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厚生年金保険法/「配偶者に係る加給年金額」の「特別加算額」について
alpha1 2023-06-11 21:10:53
厚生年金保険法の「配偶者に係る加給年金額」の「特別加算額」に関して、
次の2点につき、ご存知の範囲でご教授いただけますと幸いです。
■質問1)特別加算額が昭和9年4月1日以前生まれの者には加算しないこととされている理由
※年金法に登場する年齢的な制約の多くは、改正法の施行日において〇才に達していることを理由にしていますが、
特別加算額における「昭和9年4月1日以前生まれの者」にはどのような意味がありますか?
■質問2)特別加算額を加算する者の中では、年齢が高い者ほど金額が少なくなるように設定しているが、その理由
※山川社労士のテキストによると、過去の択一式で多くの出題がある知識ですが、その理由が分からないためご質問します。
なお、特別加算額について、つぎの点は理解しております。
1)特別加算額は、65歳以降の老齢基礎年金の満額と、加給年金額の原則額との間にギャップがあるため、
このギャップを埋めることを目的に設けられていること。
2)特別加算額の最大額と、加給年金額の原則額を合算すると、老齢基礎年金額の満額の約半分の水準となること。
以上、お手数をおかけしますが、宜しくお願い致します。
合格のための受験対策としては、この部分の「なぜ?」は措いておいた方が良いと思います。
数字を覚えれば、得点できる(失点しない)部分ですからね。
また、生年月日が古いほど額が減るということも、「あれ?」がむしろ記憶のよすがになるので、そのまま覚えられたらいいと思います。
私がよく書く例えなのですが谷川岳という山があります。
整備された登山道を持ち、小学生が遠足で登る山ですが、同時に遭難者数でギネスブックに載った山でもあります。
これは急峻で脆く高度のある岸壁があり、それを登り、事故に遭う方が絶えないからです。
整備された尾根道を通らず、自らの意思で急峻で危険な崖を選ばれるなら、それに必要な体力も、技術も、知識も、装備も、自ら備えられるべきだと思います。
この質問広場は社労士受験のための掲示板です。
今回のあなたの質問は、社労士受験の内容に関する質問ではありますが、合格のための受験対策としては避けて通る方が良い部分です。
安全な尾根道は別にあるのですから・・・
社労士受験勉強の最も難しい箇所の一つが情報の取捨選択です。
受験に関する知識の裾野は広いですからね。
テキストは、受験のために必要の低い部分を省き、受験に必要な情報を精選した武器です。
「載っていないこと」が武器の長所なのですから、それをスポイルする学習方法はお勧めできません。
あえて難しい学習方法に挑まれるなら、まずご自身で手間暇掛けて調べられるべきだと思います。
そして他人に尋ねられる場合も、ここはそういった学習方法のための場ではないと思います。
■以下はテキスト及び文献等で得た知識。一部は私の推論。
・大正15年年4月1日生まれまでの者に支給されていた旧法厚生年金の老齢年金定額部分は、新法老齢基礎年金よりもずっと高額であった。
・その代わり、この当時の厚生年金被保険者の配偶者で無職の者は無年金(国年任意加入はできた)であった。いいかえれば、この時代の厚生年金の老齢年金の設計は夫婦単位であった。
・新法になり、厚生年金の旧法老齢年金定額部分の役割は、新法の老齢基礎年金が受け持つことになったが、本則の額は約53%に激減した。
・その代わり被扶養配偶者は国年3号になり、被扶養者配偶者自身が老齢基礎年金を受けることになった。しかし昭和61年から期間無く60歳になった場合、支給される老齢基礎年金はわずかである。
・このため、大正15年4月2日以降の者に支給される特別支給の老齢厚生年金定額部分は、旧法と同じ(老齢基礎年金の単価の約1.9倍)になるよう乗率が設定された。
・この乗率は、昭和21年4月2日以降生まれで1.0倍になるよう生年月日に応じて漸減する。
・これにより、特別支給の老齢厚生年金定額部分の支給率は生年月日に応じてゆっくり減っていき、最終的に老齢基礎年金の単価と同じになる。
・また、この乗率による増加部分がある場合は、それは65歳以降の老齢厚生年金において、経過的加算に反映される。
・加給年金額や振替加算を考えずに簡単に言うと、夫婦共に大正15年4月2日生まれの場合、厚生年金被保険者であった者の特別支給の老齢厚生年金定額部分は老齢基礎年金の約1.9倍で被扶養配偶者は無年金であり、夫婦共に昭和21年4月2日生まれの場合、厚生年金被保険者であった者の特別支給の老齢厚生年金定額部分は老齢基礎年金と同水準で被扶養配偶者の老齢基礎年金は本来の額の半額であり、夫婦共に昭和41年4月2日生まれの場合、厚生年金被保険者であった者の特別支給の老齢厚生年金定額部分は老齢基礎年金と同水準で被扶養配偶者の老齢基礎年金は本来の額であるという状態になる。
