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法16条の2が遺族補償年金を受けることができる遺族を、労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母及び兄弟姉妹であって、労働者の死亡の当時その収入によつて生計を維持していたものと定めています。
このうち、 夫(事実婚を含む)父母、祖父母及び高齢の兄弟姉妹に関しては60歳以上であることを要件としています。
法の本則に関しては、あなたの書かれているとおりです。

しかし、昭和40年改正法附則43条1項が、労働者の夫(事実婚含む)、父母、祖父母及び兄弟姉妹であって、労働者の死亡の当時、その収入によって生計を維持し、かつ、55歳以上60歳未満であったものを、法16条の2の遺族とする、と書いています。
この改正法附則があるため、55歳以上60歳未満の場合も、法16条の2の遺族になります。

しかし、この昭和40年改正法附則43条1項では、遺族の数に応じて年金額を定めるための別表第一において、遺族補償年金を受けることができる遺族から、昭和40年改正法附則43条1項の遺族であって、60歳未満であるものを除いています。
このため、昭和40年改正法附則43条1項により遺族となった55歳以上60歳未満である者は、遺族の数に応じて年金額を定める別表第一において遺族になりません。

と、同時に昭和40年改正法附則43条3項が、1項に遺族に支給すべき遺族補償年金は、その者が60歳に達する月までの間は、その支給を停止するとしています。
このため、55歳から60歳に達するまでの間は若年支給停止です。

しかしこの昭和40年改正法附則43条3項には「労働者災害補償保険法第60条の規定の適用を妨げるものではない」と書かれているのですね。
この法60条が遺族補償年金前払一時金の規定です。
このため、若年支給停止中であっても遺族補償年金前払一時金は請求できます。年金ではないですから別表第一において遺族になっていなくても矛盾しません。

簡略にまとめると、
① 改正法附則を含めて考えると、生計を維持する夫(事実婚含む)、父母、祖父母及び兄弟姉妹55歳以上60歳未満の者は遺族になる。
② しかし①の者は、年金額を決める場合の遺族の人数に入れない。
③ 同時に①の者は60歳に達するまで年金を支給停止する。
④ しかし①の者でも遺族補償年金前払一時金の規定の適用は妨げない。
となります。

あなたは、55歳以上60歳未満の者が遺族であるかないかに着目して混乱されています。
しかしこの者を遺族にしないのは、遺族の数に応じた年金額を定める別表第一において遺族としないだけであって、受給資格者や受給権者であるかどうかを判断する場合においては遺族なのです。
かつ、昭和40年改正法附則43条3項が、遺族補償年金前払一時金の規定の適用を妨げないとしているため、遺族補償年金前払一時金は支給されます。
一時金ですから、別表第一において年金額に影響する遺族の数に入らないことは、問題になりません。


説明はここまでです。
さて、若年支給停止である者でも遺族補償年金前払一時金を請求できるのですが、これは、遺族補償給付全体を考えた場合に特別な規定ではなく、当然の規定です。
もしまだ当然である理由を理解できていらっしゃらないなら、理由を考えてみてください。

参考になった:1

poo_zzzzz 2024-11-08 12:57:19

大変わかりやすい回答ありがとうございます。
納得できました。

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mkmknit0108  2024-11-08 14:10:01



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