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法78条の3
請求すべき按分割合は、当事者それぞれの対象期間標準報酬総額(対象期間に係る被保険者期間の各月の標準報酬月額(第二十六条第一項の規定により同項に規定する従前標準報酬月額が当該月の標準報酬月額とみなされた月にあつては、従前標準報酬月額)と標準賞与額に当事者を受給権者とみなして対象期間の末日において適用される再評価率を乗じて得た額の総額をいう。以下同じ。)の合計額に対する第二号改定者の対象期間標準報酬総額の割合を超え二分の一以下の範囲(以下「按分割合の範囲」という。)内で定められなければならない。

2 次条第一項の規定により按分割合の範囲について情報の提供(第七十八条の五の規定により裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官が受けた資料の提供を含み、これが複数あるときは、その最後のもの。以下この項において同じ。)を受けた日が対象期間の末日前であつて対象期間の末日までの間が一年を超えない場合その他の厚生労働省令で定める場合における標準報酬改定請求については、前項の規定にかかわらず、当該情報の提供を受けた按分割合の範囲を、同項の按分割合の範囲とすることができる。

法78条の3の原文は上記です。
まず、用語の定義を整理してください。

◾️対象期間標準報酬総額
対象期間に係る被保険者期間の各月の標準報酬月額(第二十六条第一項の規定により同項に規定する従前標準報酬月額が当該月の標準報酬月額とみなされた月にあつては、従前標準報酬月額)と標準賞与額に当事者を受給権者とみなして対象期間の末日において適用される再評価率を乗じて得た額の総額
◾️ 按分割合の範囲
当事者それぞれの対象期間標準報酬総額の合計額に対する第二号改定者の対象期間標準報酬総額の割合を超え二分の一以下の範囲
◾️ 情報の提供
第七十八条の五の規定により裁判所又は受命裁判官若しくは受託裁判官が受けた資料の提供を含み、これが複数あるときは、その最後のもの

この3つの用語が、それぞれ必要な範囲で定義されていることを確認してください。

そして、1項の定義の内容の部分を、定義された用語に置き換えます。

まず、「対象期間標準報酬総額」を置き換えます。

⚫︎法78条の3第1項から、対象期間標準報酬総額の定義内容部分をカット
請求すべき按分割合は、当事者それぞれの対象期間標準報酬総の合計額に対する第二号改定者の対象期間標準報酬総額の割合を超え二分の一以下の範囲(以下「按分割合の範囲」という。)内で定められなければならない。

さらに、「按分割合の範囲」を置き換えます。

⚫︎法78条の3第1項から、按分割合の範囲の定義内容部分をカット
請求すべき按分割合は、按分割合の範囲内で定められなければならない。

ずいぶん単純になりました。

次に2項の「情報の提供」の定義の内容をカットします。

⚫︎法78条の3第2項から、情報の提供の定義内容部分をカット
次条第一項の規定により按分割合の範囲について情報の提供を受けた日が対象期間の末日前であつて対象期間の末日までの間が一年を超えない場合その他の厚生労働省令で定める場合における標準報酬改定請求については、前項の規定にかかわらず、当該情報の提供を受けた按あん分割合の範囲を、同項の按分割合の範囲とすることができる。

この「同項の按分割合の範囲とすることができる」に従って、2項を読み換えて1項を書き直します。

⚫︎法78条の3第2項に従って、1項を書き換えて2項を整理
請求すべき按分割合は、次条第一項の規定により按分割合の範囲について情報の提供を受けた日が対象期間の末日前であつて対象期間の末日までの間が一年を超えない場合その他の厚生労働省令で定める場合については、当該情報の提供を受けた按分割合の範囲内で定められなければならない。

と、なります。

疑問があれば、再度ご質問ください。

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poo_zzzzz 2021-04-23 14:01:32

早速の回答ありがとうございます!

条文の定義を理解して、切り離して、理解する手法とてもわかりやすいです。

ただ、自分が考えた解釈が正しいかどうか、まだ理解できません。1日、2日かけて、先生の書いて下さったことを
数回読んで理解を深めます。

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kisoryokutettei 2021-04-23 20:19:22

先生の書かれていることを何度も読み、

離婚準備をしていて、離婚から1年前までに按分割合を実施期間に請求していた時は、

   分割前の第 2号改定者の対象期間標準報酬総額     < 按分割合 ≦ 1/2
 第1号改定者と第2号改定者の対象期間標準報酬総額の合計額


の原則に従わなくても良い(例外)と結論づけました。

正しく結論づけていますでしょうか。

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kisoryokutettei 2021-04-25 00:13:55

私は、最初のあなたの質問の「これは離婚する前(対象期間末日の1年前まで)に情報提供を受けた場合に、それが請求すべき按分割合の範囲とすることが出来る、と理解してよろしいでしょうか。」に対して、良いとも悪いとも言っていません。

間違っているから説明したのではないのです。最初のお尋ねは、合っていると思いますよ。

私は択一式に関しては、テキストと口述講義及び過去問の内容だけで十分だと思っています。
テキストと口述講義は、出題の可能性が高い場所を精選し、記載内容や説明で重要度が分かるようにした「武器」です。
「武器」に説明がない条文は、選択式対策か、過去問から戻って確認するためのもののはずです。
ですから、解説のないテキストの条文は、択一式に関しては、過去問を通じて内容を確認できれば十分です。

お勧めはしませんが、それを超えて条文に踏み込むならば、ご自身の力で条文を正しく読めないといけないので、読み方を説明しただけです。

条文を比較してご質問があったということは、テキストにかみ砕いた解説がないのだと思いました。
テキストの説明の範囲を超えて条文を読もうとしているのに、合っていますか?と訊かなければならなかったところが、私にとって問題なのです。
正しく条文を読めれば、質問はなかったはずです。

https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/0000000011_0000023772.pdf
3ページ目の冒頭に「情報通知書の請求は、離婚の前でも後でも行うことができます。」とあります。
実務的な必要性を知るために、このレジュメをヒントにしてください。

