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労災保険法/労災保険における事業とは
yoskw2006 2021-01-24 22:42:10
労災保険法の第2節。P8についての質問です。
「事業」とは、、、社会奉仕、宗教伝導等のごとく利潤を目的としない活動も含まれる。と記載されています。
一方、労働者の範囲については労災保険法にはその定義がなく、労働基準法の労働者である「適用事業に使用される者で、賃金を支払われる者」
が適用されると記載されています。
社会奉仕や宗教伝導は賃金が支払われることはないわけですから、労災保険法が適用される労働者には該当しないと言うことでしょうか?
まず、教材をみていないことをお断りします。
学生さんでしょうか?失礼ですが、社会経験が少ない方のように見受けました。
社会奉仕団体や、宗教団体は、利潤を目的としていません。
しかし、ある団体が利潤を目的とするかしないか?、ということと、その団体に使用され、賃金を受ける者が居るか居ないか?ということは別です。
その団体の目的(社会奉仕や宗教伝導)のために集まった者だけで組織された団体もあるでしょうが、ある程度の規模になると、その多くは、労働契約による使用従属関係にある者を使用します。
例えば社会奉仕団体であるライオンズクラブのメンバーは、企業経営者や士業などの自営業者で組織され、その団体に会費を支払うことはあっても賃金は受け取りません。
しかし、ライオンズクラブは地域団体ごとに事務所や事務局を持っており、事務所や事務局では、事務員を使用している場合も多いのです。
そういった事務員は、その地域団体から賃金を受ける「労働者」です。
つまり、社会奉仕団体や宗教団体で、利潤を目的としない団体であっても、その団体が労働契約で誰かを使用していれば、労働基準法と労災保険法の適用事業所です。
最近多くみられる、NPO(特定非営利活動法人)も、「不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするもの」とされていて、利潤を得ることを目的としない法人ですが、その法人が利潤を得ること自体が禁じられている訳ではなく、労働者を雇って商業活動をしている場合も多いのです。
「利潤を得ることを目的としない」ということと「利潤を得ることがない」ということも、また、別なのです。
宗教団体でも、戎さんで笹を売る人や、酉の市で熊手を売る人の多くはアルバイトでしょう?
賃金を支払われていますし、神社も利益を得ているのではないですか?
言われてみたら簡単ですが、ある程度社会経験がないと、直感的には分からないかも知れません。
ただ、ある個人や団体の「活動が利潤を目的としない」ということと、その個人や団体が「労働者を使用しない」ということは全く別のことである、と、いうことは、論理的に考えたら分かるでしょう?
労働基準法の「労働者」は、「職業の種類を問わず、事業又は事務所に使用される者で、賃金を支払われる者をいう」であり、その事業が利潤を上げることを目的をするかどうかは、問われていないのですからね。
社労士試験の受験勉強は、テキストと口述講義によるINPUTと演習を繰り返し、ある程度形になったら過去問に取りかかり、そこでも常にテキストと何度も往復して学習を進めます。
その中で、テキストに書いてあることがどのように過去の本試験で出題され、また、過去の本試験の出題が、テキストのどの規定とどの規定に関係し、それぞれの規定がどのような関係を持つのかが分かってきます。
簡単に言うと、学ぶべきものの全体像が見えてくるのです。
その段階になると、初学の間に感じていた疑問の多くは自然に解決するか、解決不要であることが体感できて、消化されます。
初学の内は、今から自分が進もうとする場所の構造が分かりません。あるものが見えても、多くの場合特定の方向からしか見ていません。
人の頭の彫像を見た時に「目や鼻や口があるのだ」と見えるのか、「髪の毛と耳たぶしかないな」と見えるのかは、見た方向によりますが、いずれか片方なら、どちらも正しいですが偏っていますね?
それと同じで、初学の間に得る知識は、多くの場合偏っています。
それらは悪いことではありません。
初学の間は、読み間違いや読み落としがあるのは当たり前です。
今回質問者の方が「利潤を目的としない」のだから「賃金が支払われない」と考えられたように、本当はAとBの間にそんな関係は無いのに、「AならばBなんだ」と間違って関連付けてしまうのも、当たり前なのです。
逆に重要な関連性があるのに、それに気づかないこともあるでしょう。
でも、そこで疑問を感じたときに、すぐに他人に訊こうとすることはお勧めしません。
とりあえず、先に進んだ方が良いと思います。
これは、疑問を持つな、と言っているのではありません。
疑問を解決するな、と言っているのでもありません。
テキストと口述講義の範囲で復習することは大切です。
疑問は、あなたの目の前の「見えない壁」が目に見えた時です。
その多くは、テキストの読み間違い、読み落としを示唆しています。
まず、テキストを広い範囲で(←重要です)読み直し、口述講義を聴き直すことはしなければならないと思います。
「テキストに書いてある」「講義で話している」と言われても、初学の間は、「読み取れない」「聴き取れない」が当たり前ですが、「そのままで良い」訳ではないですからね。
「読み取れるようになる」「聴き取れるようになる」ような学習を重ねるのが受験勉強です。
それで解決しても、もし解決しなくても、基礎力は向上します。
でも、それでも解決しなかったら、付箋でも付けて先に進むことをお勧めします。
読み取る、聴き取る、力不足かも知れませんし、疑問の答えがテキスト等にないのかも知れません。
どちらであっても、「解決を先送り」するのです。
学ぶべき場所の構造が分かっておらず、知識が不足しかつ偏っているのですから、疑問はあって当然なのです。
全体的な知識不足も、偏りも、一朝一夕には解決しませんから、根本的な解決には時間が掛かります。
いま、断片的に疑問を解決しても、あまり意味はありません。
一通りINPUTを終え、適切な段階で、過去問とテキストとのキャッチボールを正しく何度もしていれば、学ぶべき内容の全体像が見えてきて、初学の間の疑問の多くは消化されます。
テキストと口述講義、そしてある程度進んだらプラスして過去問、これらを中心に、根気よく学習を続けてください。
なお、この質問広場は、社労士試験の学習に関することであれば、誰でも質問でき、誰でも回答できる場であり、やまよびの講師やスタッフの方が回答される場ではないようです。
また、質問広場の冒頭に「※教材内容や教材の配送状況など、直接学習に関係のない個別のご相談は、「質問広場」への投稿ではなく、直接事務局にメールにてご連絡いただきますよう、お願いいたします。
」と赤字で書いてあります。
私は今回、法令の問題と解して回答しましたが、もし、テキストの編集についての疑問や意見であれば、山予備さんの事務局にメールされることをお勧めします。
参考になった:1人
poo_zzzzz 2021-01-25 12:43:20