ニックネーム | *** 未ログイン ***
権利関係/区分建物の登記について
bmw1025 2018-07-24 06:33:22
区分建物の登記について、伺います。
テキストP268には、
区分建物の所有権保存登記は、
「敷地権付きの区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の
承諾を得なければならない。」
その理由は、「敷地権付きの区分建物の場合、区分建物の保存登記を行うと、
敷地権についても所有権移転登記が行われたとの効果が生じてしまうからである。」
と書いてあります。
しかし、テキストP256には、原則として
「区分所有者は、専有部分と敷地利用権を分離して処分することはできない」
と書いてあります。
また、講義では、規約に別段の定めがあれば、分離処分も可能であるが、
滅多に行われることはないと解説されていました。
敷地権の登記名義人が承諾せずに「専有部分」と「敷地利用権」が分離される場合とは、
どのような場合のことなのでしょうか。
bmw1025さん、こんにちは。
よくわからないのですが、「敷地権付きの区分建物であるときは、当該敷地権の登記名義人の承諾を得なければならない。」ので、「敷地権の登記名義人が承諾せずに『専有部分』と『敷地利用権』が分離される場合」があり得ると推論されたということでしょうか?
しかし、そのようなことはあり得ません。
敷地権は敷地利用権が専有部分と一体化していること、つまり専有部分と敷地利用権の分離処分が禁止されていることが前提です。したがって、専有部分と敷地利用権が分離することはあり得ないからです。
そもそも、敷地権の登記名義人は、通常はマンションの分譲事業者です。したがって、区分建物(専有部分)を売却した分譲事業者が、承諾をしないといった事態は、まず起こり得ません。
にもかかわらず、不登法74条2項後段が敷地権の登記名義人の承諾を必要としているのは、区分建物の保存登記によって敷地権についても移転登記が行われたとの効果が生じてしまうので、念のため、敷地権の登記名義人の承諾によって敷地権についての権利移転の真性を担保しようとしているに過ぎません。
以上のような状況から、74条2項後段の敷地権の登記名義人の承諾を、不要とすべきとの意見もあるようです。
タキザワ宅建予備校 講師 瀧澤宏之
参考になった:2人
nobori_ryu 2018-07-23 11:36:27
早速のご回答有難うございます。
大変分かりやすく丁寧にご説明いただきましたので、
私のような者でもとてもよく理解できました。
ところで、テキストでは「規約に別段の定めがあれば、分離処分も可能となる。」
と書いてありますが、どのような場合に分離処分されるのですか?
「このような分離処分は、滅多に行われることはない」と解説されていましたので、
試験対策としては意味がないのかもしれませんが、
気になって仕方がないので、ご教示ください。
bmw1025 2018-07-23 20:41:34
通常のマンションではなく、いわゆるタウンハウスの場合に分離処分を認める必要性が高いと言われます。
タウンハウスも区分所有建物であり、敷地も区分所有者の共有であることが多いのですが、実質的には各区分所有者が一戸の建物とその敷地を所有する形態となっているため、通常の一戸建ての住宅の様に、敷地だけ売却するとか、建物だけ売却するといったニーズがあるのです。
最近は、タウンハウス自体がはやらないんですけどね。
また、通常のマンションでも、マンションを増築し、新たに生じた専有部分を販売する場合、専有部分の購入者に対して従前の区分所有者たちは敷地利用権を分け与えなければなりません。この場合、敷地利用権との分離処分を認める必要が生ずることになります。まさに、レアケースですけどね。
タキザワ宅建予備校 講師 瀧澤宏之
参考になった:0人
nobori_ryu 2018-07-23 23:59:29
受験生のみなさんには、迷惑な質問だったかもしれませんが、
私にとりましては、すっきりしなかったことを分かりやすく解説して頂き誠にありがとうございました。
これで、すっきりしましたので、勉強も先へ進めそうです。
瀧澤先生、本当にありがとうございました。
bmw1025 2018-07-24 06:33:22