ニックネーム | *** 未ログイン ***

 

回答順に表示     新しい回答から表示     参考になった順に表示

併合繰上げを定める則14条3項には「ただし、本文の規定による障害等級が第8級以下である場合において、各の身体障害の該当する障害等級に応ずる障害補償給付の額の合算額が本文の規定による障害等級に応ずる障害補償給付の額に満たないときは、その者に支給する障害補償給付は、当該合算額による。」というただし書きがあります。

これが、質問された方の言われる「特別なケース」だと思います。
これは受験用テキストであれば必ず載っています。

13級は給付基礎日額の101日分、9級は給付基礎日額の391日分ですから、合算した額は、給付基礎日額の492日分です。
これに対し、8級は給付基礎日額の503日分ですから、給付基礎日額が同じであれば、「それぞれの障害等級による額の合算額 < 併合繰上げの障害等級による額」であり、上記則14条3項ただし書きに該当します。

このため、支給されるのは、給付基礎日額の503日分ではなく、給付基礎日額の492日分です。
気をつけていただきたいのは、併合繰上げは行われ、障害等級は8級になる、ということです。
障害等級は8級になるけれども、支給される額は、併合前の障害等級による額の合算額になるのです。



併合繰上げで、この則14条3項ただし書きの適用があるのは、現状では障害等級が9級と13級の場合だけです。
ですから、多くの受験用テキストでは、9級と13級の併合繰上げの場合の具体例を載せています。
テキストはしっかり読み直しましたか?
読み落としていませんか?



今回がそうであるかどうかは分かりませんが、学習中に起きる疑問の多くは知識不足や間違った理解から生じます。
疑問が生じたら、まずご自身の知識を疑い、テキストを広い範囲でしっかり読みなおし、口述講義を聞き直してください。

また、テキストと口述講義による学習が進み、過去問を解き、又テキストに戻ることをしっかり繰り返すうちに、学習中の疑問の多くは解決します。
過去問に精通すると、解決しない疑問についての取捨選択の判断もできるようになります。

疑問の解決を急ぐ必要はありません。疑問は付箋を貼って、先送りで良いのです。
他人に訊いて得るわずかな知識よりも、受験される方が、テキスト、口述講義、過去問の使い方に習熟されることの方がはるかに大切です。

参考になった:4

poo_zzzzz 2021-08-22 14:45:43

ご丁寧に回答いただきありがとうございました。

支給日数と障害等級は、必ずしも同じになるわけではないのですね。
今回はテキストの障害等級に関する箇所しか確認しておらず、もっと広い範囲で読み返すべきでした。

疑問の解決方法に関しても、大変勉強になりました。
今後の参考とさせていただきます。

投稿内容を修正

tomo9829  2021-08-22 22:33:03

> 支給日数と障害等級は、必ずしも同じになるわけではないのですね。

多くの受験生の方が間違えておられるのですが、障害(補償)給付の内容を定めている労災則別表第1は、日数を定めているのではありません。
そこには、例えば1級であれば、「当該障害の存する期間1年につき給付基礎日額の313日分」と書かれています。
「給付基礎日額の313日分」ですから、この表が定めているのは「支給額」です。
日数は出てきますが、日数を定めているのではありません。支給額を定めているのです。

このため、テキストで日数が出てくる場合、そこでテーマになっているのは、多くの場合日数ではなく支給額です。
日数に絡む計算が出てくる場合、日数を計算するのではなく、給付基礎日額を乗じた支給額を計算するのです。

この意識は、労災保険の給付内容をしっかり学習する上で大切です。
給付基礎日額が異なる場合(加重など)がありますから、日数が同じでも支給額が異なる場合があるからです。

そして則14条3項は、併合繰上げの場合に「繰り上げた障害等級による」と言っておきながら、9級と13級のような場合は、ただし書きで「その者に支給する障害補償給付は、当該合算額による」と言っています。
つまりこれは支給額の例外であって、日数の例外ではありません。



> 今回はテキストの障害等級に関する箇所しか確認しておらず、もっと広い範囲で読み返すべきでした。

「どうしても理解のできない問題があり」と、書かれていますよね?
これは「どうしても」とは言わないのではないですか?

疑問が生じたら、それこそ用語の定義まで遡るつもりで復習するのです。
最初は大変です。
しかし、そうやって何度も何度も「目的を持って」テキストを読み返すことで、テキストの中で自由になることができます。
最終的には、テキストを持った瞬間に、指の感覚だけで、目的ページの前後10ページが開くくらいに鍛えてください。
ご自身の努力で得た知識は裏切りませんよ。

投稿内容を修正

参考になった:2

poo_zzzzz 2021-08-23 17:51:07



PAGE TOP