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権利関係 [過去問]/肢別過去問集130ページ問14について
tn73 2017-12-22 07:07:35
瀧澤先生
この問題の解説文の意味が解りません。問題文には3年間という期限の定めがあるのに、解説文の太字で記載された部分「解約申入れから6カ月経過後に契約が終了する旨〜」という期限の定めがない場合の根拠を示していますが、これは期限のある場合なのに期限のない場合の規定を適用しているので矛盾しているように感じます。
私は解説文2行目の「中途解約できる旨の特約」と問題文の特約を比較して、「中途解約できる旨の特約」の方が賃借人にとって有利なので、賃借人に不利な特約の問14は誤りと考えたのですが、どうでしょうか。
tn73さん、こんにちは。
〉私は解説文2行目の「中途解約できる旨の特約」と問題文の特約を比較して、「中途解約できる旨の特約」の方が賃借人にとって有利なので、賃借人に不利な特約の問14は誤りと考えたのですが、どうでしょうか。
実はこれ、結構微妙な問題です。というのは、賃貸人からの中途解約を無効であるとする解釈も、無効であるとする解釈も、どちらも論理的に成り立ちうるからです。
また、賃貸人からの中途解約を無効であるとする最高裁判例も有効であるとする最高裁判例もありません。
ただし、賃貸人からの中途解約の有効性を前提とした下級審判例はあり(東京地判昭55.2.12)、有効性を認めるのが支配的な考え方となっています。
法的根拠としては、賃貸借の期間に定めがあっても当事者が期間内に解約する権利を留保したときに、民法617条の規定に従って解除ができることを認める民法618条の規定を挙げることができます。
ただし、617条の規定では建物賃貸借の場合、解約申入れから3ヵ月経過で契約終了となってしまうため(基本テキストP196下から6行目の(2)参照)、賃借人保護の観点から借地借家法を根拠に解約申入れには正当事由を必要とし、かつ、解約申入れから6ヵ月経過により契約終了とし、これよりも賃借人に不利な特約は無効と解するのが、通説的な考え方です。
上記下級審判決(東京地判昭55.2.12)も、同様の立場を取ります。
なお、建物賃貸借において賃貸人と賃借人の間の特約が無効となるのは、①借地借家法の借家に関する規定に違反し、かつ、②賃借人に不利な場合です(基本テキストP200参照)。
しかし、借地借家法では「賃貸人が中途解約できる旨の特約」を明確に禁じているわけではありません。そのため、たとえ賃借人に不利であっても借地借家法に違反していないため、「賃貸人が中途解約できる旨の特約」を直ちに無効とするのは、無理があるように思います。
いかがでしょうか?
瀧澤
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nobori_ryu 2017-12-22 00:15:45