ニックネーム | *** 未ログイン ***

 

回答順に表示     新しい回答から表示     参考になった順に表示

その通りです。

労働契約は、使用者と労働者の対等な合意で成立します。
有期労働契約の場合、この合意には、その定められた期間、その労働契約に従って労働するという内容が含まれます。
ある一定期間雇用する、雇用される契約を結ぶことにより、使用者側は業務の安定が図れ、労働者側は生活の安定が図れるという、双方の需要により契約期間を定めるのですから、契約期間中は、使用者からも、労働者からも、解除できません。これは契約の性格からいって自然です。

ただし、やむを得ない事由がある場合は、使用者からも、労働者からも契約期間途中での解除ができます。(民法628条)
あなたが尋ねておられる労働基準法附則137条は、この民法628条の特例です。
専門的知識等を有する労働者や満60歳以上の労働者を除き、有期労働契約期間が1年を超える場合、当該労働契約の期間の初日から1年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより労働者はいつでも退職することができます。

もともと、有期労働契約の期間の制限は、戦前、いわゆる丁稚奉公のように、長期の有期労働契約で拘束された労働者が多かったことから、有期労働契約期間を原則1年に制限することから始まりました。
そういった歴史的背景が制度にあるため、国は、長期の有期労働契約を認めることに及び腰です。
このため、原則的な有期労働契約の期間を1年から3年に延ばしたときに、法附則137条を設けて、従来の制限期間である1年を超えれば労働者側からの解除を可能にしました。

最初に書いたとおり、労働契約は、使用者と労働者の対等な合意で成立します。
労働者が、その契約期間その使用者の元で働くことに合意したという点で、最初の契約も、更新後の契約も同じですから、更新後の契約であっても、その契約期間中は解除できないのが当然であり、その例外である法附則137条も、その期間ごとに適用されます。

なお、労働契約に自動更新条項が無い場合に、契約更新の明示なく労働契約が「更新されたような状態」になった場合は、民法629条の適用が考えられる場合があります。
この場合は、1年を待たずに契約解除の申出ができますが、受験対策としては考える必要がありません。



追記
改めてご質問を読んで感じたのですが・・・
私の勘違いなら失礼をお詫びしますが、もしかすると、法附則137条を、「一定期間、労働者側からの労働契約の解除を禁止する規定」だと思っておられませんか?
そのように考えると、何もかも分からなくなります。
もし、私の勘違いなら、失礼をお詫び申し上げると共に、以下はお見捨てください。

労働契約も「契約」ですから、その有効な期間中は、使用者からであっても、労働者からであっても、一方的な労働契約の解除はできません。
これは労働基準法の問題ではなく、「契約」というものの本質です。

ただし、契約にあらかじめ解除条項がありそれに沿っている場合か、法律上の権利として解除が認められている場合は、当事者の片方からの一方的な解除が可能です。
例えば、期間の定めのない労働契約による労働者はいつでも退職の申し出ができますが、これは民法627条が、解約の申入れとそれによる契約終了の時期を定めているためです。

また、使用者又は労働者の一方が労働契約の解除を申し出て、他方がこれを受け入れたなら、労働契約はいつでも解除可能です。
これは労働契約の当事者双方が新たに合意し、労働契約の内容が変更されたことになるからです。

しかし、他方の合意のない、使用者又は労働者の片方からの一方的な解除は、労働契約にあらかじめ解除条項がありそれに沿っている場合か、法律上の権利として解除が認められている場合を除き、できません。

法附則137条は、「1年を超える有期労働契約について、1年を超えた場合は」という条件付きで、労働者側からの一方的な労働契約解除を、法律上の権利として認める条文なのです。

投稿内容を修正

参考になった:3

poo_zzzzz 2023-10-17 02:17:51



PAGE TOP