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厚生年金保険法/厚生年金保険法/資格の得喪確認について
fuiwayoltuume 2023-07-14 06:12:57
任意適用取消による資格喪失については、任意適用取消について厚生労働大臣の認可を得ているので、資格喪失の確認は不要との説明ですが、任意適用の場面でも、任意適用の申請がなされ厚生労働大臣の認可を得ていると思うのですが、資格取得の確認は不要とならないのでしょうか?(確認を不要とする明文の規定がないのでしょうか?)
この疑問は、
(1) 任意適用事業所の認可手続きの流れが分かっていない。
(2) 法18条の「確認」の意味が正しく理解できていない。(最後に説明します)
この(1)(2)どちらか、または両方で起きます。
ただ、受験対策としては深入りしすぎです。
今回の疑問は(1)の影響が大きいと思いますが、これは実務のエリアです。
(2)は理解できているのに越したことはありませんが、正しく理解できていなくてもおそらく合否には影響しません。
最初に条文を挙げて、内容を説明しますから、受験対策としてはこの部分をその通り覚えていれば十分です。
法18条
被保険者の資格の取得及び喪失は、厚生労働大臣の確認によって、その効力を生ずる。
ただし、第10条第1項の規定による被保険者の資格の取得及び第14条第3号に該当したことによる被保険者の資格の喪失は、この限りでない。
読みやすいように、2段に書きましたが、1段目で「被保険者の資格の取得及び喪失は、厚生労働大臣の確認によって、その効力を生ずる」とあるのですから、被保険者の資格の取得及び喪失が法律上有効になるには、必ず厚生労働大臣の確認が必要です。
ただ、2段目に、
① 任意単独被保険者の資格の取得
② 任意適用事業所が適用事業所でなくなった場合と、任意単独被保険者がその意思で被保険者でなくなる場合
とあるので、この①②の場合は厚生労働大臣の確認は不要です。
これはなぜかというと、10条1項並びに14条3項に係る法8条1項及び11条1項には、それぞれ厚生労働大臣の認可が必要だからです。
認可する場合に、任意単独被保険者の要件を満たしているかどうかや、任意単独被保険者や任意適用事業所がそれぞれ適用を外れることについて厚生労働大臣が審査して認可するからです。
この事務は法100条の4によって日本年金機構に委任されています。
質問された方の疑問は、任意適用事業所となる場合にも、法6条3項により厚生労働大臣の認可が必要だから、法18条の確認は不要なのではないか?ということですね?
そうはなりません。
上記2段目に例外が無い以上、法6条3項の任意適用事業所に認可に伴う被保険者資格の取得には、確認が必要です。
これは、確認に論理的な必要性がなくても、法に例外規定がない以上確認が必要なのですから、受験対策としてはそれを受け入れなければなりません。
「認可がある」→「だから例外規定が無くても確認は不要なはず」と考えるのは、受験対策上有害です。
受験対策としては、法18条の例外規定に書かれていないから確認が必要、と、覚えてください。
ここから先は、受験対策としては読まなくても構いません。
「適用事業所」というのは、いわば「箱」です。
箱の中に居る人だけが被保険者となる制度です。(任意単独被保険者、適用事業所以外の高齢任意被保険者を除く)
任意適用事業所となる手続きは、法的に箱ではないものを箱にする認可の手続きです。
この認可は、箱に対する認可であって、箱の中の人に対する認可ではありません。
法6条3項の厚生労働大臣の認可は、事業所に対する認可であって、その中の人に対する認可ではないのです。
質問された方は、おそらくここで引っかかっています。漠然と、「認可」が被保険者資格の取得も含むとお考えなのでしょう。
そのお考えは、完全に間違っているとまでは言いません。認可の要件として被保険者となるべき者は必要です。
ただ、事業所に対する認可の手続きと、その中の人に対する手続きは別なのです。別ですが、同時に提出し同時に手続きが進みます。
そもそも「認可」とは、行政庁の同意を得なければ成立しない行為について、行政庁の同意によってその行為に法律上の効力を生じさせることを言います。
例えば、適用事業所以外の事業所に使用される者は法律上被保険者ではないですから、任意単独被保険者にするためには認可が必要です。
同じように、従業員3人の個人事業は法律上適用事業所ではないですから、任意適用事業所にするためには認可が必要です。
しかし、任意適用事業所であっても、認可されれば「適用事業所」です。