条文の読み方に対しての追加のヒントは「対象期間」です。

78条の3第1項は「対象期間に係る被保険者期間の各月の標準報酬月額」を按分割合の基礎にしていますね?
「対象期間」は、法78条の2と則78条により定まりますが、離婚の場合、原則的に「婚姻が成立した日から離婚が成立した日までの期間」です。
法78条の3第2項の場合は、「情報の提供を受けた日が対象期間の末日前であつて対象期間の末日までの間が一年を超えない場合」ですが、この場合に受けた情報は「対象期間に係る被保険者期間の各月の標準報酬月額」の要件を満たしますか?
要件を満たしていないなら、例外規定が要りますよね?



なお、前回、最後の読み替え条文で、
⚫︎法78条の3第2項に従って、1項を書き換えて2項を整理
請求すべき按分割合は、次条第一項の規定により按分割合の範囲について情報の提供を受けた日が対象期間の末日前であつて対象期間の末日までの間が一年を超えない場合その他の厚生労働省令で定める場合については、当該情報の提供を受けた按分割合の範囲内で定められなければならない。

と、書きましたが、2項が「することができる」なので、
⚫︎法78条の3第2項に従って、1項を書き換えて2項を整理
請求すべき按分割合は、次条第一項の規定により按分割合の範囲について情報の提供を受けた日が対象期間の末日前であつて対象期間の末日までの間が一年を超えない場合その他の厚生労働省令で定める場合については、当該情報の提供を受けた按分割合の範囲内で定めることができる。

に訂正します。すみませんでした。

なお、情報提供は、提供から3か月経てば再請求できます。(3か月以内に再請求できる例外あり)
さらに、離婚前の請求による情報は請求者にのみ送られ、相手方には送られません。(離婚後は双方に送られます)

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poo_zzzzz 2021-04-25 11:37:46

先生  分かりやすい解説ありがとうございます!
今回の文章でやっと離婚時の要件数字を理解できました。ありがとうございます。


先生が書かれている

(引用)私は択一式に関しては、テキストと口述講義及び過去問の内容だけで十分だと思っています。
テキストと口述講義は、出題の可能性が高い場所を精選し、記載内容や説明で重要度が分かるようにした「武器」です。
「武器」に説明がない条文は、選択式対策か、過去問から戻って確認するためのもののはずです。
ですから、解説のないテキストの条文は、択一式に関しては、過去問を通じて内容を確認できれば十分です。(引用終わり)

を肝に銘じて、本試験まで突き進みます。(これは過去の先生の質問広場でも数回教えて頂いていますね)


今回お聞きしたのは昨年度の選択式の厚生年金で、
E択
実施期間に対し、当該離婚等について対象期間に係る被保険者期間の標準報酬の改定又は決定を請求することができるとされている。
ただし、当該離婚等をした時からEを経過したときその他の厚生労働省令で定める場合に該当する時は、この限りでないとされている。

で、1年、2年、3ヶ月、1ヶ月のワードが頭に浮かび、結局1年を選んでしまい、誤回答してしまいました。
整理して、数字を覚え直しする段階で、どうしても1年の背景、状況が把握できず、こういった質問になりました。
でもやっと覚えられました。

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kisoryokutettei  2021-04-26 09:09:14

うーん、厳しいことを言うと、羮に懲りて膾を吹く、という状態ですね。
熱い食べ物に懲りて、冷たい生ものを吹いて食べるという意味です。

離婚等から2年を経過すれば合意分割の請求ができなくなるのは、択一で平成21年に出ています。(問7C、法78条の2第1項)
3号分割についても同様の問題が平成26年に出ています。(問8E、法78条の14第1項、則78条の17第1項)
テキストに、出題年次が載っていませんか?

つまり、択一の過去問にあった事項であり、択一対策として、受験時に当然整理できていなければならない箇所でした。
そんな箇所を間違えたからと言って、条文の内容に走るのは受験対策としていかがかと思います。

選択式もありますから、条文は必要です。
しかし、条文の内容を読み込むことはなかなか容易ではありません。
条文を当たるのは、選択式対策として割り切った用語や数字のチェックか、択一の過去問からの戻りのチェックを主とした方が無難です。

それを押して条文の内容を読み込むのであれば、法令の構造を知り、条文の読み方を学ぶ必要があります。

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poo_zzzzz 2021-04-26 10:42:07

おっしゃる通りだと思います。だから、専業受験生なのに、5年もかかっています。

何を書いても言い訳になってしまうし、勉強時間の割に、択一はまだ40点にのったことが一回しかないので
もっとシンプルに過去問をこなしていきます。

がんばります。

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kisoryokutettei  2021-04-26 11:44:46

そうですか。
昔、おっしゃっていたような気がするのですが、山川先生は、講義で「必ず順番は来る」とおっしゃっていませんか?
私もそう思います。

過去の試験は、難しかった問題ばかり印象に残りますが、合格できなかった原因は、そこではないはずです。
何年目であっても、すべきことは初年度と同じですよ。

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poo_zzzzz 2021-04-26 17:39:26

さくらメールや山川先生、三宅先生からも山ゼミの温かさを感じています。
並び続けることを続けて、そして、日々の勉強に真摯に取り組んで行こうと思います。

先生からの今回のお返事でもとても励まされました。長々とスミマセンm(__)m

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kisoryokutettei  2021-04-26 18:43:33



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