・つまり、新法改正における夫婦の老齢基礎年金相当部分の制度的な考え方は、約1.9+0.0(T15.4.2)から、1.0+0.5(S21.4.2)を経て、1.0+1.0(S41.4.2)になる。
・このため、加給年金額や振替加算を考えない場合の夫婦の老齢年金の設計上の最低は1.0+0.5。
・ 話は変わるが、旧法時代は配偶者加給年金額の加算に被扶養配偶者の年齢制限がなかった。これは被扶養配偶者は無年金であるというのが制度の設計だったから。
・新法になり、被扶養配偶者に時前の老齢基礎年金が支給されることになったため、被扶養配偶者が65歳になると、老齢厚生年金の配偶者加給年金額は加算されなくなる。
・しかし、上記のように、新法時代になってもすぐに被扶養配偶者が満額の老齢基礎年金を受けられる訳ではない。
・そこで、新法改正直後は配偶者加給年金額相当額を全額振替加算として被扶養配偶者の老齢基礎年金に加算し、被扶養配偶者の老齢基礎年金が理論上本来の額となる昭和41年4月2日生まれの者から振替加算はなくなる。
・先にも書いたとおり、以上のような旧法が絡む経過措置は老齢の年金を夫婦単位で考えている。そして今まで夫婦同年齢で論じてきたが、現実の夫婦は年齢差があることが多い。
・つまり、例えば夫が65歳になり、老齢厚生年金と老齢基礎年金を受け始めた時に、妻はまだ65歳になっておらず老齢基礎年金を受けられない状態である夫婦が多い。
・この年齢差による夫婦合算の収入不足を補うために配偶者加給年金額に特別加算する。この特別加算は老齢厚生年金の受給権者の年齢を基準とする。
■ここから先は、乗率や年金額の概数以外ほぼ私の推論
・昭和9年4月1日に生まれた者の定額部分の乗率は1.505であり、厚生年金被保険者であった者の定額部分が老齢基礎年金の1.5倍以上あった。ここまでは特別加算しない。(+加給年金額)
・昭和9年4月2日以降の生まれの場合、定額部分の乗率が1.458で1.5を切る。このタイミングから特別加算を行う。(+加給年金額)
・ここでの特別加算額は約3.3万円。約78万円×(1.5-1.458)=約3.3万円。つまり、特別加算額を加えれば、加給年金額を除いても定額部分が1.5倍をキープする。
・昭和18年4月2日生まれの場合、定額部分の給付乗率は1.099で、定額部分に特別加算約16万円を加えても老齢基礎年金の1.3倍程度にしかならない。
・しかし、「加給年金額を加えれば」、定額部分+加給年金額+特別加算で老齢基礎年金の1.65倍くらいになる。
・昭和21年4月2日生まれの場合、定額部分の給付乗率は1.00で、定額部分+加給年金額+特別加算で老齢基礎年金の1.5倍くらいになる。
・結論 特別加算は、被扶養配偶者がまだ65歳に達していない間に、
厚生年金の被保険者であった者の定額部分(後に老齢基礎年金+加給年金額に変わる)だけでは老齢基礎年金のあるべき額の1.5倍をキープできなくなる時点から始め
最終的に厚生年金の被保険者であった者の定額部分(後に老齢基礎年金+加給年金額に変わる)+加給年金額+特別加算で老齢基礎年金のあるべき額の1.5倍となる水準に納める制度設計である。
参考 https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/kyotsu/nenkingaku/20150401-01.files/teigaku.pdf
以上は、20年以上前の受験生時代の私の推論に一部加筆しています。
単語等、あまり丁寧ではなく、内容も端折っているので乱雑で申し訳ありません。
また、結論部分は私の推論なので正しいかどうかは分かりません。
正しいかどうかは別にして、こんなの、切り取って覚えても合格の役には立たないように思います。
昭和9年や昭和18年は、「この程度で収めようか」という現実的な線引きだと思うので、もうとうに使われなくなった数字を調べ、試算して「そうかな?」となる程度なのだと思います。
また、これは特別加算に限りませんが、年金法の「なぜこうなっているの?」は、旧法時代から年金史を繙き、旧法年金から厚生年金・基礎年金の改正と計算式の変化も抑えて全体像を把握しないと分からないことが多いのです。
こういった知識を合格のための受験勉強に「役立つ」レベルで活用するには、そういった学習を経て、疑問に対して「だいたいこのあたりが臭いな」程度の鼻が利くくらいでないと現実的ではありません。
そしてそういった推論ができるような知識を身につける遠回りを受験の間にするのはムダなのです。私自身は楽しくてやりましたが・・・
ムダなのか、役に立つのかは人それぞれなので、あなたが興味があるなら、まずはご自身でそういった学習方法をされてみることをお勧めします。
ただ、合格のための受験対策としては、経験として、全くお勧めしません。
