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(1)
 (a) 労働契約の内容である労働条件は、労働者と使用者との個別の合意によって変更することができるものであり
 (b) このことは、
 (c) 就業規則に定められている労働条件を労働者の不利益に変更する場合であっても

という、(a)(b)(c)の後に続く「その合意」ですが、これが何を指すのかは、(a)と(c)が「このことは」で結ばれていることにより、説明の必要はないと思います。

(2)
労働契約は私契約ですから、その変更については双方の合意があればよく、書面の作成や変更は必要ありません。
労働基準法15条及び則5条は「労働契約の締結時(期間契約の更新を含む)」に限って、書面による通知を求めています。
また、この不確かさを埋めるために、労働契約法4条2項は「労働者及び使用者は、労働契約の内容(略)について、できる限り書面により確認するものとする。」と定めていますが、これは努力義務であり義務ではありません。
つまり、労働契約の内容である労働条件の変更において必須なのは、使用者と労働者の合意のみです。

しかし就業規則は労働基準法89条によって、作成時も、変更時も、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければなりません。
就業規則に定められている労働条件を変更する場合は、使用者と労働者の合意だけでは足りず、就業規則を変更する必要があります。
つまり、就業規則に定められている労働条件を変更する場合の必須な事項は、労働契約の内容である労働条件の変更と同じではありません。
判決文は、労働契約の内容である労働条件の変更と対比している都合上、そのことを言っているだけです。

参考になった:2

poo_zzzzz 2021-10-28 11:24:32

ご返信ありがとうございました。
とても丁寧に答えていただき、
大変勉強になりました。

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aoisaki  2021-11-02 19:15:53

ご返信ありがとうございました。
とても丁寧に答えていただき、
大変勉強になりました。

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aoisaki  2021-11-02 19:18:35



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