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TONBOさん、こんにちは。

結論から言うと、⑤の援用を取得時効の成立要件と位置付けるのは誤りです。

取得時効の成立要件は民法162条に規定されている①~④のみであり、145条に規定されている援用は成立要件とは理解されていません。
また、肢別過去問P28~P30に掲載されている取得時効に関する問題はいずれも援用について言及されていないため、TONBOさんのように考えると全て取得時効不成立となってしまい、問題として成立しなくなってしまうことからも援用が取得時効の成立要件でないことは明らかです。

そもそも取得時効の成立要件と援用の関係をどのように理解するかについては、学説が多岐に分かれていますが(時効学説と呼ばれています)、取得時効は162条に規定されている要件(①~④)を充足することで成立するが、時効の効果の発生は不確定的であり、援用をもって効果が確定的に発生すると理解する停止条件説と呼ばれる考え方が判例です(最判昭61.3.17)。

つまり、援用を取得時効の成立要件ではなく効力発生要件と位置付けるのです。
したがって、取得時効の成立要件を満たしている本問の場合、AがBの所有地の所有権を取得できる可能性があるので◯です。

なお、時効学説については、ネットで検索するといくらでも解説してくれているサイトが見つかります。
ただ、司法試験レベルの議論であり、宅建試験では全く必要のない議論ですので、くれぐれも深入りなさらないようご注意ください。

タキザワ宅建予備校 講師 瀧澤宏之

参考になった:4

nobori_ryu 2020-02-20 09:03:52

瀧澤先生、どうもありがとうございます。

判例を知っていても活用できなくて、自分の理解の浅さがよくわかりました。
また先生が指摘してくださる深入りしないようにということに非常にありがたいです。
なぜなら、ただ説明すれば試験範囲を教えたことにする講師が多いからです。

本当に教えてくださるのと他では入手できないような貴重な情報をいただけることに
感謝申し上げます。

ありがとうございました。

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TONBO  2020-02-20 12:21:40



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