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権利関係/宅件業者への損害賠償額
skkmark0917 2017-10-05 23:47:20
瀧澤先生、こんばんは。
度々質問すみません。
債務不履行などによる
宅建業者への損害賠償額についての質問です。
宅件業法では
宅建業者以外の人でしたら損害賠償額は20%未満と決められていますが、
宅建業者への額はいくらでも良いのでしょうか?
権利関係では
法定利率(年5分)を原則としている
となっていますが、イマイチよくわかりません。
宅建業法でも権利関係でも宅建業者へは
いくらでも損害賠償を定めていいのでしょうか?
宅件業法の宅建業者への損害賠償
と
権利関係の債務不履行による宅建業者への損害賠償
が混ざっています。
乱雑な文章、すみません。
skkmark0917さん、こんにちは。
〉宅建業者以外の人でしたら損害賠償額は20%未満と決められていますが
多分、これが誤解の根源ではないかと思いますが、断片的な説明をしても混乱が深まるだけだと思うので、原則論から説明します。
意外と簡単です。
債務不履行に基づく損害賠償請求については、基本テキストVol.1 P122欄外の「余力があれば」にある通り、民法が賠償するべき損害の範囲を「通常生ずる損害」と限定していますが、具体的に「〇〇円まで」といったような金額の制限はありません。
これは、消費者が宅建業者を相手取って損害賠償を請求する場合も、宅建業者が消費者を相手取って損害賠償を請求する場合も同じです。「通常生ずる損害」であれば、賠償金の金額に上限はありません。
ただし、契約当事者が損害賠償額の予定を定めた場合は、賠償金の額は原則としてあらかじめ定めた金額となります(たとえば、AとBがA所有の土地を1000万円で売買する際に、損害賠償額の予定を300万円と定めた場合、AまたはBが債務不履行を引き起こした場合は、具体的な損害額とは関係なく賠償金の金額は300万円です)。
また、宅建業者が自ら売主となって宅建業者でない買主と宅地・建物を売買する場合において、損害賠償額の予定を定める場合は代金の額の10分の2までとされます。ただ、これはあくまでも「損害賠償額の予定を定める場合」であって、宅建業者が自ら売主となって宅建業者でない買主と宅地・建物を売買する場合に、常に損害賠償の金額が代金の10分の2に制限されるわけではありません。
多分、ここを誤解されているのではないかと思います。
なお、
〉法定利率(年5分)を原則としている
これは、損害賠償の上限額を定めているわけではありません。
土地や建物の売買において、売主が約束通りに土地や建物を引き渡さなかった場合(債務不履行を引き起こした場合)、相手方には目に見える形で損害が発生します(たとえば、売主が約束通りに建物を引き渡してくれなかったため、買主が代わりの建物を借りざるを得なくなって、敷金60万円と家賃30万円、宅建業者への仲介手数料10万円といった感じです)。なので、その損害を売主に賠償させます。
しかし、買主が約束通りに代金を支払わなかった場合は、相手方には目に見える形で損害が発生するわけではありません。
なので、金銭債務の不履行があった場合、賠償金の金額は利率で算定することになっており、当事者で具体的な利率を定めていない場合は年5%で計算するということです。
瀧澤
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nobori_ryu 2017-10-06 10:37:05