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sayakyokuさん、こんにちは。

〉本問では、宅建業者Aが自ら売主として売却するのはB所有の土地であり、
〉①問題文中には、売買契約や売買予約が成立したとの記載もなく他人物売買に思えるのですが、手付金保全措置さえ行えば売買することができるのでしょうか。

はい。その通りです。
未完成物件の場合、手付金等の保全措置を講ずれば、その物件が他人所有であるのか自己所有であるのかを問わず、売買契約を締結することができます。

〉②回答を見ると、未完成物件の売買を意味するとありますが、問題文に未完成とか工事中などの記載がなくても、条文を見て判断できるレベルが必要でしょうか。

まず、本問の「宅地建物取引業法第41条第1項に規定する…売買」という言い回しは、自己の所有に属しない物件の契約締結制限を規定する宅建業法33条の2の言い回しをそのまま引用したものです。
つまり、宅建業法33条の2では「物件が未完成の場合は…」という表現を用いず、「宅地建物取引業法第41条第1項に規定する…売買」という言い回しで物件が未完成であることを表現しており、本問は、ただその言い回しに忠実に出題されたものに過ぎません。

なので、出題者が宅建試験の受験生に「条文を見て判断できるレベル」を求めたわけではなく、条文に忠実に問題を作成したら、結果的に「条文を見て判断できるレベル」を求めるような問題になってしまったのではないかと推測しています。
言わば、事故で底意地の悪い感じの問題になってしまったのではないかと思います。

では、この問題を離れて、宅建試験の学習において「条文を見て判断できるレベル」が求められているかどうかですが、結論から言うと、そこまでのレベルは求められていません。
実際のところ、権利関係なども含めて、まれに「条文も見てますよね??」と言わんばかりの問題が出題されることもありますが、あくまでも「まれ」であって、宅建試験は「条文を見て判断できるレベル」が求められている試験ではありません。
何よりも、こまめに条文を参照しながら学習している受験生は圧倒的に少数です。
したがって、宅建試験の合格レベルは、「条文を見て判断できるレベル」は必要ないと考えていただいて大丈夫です。

もちろん、法律を学ぶ以上、条文を参照するのが本筋だと思いますし、熱心な方の中には、こまめに条文を参照される方もいらっしゃいます。
基本テキストに根拠条文や判例の年月日を掲載しているのも、そういった方のニーズにお応えするためですが、先に述べた通り、宅建試験は「条文を見て判断できるレベル」に達していなければ合格できない、といったものではありませんのでご安心ください。

タキザワ宅建予備校 講師 瀧澤宏之

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nobori_ryu 2020-05-08 23:58:22

瀧澤先生
早速のご返信ありがとうございました!

テキストP661、662(第4節自己の所有に属しない物件の契約締結制限)を読んで、
宅建業者が自ら売主となって売買契約をする場合、
1 他人の所有物である場合は、取得が確実であること。
2 未完成物件の場合は、手付金等の保全措置を講じていること。
と、シンプルに考えておりました。
2の未完成物件の場合、宅建業者が自己所有しているものと思い込んでいましたところ、
「その物件が他人所有であるのか自己所有であるのかを問わず、売買契約を締結できる」と教えていただき、独学ではわかりづらかったところ、感謝しております。
ただ、そうなると、素人考えでは、完成物件で他人の所有物の場合、取得確実でなくても、保全措置を講じれば売買できそうな気がして、それはなぜダメなのだろうかと新たに疑問に思いました。

条文を見て判断できるレベルが求められるかどうかについては、
先生のご説明で納得し、少し安心いたしました!

お忙しいところ、丁寧なご説明ありがとうございました。

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sayakyoku  2020-05-09 09:50:38

〉宅建業者が自ら売主となって売買契約をする場合、
〉1 他人の所有物である場合は、取得が確実であること。
〉2 未完成物件の場合は、手付金等の保全措置を講じていること。
〉と、シンプルに考えておりました。

ぶっちゃけると、私も含めてみんな、そのように理解していたんですよ
ところが、2009年(平成21年)にご質問の選択肢が出題され、◯なのか×なのか、論争になりました。
他人所有である以上、やはり手付金等の保全措置だけでは売買契約は締結できない(×)という見解も有力でした。

ところが、合格発表があり、不動産適正取引推進機構の公式解答では、手付金等の保全措置だけで売買契約を締結できる(◯)でした。
たしかに、宅建業法の条文を確認してみると「自己の所有に属しない物件であっても未完成物件の場合は手付金等の保全措置を講ずれば売買契約を締結できる」と読み解くことはできるので、とりあえず◯で落ち着きました。

〉ただ、そうなると、素人考えでは、完成物件で他人の所有物の場合、取得確実でなくても、保全措置を講じれば売買できそうな気がして、それはなぜダメなのだろうかと新たに疑問に思いました。

そうなんですよ。
一応、条文を杓子定規に読めば、上記の通り、◯なのですが、突き詰めて考えるほど、理屈で説明がつかないんですよね。

ちなみに、同様の問題は後にも先にも全く出題されていません。
なので、試験対策としては、変だけど割り切って◯、と思っておいた方が良いのでしょう。

実を言うと、この問題を、肢別過去問に掲載し続けるべきかどうか、迷うところでもあります。
しかし、自己の所有に属しない物件の契約締結制限で、未完成物件を扱った問題は、平成以降ではこの問題だけなんですよね。
なので、迷いつつも、肢別過去問には掲載を続けているのですが、来年からは掲載を見合わせた方が良いのかもしれませんね。

タキザワ宅建予備校 講師 瀧澤宏之

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nobori_ryu 2020-05-09 23:08:03

瀧澤先生

お世話になります。
再度のご説明をいただき、ありがとうございました!

実は、勉強を始めてみて、こんなに大変なのかと諦めモードになっておりましたが、
このようなぶっちゃけ話までお伺いできて、大変うれしく、これはこれと割り切ることですっきりといたしました(笑)
お書きいただいたような論争があったことなどもつゆ知らず、お手数をおかけいたしました!
おかげさまで、しばらくは、めげずに勉強を続けられそうです。
ありがとうございます。


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sayakyoku  2020-05-10 09:38:05



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