれ?どう把握してるんだろ?」となってしまいました。
ちゃんと理解できていれば、「裁定請求し忘れていたようなケース」については尋ねる必要がなかったと思います。
お手間をかけさせまして、すみませんでした。
そして、詳しい解説をありがとうございました。
お忙しい中、いつも丁寧にご対応くださり感謝申し上げます。
aokisan 2020-07-15 14:19:27
そうですね(笑)
私は基本的に、テキストを読んでいないと思われる質問や、講義を聴いていないと思われる質問に対しては、「テキストを読んでください。講義を聴いてください」が回答です。
「疑問が起きたときは、目に見えないあなたの壁が目に見える瞬間です。「あなたの壁」なのですから、あなたの頭の中にある知識を信じてはいけません」ということもよく言います。
それでいうと、今回のご質問もこれに該当しそうです。
だから最初の回答が素っ気なかったのですが(笑)
で、まぁあっさりOKだったので、逆に心配になって書いてしまいました。
この心配性は、やめないといけないなぁ、と、思いながら、なかなか直りません(笑)
それに、基本事項ではあるけれど、テキストを読んで「ここに書いてある」ようなことでもないので、一度まとめて書いても良いかな?と。
ただ、まぁ、視点の移動が苦手なのかな?と、その点は気になります。
以前から思っているのですが、あなたは視点の移動が少し苦手なように思います。
視点の移動が苦手だと、テキストを読んでも、講義を聴いても、問題の解決に至らないことが多いです。
テキストや講義で疑問を自己解決するのは大変です。
私はそれを知っていますが、ご自身の受験勉強ですから、それはしなくてはいけないと思っています。
特に、OUTPUT学習でテキストや講義に戻る習慣ができていないと思われる方には、絶対に必要なことなので、厳しくそれを言います。
また、テキストや講義を信じ、そこにないテーマは封印してください、ということもよく言います。
これは受験の合格に絞れば必要なことですが、簡単なようで簡単ではありません。テキストを使い倒していないと、判断できませんからね。
そのような習慣があり、実行できていて、基礎学力があっても、視点の移動が苦手だと、受験に必要な事項でも、つまらないことで引っかかります。
特に、横断やまとめでそれが出ます。
知っていることばかりのはずなのに、体系的にたどれないために、言われて気がつく、というやつです。
私のあなたに対する個人的なアドバイスとして、肩の力を抜いて、広くまわりを見回すことをお勧めします。
参考になった:2人
poo_zzzzz 2020-07-16 10:57:13
poo_zzzzz先生
うーん、、、なるほど。
そうなのでしょうね。
今回の裁定の方は完全に基礎的な知識がおかしくなっていたためだったのですが(死亡前数ヶ月分の方は自信が持てなかったので具体的に確認したかった)、
いつもいただくご解説の中に、別の単元の要素が絡んでいることが多いのには気がついていました。
毎度「え、、、」ってなるんですが、そういったことに気がつくように、ということですよね。
それは何というか、学習方法で培えるものではなさそうなので難しいですね、、
ひとまず「肩の力を抜いて広くまわりを見回す」は心がけたいと思います。
実は今も、60歳台前半の老齢厚生年金の額の障害者の特例や、60歳台前半の老齢厚生年金の受給権者の繰上げなどに引っかかっています。
障害厚生年金1、2級該当で、特例の対象者(障害厚生年金でなく、こちらを選ぶメリットのある人)がいるのだろうかと思ったり、
繰上げでは、定額部分が減っていく世代で一部でなく全部繰り上げを選ぶ人ってどういう人なのだろうと思ったり、、、
この辺りも、広い視野があれば「ああ、こういうケースね」と思いつく疑問のような気がします。
もう一度考えてみることにします。
肩の力を抜いて、広くまわりを見回して。
アドバイス、ありがとうございました。
aokisan 2020-07-18 15:33:26
> 障害厚生年金1、2級該当で、特例の対象者(障害厚生年金でなく、こちらを選ぶメリットのある人)がいるのだろうかと思ったり、
> 繰上げでは、定額部分が減っていく世代で一部でなく全部繰り上げを選ぶ人ってどういう人なのだろうと思ったり、、、
前者は、思い込み、というか、なぜテキストの書き方がこうなっているのか?という点に思いが至っていないのが疑問の原因です。
ある意味、テキストが読めていないのですが・・・
しかし、引っかかると、抜け出しにくいかも知れません。
これね、「障害等級1~3級の障害の状態にあること」を要件にしているだけで、障害厚生年金の受給権者であること、とは書いていないでしょう?
無職や自営業者の時に初診日があるかも知れません。
また、厚生年金の被保険者時代に初診日があっても、それ以前に国民年金の滞納があり、障害の年金の受給権がない可能性もあります。
それらの場合でも、特別支給の老齢厚生年金の受給要件は満たす場合がありますからね。
後者はテキストとは関係がありませんが、受験生によくありがちな視野の狭さが原因です。
視点の移動が苦手、というのとも関係しているかも(笑)
厚生年金の学習をしていると、多くの方が一生涯会社員だった場合しか考えないんですね・・・
例えば定額部分が63歳から支給される者が60歳になったとします。
この者が生活のために、老齢の年金の繰り上げを60歳から考えたとします。
この者に厚生年金保険の被保険者期間が2年しかなく、後は全部国民年金だけの期間だったとしたら、「生活のために」一部繰り上げしますか?
参考になった:2人
poo_zzzzz 2020-07-18 19:56:02
poo_zzzzz先生
早々にご回答くださっていたようで、ありがとうございました。
障害者の特例については、はい、納得です。
いろいろなケースを考え、こういう場合かな?と思っていたことの答え合わせをさせていただいた感じになりました。
老齢基礎年金の一部繰り上げについては、「一部」をどう算出するのかわからず、テキストの図解から、老齢基礎年金から繰り上げ調整額を差し引いた額を出してくれるのかな、と思っていました。
つまり繰り上げ調整額と「一部」を足して老齢基礎年金額になるイメージだったのです。
だから
「生活のために一部繰り上げしますか」
という問いかけに、ん?となって「一部」の算出を調べました。
63歳から支給開始の人が60歳で一部繰り上げをしたら、老齢基礎年金額は5分の3になるようでした。
62歳からの人だと5分の2。
これでは確かに「生活のために」はしないかな、と思いました。
以上のように理解しました。
遅くなりましたが、ありがとうございました。
aokisan 2020-07-28 15:09:22