受験対策としてはテキストの範囲を外れるべきではなく、テキストと口述講義及び過去問を中心とする学習をお勧めします。
「理由が分かった方が覚えやすい」という考えは正しいですが、「覚えやすい」=「合格の役に立つ」ではありません。
「理由が分かる」ために使う時間とエネルギーを考えると、多くの場合、テキストの数字を素直に覚えた方が「合格の役に立つ」のです。
興味がある部分の研究は、合格後にゆっくりされることをお勧めします。
参考になった:10人
poo_zzzzz 2023-06-12 12:35:54
いつもご丁寧なご回答をいただき、ありがとうございます。
ざっくり、
・定額部分+加給年金額(+特別加算額)≒老齢基礎年金額の1.5倍となる水準を目標としており、
・定額部分の乗率との関係で、特別加算額を加算しないと1.5倍を維持できないのが昭和9年4月2日以後生まれの者であり、
・定額部分の乗率は年が若くなるほど小さくなるので、1.5倍を維持するためには、特別加算額の金額を上げていくしかない。
と理解しました。
この理解で正しいのかは分かりませんが、これ以上は深入りしないこととします。
***
ちょっと深入りしている質問と自分で認識しておりましたので、想定されたご回答で苦笑いたしました。
私は、実は社労士試験と合格率が同レベルの会計系と法律系の国家資格の保有者でございまして、かつ、社労士試験においても昨年あと2点の選択基準点割れ(総合の基準点はクリア)でしたので、
それなりの背景をもとに、受験に「必要」と判断した質問であることをご理解いただけますと幸いです。
今回も勉強になりました。感謝申し上げます。
alpha1 2023-06-12 15:39:58
> 大変な量の知識を
私が書いた「知識」は、
① 新法改正時の定額部分の単価は、老齢基礎年金の単価の1.875倍だった。
② 新法改正時の専業主婦(主夫)の老齢基礎年金は、設計上0だった。
③ 定額部分の単価は、20年掛けて老齢基礎年金の単価の1.0倍になる。
④ 専業主婦(主夫)の老齢基礎年金は、40年掛けて満額になる。
これだけです。
全てテキストに書いてありますよ。
あとは、③と④の間に大きなギャップがあるために、夫婦の年金額は生年月日で変動するという認識と、それに対する施策を私の「推論」として書いただけです。
受験対策として考えた場合に、昭和9年4月2日と、昭和18年4月2日の、2つの数字を覚えるために、先に書いたコメントの過程を「覚える」のはばかげています。
必要性の低いことを省いてある、受験教材の「長所」を殺す学習方法で、お勧めしません。
また、他人に訊き、結果を知るだけなら、それはトリビア以上の意味は少ないと思います。
でも、正誤は別にして、私が書いたような推論を何も見ずに書けるようになるような学習方法を採るのならば、それは、受験であっても役に立つと思います。
合格を目標にした場合に、ものすごく効率は悪いですが・・・
効率は悪くても、受験対策として意味を持たせるのであれば、こういった思考は、ご自身でできるようにならなければいけないのかなと思います。
私が長々と思考の過程を書いたのは、「このような遠回りな受験対策に意味があるとするなら、それは考える力を身につけることだ」と言いたかったためです。
私自身、受験の時にこんなことばかり考えていて、酷く効率の悪い受験学習でしたが、それが受験の役に立ったとすればそれで得た知識ではなく、考え方が身についたことでした。
だから「知識」を書いたのではないのですよ・・・
その意味で、alpha1さんの「ざっくり、」には、正直「伝わっていないな」と思いましたけどね(笑)
kanchiさんにも以前、「それをあえて「なぜ?」を解決しようとされるなら、「なぜ?」を考える学習方法を、ご自身で身につける必要があると思います。」とコメントしたと思うのですが、必要なのは思考過程だと思うのです。
また、これも、テキストと口述講義、そして過去問の範囲ですれば良いのであって、それを超える学習は、「合格」のためであればお勧めしません。
poo_zzzzz 2023-06-19 09:13:04
> それなりの背景をもとに、受験に「必要」と判断した質問であることをご理解いただけますと幸いです。
あなたの判断に対しては、私には何も口出しする理由がありません。
しかし私は私の判断で、「通常の」受験対策を基準に、それに必要なアドバイスをしています。
その基準で、必要ない(または早期の合格に害がある)と考えられることにはそう書きますし、場合によっては質問の内容には回答しません。
今すでに高度な知識や実績がある → だから受験に関係が薄い知識が合格に必要だ とはならないことは明らかだからです。
また、今回の内容くらいのことをご自身で推論されていない状態で「それなりの背景」と言われても返答に困ります。
それなりの背景があるなら、ご自身でお調べになり、推論されたら良いのではないですか?