適用事業所である以上、任意適用事業所で使用される者は、適用除外に該当しない限り「法律上当然」に被保険者です。
これは「法律上当然」なのですから、任意適用事業所で使用される者の被保険者資格の取得は、認可の対象にはなりません。
任意適用事業所の手続き時には、同時に被保険者資格取得届も提出させます。
そしてこの被保険者資格取得届による資格取得に、法18条の確認があります。
仮に3人の被保険者資格取得届を出して、1人も確認を得られない状況であれば、任意適用事業所の認可はされません。被保険者がいないのですからね。
しかし1人でも被保険者資格取得の確認ができるのであれば、その者を被保険者として任意適用事業所の認可が可能になります。
ニワトリが先かタマゴが先かみたいになりますが、任意適用事業所になった場合に被保険者資格取得の「確認」ができることを前提として「認可」があり、「認可」が下りて任意適用事業所が成立したときに、ひとりひとりの被保険者の資格取得が「確認」されます。
そもそも、厚生労働大臣(日本年金機構)には、その事業所に誰が居るのかすら分からないですし、その事業所に属する全員が被保険者になるとは限りません。
このため、箱である事業所に対する認可手続きと共に、被保険者となる者ひとりひとりについて被保険者資格取得届を提出させ、この被保険者資格取得に対して法18条の確認をします。
任意であっても事業所が適用を受けた以上、その事業所に使用される者は適用除外に該当する場合を除き「法律上当然に被保険者」ですし、逆に使用関係に無い者(例えばその事業所の個人事業主)や適用除外に該当する者は被保険者になりませんから、確認は必要なのです。
これは、(任意ではない強制の)適用事業所において、被保険者資格の得喪に確認が必要なのと、理屈は全く同じです。
次に資格喪失を考えます。
任意であっても、事業所が適用を受けた以上、その適用事業所に使用される者は適用除外に該当する場合を除き「法律上当然に被保険者」ですから、その者が事業所を辞めたとか、勤務時間が短くなって適用除外になった場合は、任意適用事業所であっても、被保険者資格喪失には確認が必要です。
しかし、適用事業所が適用事業所ではなくなる認可を受けた場合は、その事業所という「箱」そのものの適用がなくなるのですから、その「箱」の中に居た被保険者は、全員、法律上当然に被保険者資格喪失です。
任意適用事業所では無くなる認可を受けたときにその「箱」の中に居た被保険者の全員の資格喪失が確定してしまいますから、ひとりひとりの被保険者資格喪失に対して法18条の確認は不要です。
意外に思われるかも知れませんが、この場合も、ひとりひとりの被保険者資格喪失届の提出は必要です。
ただ、その被保険者資格喪失に対して法18条の確認を行わないのです。
最後に「確認」の意味を整理します。
被保険者資格の得喪の「確認」とは、「その被保険者資格の取得手続きが法律上被保険者であるものに対して行われているかどうか、その被保険者喪失の取得手続きが法律上被保険者でなくなった者に対して行われているかどうか」の「確認」です。
何度も書きますが、法律上強制である適用事業所はもちろん、任意であっても、事業所が適用を受けた以上、その事業所に使用される者は適用除外に該当する場合を除き「法律上当然に被保険者」です。
資格取得の手続きにより被保険者になるのではなく、法律上すでに被保険者である者に資格取得手続きを行うのであり、資格喪失手続きにより被保険者ではなくなるのではなく、法律上すでに被保険者ではなくなった者に対して資格喪失手続きを行うのです。
「強制適用」を学習し、「法律上当然に適用されるんだ」と理解しているつもりでも、この「事実があって→手続きがある」ことを、自然に、当たり前に思えている方は少ないと思います。
そして、その被保険者資格取得が、法律上被保険者である者に正しく行われているか?、その被保険者資格喪失が、法律上被保険者でなくなった者に正しく行われているか?、を「確認」するのが、法18条の確認です。
このように「確認」の意味が正しく捉えられたなら、
任意適用事業所という「箱」ができたときに、その箱の中で被保険者資格を取得する者には、資格取得が法的に適切かどうかの確認が必要でしょう?
任意適用事業所という「箱」がなくなったときに、その箱の中で被保険者であった者は当然に被保険者ではなくなるのですから、資格喪失が法的に適切かどうかの確認は要らないのではないですか?
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poo_zzzzz 2023-07-14 12:23:01