「調べることはできるが、時間がもったいない」とは言わないでくださいね。
受験に必要が薄い知識なのですから、あなたに時間が無いのであれば調べなくてよく、そこで他人を頼り、他人の知識や労力や時間を借りる必要も無いはずです。
先にも書いたようにあなたの判断に対しては私は何も言いませんから、あなたが必要だとお考えなら、ご自由に、好きなだけ遠回りしてください。
あなたにはあなたにふさわしい解決の方法や場所があるように思います。
参考になった:3人
poo_zzzzz 2023-06-12 21:14:29
いつも貴重なQ &Aを見させていただき感謝致しております。
『Q: 特別加算額における「昭和9年4月1日以前生まれの者」にはどのような意味がありますか?』
のQ;は、私も思っていたところなので、今回のQ &Aのやりとりはとてもありがたいです。
poo_zzzzzさんの「乗率や年金額の概数以外ほぼ私の推論」もとても説得力があり、凄いです。
記憶の端緒としてとても助かりました。ありがとうございました。
しかしながら、「あなたが必要だとお考えなら、ご自由に、好きなだけ遠回りしてください。
あなたにはあなたにふさわしい解決の方法や場所があるように思います。」
とのお言葉は、胸に突き刺さります。
piyotyan3517 2023-10-09 20:28:22
> しかしながら、「あなたが必要だとお考えなら、ご自由に、好きなだけ遠回りしてください。あなたにはあなたにふさわしい解決の方法や場所があるように思います。」とのお言葉は、胸に突き刺さります。
この質問広場は社労士受験のための場であり、私は、合格のために頑張る方に、合格に何が必要であるかを私なりに伝えるためにここに居ます。
「質問の内容に回答すること」は、私にとっては結果の一部に過ぎず、目標とするところではありません。
どこの、誰が受験しても、受験合格に「最低限必要な知識と技術」は同じです。
あなたは、「それなりの背景をもとに、受験に「必要」と判断した質問であることをご理解いただけますと幸いです。」と書かれていますが、「あなただけにとって必要な知識」があるとするならば、それはもはやあなたの「趣味」の範疇でしょう。
受験に必要が薄い趣味に属するお話しなら、あなたにふさわしい解決の方法や場所があるように思います、と書かせていただきました。
また、あなたの背景を聞かせていただく必要があるほど、今回のご質問のか所は難解ではありません。
kanchさんへのコメントにも書きましたが、旧法から新法への移行に関するある程度の知識を学習し、数字をきちんと入れていく手間さえ惜しまなければ、決して難しい推論ではないはずです。
背景を語られるなら、それなりの知識の習得を試み、手間を掛けて推論する自助努力をされるのが先ではないのでしょうか?
そして、そういった自助努力をされないで行われる質問なら、受験対策として必要性は薄いので、その疑問は先送りしてください、というお答えになると思います。
なお、受験に対する必要性に関係なく、疑問をできる限りつぶし、そこで得た知識を学習に活かそうとする学習方法は、私は個人的には大好きです。
ですから、「あなたが必要だとお考えなら、ご自由に、好きなだけ遠回りしてください。あなたにはあなたにふさわしい解決の方法や場所があるように思います」のコメントは、揶揄しているのでも、非難しているのでもありません。そういうやり方も良いと思いますし、私自身もそのような趣味的な学習で受験しました。
私自身、「好きなだけ遠回りして」学習しましたし、暗記を筆頭に受験学習そのものは大嫌いでしたが、テーマを決めて本を読みあさり、調べ、推論する、その時間は幸せでした。
20年以上前の、ネット検索がほとんど機能していない時代だったので、なかなか手間でしたが・・・
でも、他人にまったくお勧めしませんし、まねをする必要もないと思います。
そして、そのような学習に意味を持たせるなら、考え、調べ、推論する手間を他人に任せてはいけないというのが、私の考えです。
人任せで得た知識は、その知識が受験に必須である場合を除き、トリビアに過ぎないからです。
そして、考え、調べ、推論して、それでも残った疑問を解決する場は、質問広場のような、社労士受験のための場ではないと思います。
追伸
時間が経過したスレッドへのコメントはお勧めしません。
今回はたまたま見たのでコメントしましたが、私は単なるユーザーなので、何の通知があるわけでも無く、ほとんどの場合は見過ごします。
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poo_zzzzz 2023-10-22 10:43:20